米国債(19日):3日続伸、キプロス情勢の混乱で逃避需要

米国債相場は3日続伸。10年債利回 りは2週間ぶりの水準に低下した。キプロス救済をめぐる混乱で欧州の 債務危機が悪化するとの懸念から、米国債への逃避需要が高まった。

2日間の日程でこの日始まった米連邦公開市場委員会(FOMC) は、債券購入の継続を決定すると予想されている。2月の米住宅着工件 数と着工許可件数が大きく増えたものの、米国債は堅調を維持した。キ プロス議会は救済獲得の前提となっていた銀行預金課税を実施するため の法案を否決した。

ナビゲート・アドバイザーズ(コネティカット州スタンフォード) のマネジングディレクター、トーマス・ディガロマ氏は「米金融当局に とって、キプロスは思いがけない展開となっている。米国債に引き続き かなりの需要がある。欧州の他の国に問題が波及することが懸念されて いる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.9%。一時は1.89%と、3 月5日以来の低水準を付けた。10年債(表面利率2%、2023年2月償 還)価格は15/32上げて100 7/8。

30年債利回りは6bp低下の3.13%。一時は6日以来の水準とな る3.11%に低下した。

「質への逃避」

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏(ニューヨーク在勤)は「質への逃避買いに他ならない」と 述べた。さらに「FOMCは景気が幾らかは改善していると言及せざる を得ない。データが変化しているため、FOMCが姿勢を幾らか変更す ることを現在の市場はかなり憂慮している」と語った。

米国債はここ2週間で最も割高な水準にある。連邦準備制度理事会 (FRB)のエコノミストが開発した金融モデルに基づくタームプレミ アム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、10年債のタームプレミアム はマイナス0.71%と、3月5日以来の割高な水準。マイナスのタームプ レミアムは、適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れて いることを意味する。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 期間10年以上の米国債は同年限の他国の国債に比べ、2011年以降で最も 割安な水準近辺で推移している。米国債利回りは14日に他の国債指数 を54bp上回り、2011年8月以来で最大となった。18日の同スプレッド は53bpだった。

キプロス議会が否決

キプロス議会が同国救済融資の条件に挙げられている銀行預金課税 を実施する法案を否決し、欧州が提示した救済案は宙に浮き、ユーロ圏 が再び混迷を深めるリスクが高まった。これを背景に米国債利回りはこ の日の低水準近くにとどまった。議会は挙手による採決を実施。36人が 反対、19人が棄権した。賛成はゼロだった。欧州当局者らは先週、キプ ロスに対する100億ユーロの救済融資の条件として、銀行預金課税を通 じた58億ユーロの捻出を求めた。

欧州中央銀行(ECB)が声明を発表すると、米国債は伸び悩ん だ。ECBは「キプロス議会の決定を受け止め、欧州連合(EU)欧州 委員会および国際通貨基金(IMF)のトロイカパートナーと連絡を取 り合っている」と表明。「ECBは既存ルールの範囲内で必要に応じて 流動性を供給するとの方針を再確認する」と続けた。

原題:Treasuries Climb for a Third Day on Cyprus Concern as Fed Meets(抜粋)

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