JPモルガンの鯨、後輩トレーダー推薦で自ら墓穴-後釜就任

米JPモルガン・チェースで62億ド ル(約5930億円)の損失を招き、同行退職に追い込まれた元トレーダ ー、ブルーノ・イクシル氏は、気付かぬうちに自身の後任選びを手助け したのかもしれない。

イクシル氏は2012年1月30日、上司のハビエル・マルティンアルタ ホ氏に宛てた電子メールで、当時JPモルガン投資部門のマーケットメ ーキングデスクで高利回り指数を取引していたヘンリー・キム氏につい て、「大変若くて才能がある」と指摘し、チーフ・インベストメント・ オフィス(CIO)部門への登用を検討すべきだと提案していた。先週 公表された米上院常設調査小委員会の報告書の添付書類で明らかになっ た。

イクシル氏は、キム氏が「ニューヨークかロンドンのどちらかの CIO部門で何かチャンスがないか知りたいと思っている」と説明し、 マルティンアルタホ氏がニューヨークにいる間に「非公式でもいいから 面会できないかと考えている」と指摘した。

イクシル氏は自らの投資の失敗が公の注目を浴びることになる数カ 月前にこのメールを書いた。メールは上院の報告書に添付された598ペ ージの書類に含まれており、イクシル氏がJPモルガンの投資銀行部門 から人材を引き抜くことに関心があったことを示している。

JPモルガンの広報担当、ジョゼフ・エバンジェリスティ氏はコメ ントを控えた。キム氏と、イクシル氏の弁護士、レイ・シルバースタイ ン氏には電子メールでコメントを要請したが回答は得られていない。

取引の中止

上院の報告書によると、当時CIO部門の責任者だったアイナ・ド ルー氏は昨年5月23日、損失が5億ドルを超えると、イクシル氏に取引 を中止するよう指示した。イクシル氏がまだJPモルガンで雇用が継続 中の昨年6月には、キム氏はCIO部門で合成クレジット商品のポート フォリオを取引をするため起用された。当時、事情に詳しい関係者1人 が明らかにしていた。

同関係者によると、キム氏の上司は、アキリーズ・マクリス氏の後 任としてCIOの欧州・中東・アフリカ責任者に就任したロブ・オライ リー氏。上院の報告書によると、JPモルガンは昨年7月12日、イクシ ル氏に解雇通知を送付した。

キム氏は、4-6月(第2四半期)に開始が予定されているヘッジ ファンド、米リーフ・ロード・キャピタル・マネジメントに入社するこ とを事情に詳しい複数の関係者が先月明らかにした。

原題:JPMorgan’s Whale Advocated ‘Young’ Trader Who Later Took His Job(抜粋)

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