億万長者たちの栄枯盛衰が映す物質主義の結末-アイスランド

経済規模約130億ドル(約1兆2400 億円)のアイスランドには、2008年の金融危機の前には6人の億万長者 がいた。現在は1人もいない。

サッカーチーム、ウェストハムの元オーナー、ビョルゴルフル・グ ズムンズソン氏や投資会社バウガー・グループの創業者、ジョン・アス ゲイル・ヨハネソン氏を含む5人は、投資バブルに沸くアイスランドで 銀行からの借り入れを基に富を築き、富豪たちの資産総額は国内総生産 (GDP)の10倍にも膨れ上がった。だが、5人は資産の全て、あるい は大半を失った。

アイスランドの元億万長者のうち少なくとも3人は会計上の不正行 為の調査対象になっている。かつて自家用ジェットで世界を飛び回り、 ニューヨークとロンドンで高級マンションを保有していたヨハネソン氏 は不正会計などの罪に問われ、2月に執行猶予付き禁固1年の判決を受 けた。

ヨハネソン氏とグズムンズソン氏は09年に破産を申請。漁業と観光 の国から金融拠点へと姿を変えたアイスランドの好況から不況への暗転 を体現する人生を歩んだ。

バブル崩壊

4年前に政権を引き継いだシグルザルドッティル首相は「欲望が再 びこの国を導くことはできない。国と国民にとってひどい結果をもたら したからだ」と語る。

アイスランド大学のステファン・オラフソン教授(社会学)はイン タビューで、金融危機前、億万長者は「人々が信じていた物質主義の象 徴だった。バブル崩壊以降、彼らのイメージは傷付いた。ビジネスや金 融業での成功の象徴と考えられていた彼らのイメージは、もはや評価さ れなくなった」と指摘。地位を獲得するためにリスクを取るような元億 万長者たちの行動は、もはや繰り返されることはないだろうとの見方を 示した。

原題:Iceland’s Lost Billionaires Unmourned as Extreme Riches Draw Ire(抜粋)

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