キプロス課税は死を告げる弔い鐘-共通保険に打撃、預金流出も

欧州が推進するキプロス救済策は、 預金保険制度を共通化する債務危機対策の要となる計画を台無しにする 危険があり、最も脆弱(ぜいじゃく)な銀行が預金を保持する能力に疑 念を生じさせることになりそうだ。

欧州の財務相らは16日、キプロスの救済費用を賄うため、10万ユー ロ(約1240万円)に達しない小口の預金も含めて同国の銀行口座に強制 的に課税することで合意した。キプロス議会が承認すれば、欧州の金融 システムの信頼回復のために預金保険プログラムを共通化する計画に打 撃を与える恐れがある。

キプロス経済はユーロ圏17カ国全体の0.5%を下回る規模にすぎな いが、銀行預金に課税する今回の動きは、リスクに直面すると考えられ る他の欧州諸国の銀行から時間をかけて預金が流出する不安を再燃させ ると運用担当者やアナリストは指摘する。

JPモルガン・チェースのアナリスト、ロベルト・エンリケ氏は顧 客向けリポートで、「これは欧州連合(EU)の共通預金保険制度の死 を告げる弔いの鐘になるだろう。今回の動きに伴い、安定化手段の一つ が現在のプロセスで完全に台無しとなり、銀行セクターに緊張が将来発 生する場合、預金流出という非常に強烈な反応が起きると予想される」 との見方を示す。

EUの指導者らは、加盟27カ国の個別の預金保証プランに最低基準 を設定する作業を6月の期限に向けて進めている。欧州議会で法制化作 業に携わる英保守党のビッキー・フォード議員は「保険制度の保護下に ある預金者について、預金額が10万ユーロを下回る場合は、強制的な負 担を強いる『ベイルイン』の対象から除外すべきだと欧州委員会のテキ ストで非常に明確に示されている」と話している。

原題:Cyprus Bank Levy Threatens European Plan for Deposit Guarantees(抜粋)

--取材協力:Giovanni Salzano、Jesse Westbrook、Patricia Lui、Jim Brunsden、Rebecca Christie.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE