ユーロは3カ月ぶり安値圏、キプロス動向にらみ-ドル・円は95円台

東京外国為替市場では、ユーロが対 ドルで前日に続き、約3カ月ぶり安値圏で推移した。キプロスの銀行預 金課税問題をめぐり、議会の採決が延期されるなど依然として不透明感 が強く、ユーロは上値の重い展開だった。

午後3時1分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.2936ドル前 後。前日には一時1.2882ドルと昨年12月10日以来の安値までユーロが急 落した。この日は1.29ドル台で上下に振れる展開に終始した。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、「キプロ ス問題はひとまず大事に至らずに済んだ。まだ本当に大丈夫か不安は残 るが、少なくとも東京時間は安堵感が広がり、株価が上昇したことで、 クロス・円の円売りにつながった」と指摘。もっとも、「ユーロは円以 外の通貨に対しては昨夜から弱含んでおり、注視する必要がある。キプ ロスが特殊事情を抱える国であることは認識されているが、周辺国に波 及するかが焦点だ」と言う。

ユーロ・円相場は前日に一時、1ユーロ=121円前半までユーロ 安・円高が進行。ただ、あす発足の日本銀行の新体制に対する金融緩和 期待を背景に円の上値は重く、124円13銭まで戻す場面があった。同時 刻現在は123円46銭前後で推移した。

ドル・円相場は前日に1ドル=93円57銭と今月6日以来の水準まで ドル安・円高に振れたが、その後じりじりと値を戻している。この日の 午前の取引後半にかけては95円75銭まで円が売られ、足元では95円43銭 前後で取引された。

三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットマーケ ットメイクチーム長、海崎康宏氏(ニューヨーク在勤)は、「長期的に 日本が財政赤字、貿易赤字という双子の赤字を抱えつつある中、円は以 前ほど質への逃避で使われる通貨ではなくなってきている」とし、ド ル・円も今後、質への逃避で「大きく円高にいくというのは考えづら い」とみている。

キプロス問題

ユーロ圏財務相は18日、キプロス支援の条件として同国に求めた預 金課税について、総額58億ユーロ(約7160億円)の徴収目標を維持する よう同国に伝える一方で、小口預金者を免除する措置は認める考えを示 した。100億ユーロの救済融資の条件である課税についての同国での採 決は再び延期され、議会は19日午後6時に開かれることになった。銀行 は18日の祝日に続き、19、20両日も休業になると当局者は述べた。

18日の欧州債市場ではキプロス懸念を背景にドイツ国債が上昇し、 2年債利回りはここ10週間で初めてゼロを下回った。キプロス国債は下 落。一方、キプロスからの危機感染は食い止められるとの見方から、イ タリア国債の下げは限定的となった。

また、米国債相場は続伸し、10年債利回りは3週間ぶりの大幅低下 となった。欧米株式相場は下落。

海崎氏は、「キプロス自体は経済規模もそれほど大きくないし、イ タリアやスペインにこの話が波及するかというとそれはまた別の話だ」 と指摘。半面、「ユーロについては、キプロスに加えて、イタリア政局 の話もある」とし、「出てくるのはどちらかと言えばネガティブなニュ ースが基本的に多く、リスクは下向き、下落方向」とみていた。

日銀新体制

国内ではこの日、日銀の白川方明総裁と山口広秀、西村清彦両副総 裁が退任。20日には黒田東彦氏が日銀総裁、また、岩田規久男氏と中曽 宏氏が副総裁に就任する予定で、日銀新体制が始動する。

白川総裁は午前の衆院財務金融委員会の答弁で、日銀として「最大 限の努力を払ってきたが、残念ながら物価安定下での持続的成長軌道に 復帰するには持続的成長軌道に復帰するにはなお至っていない」と述べ た。

黒田氏は11日の参院議院運営委員会での所信聴取で、日銀が1月に 導入した2%の物価目標を「1日も早く実現する」と強調。年限がより 長い国債を購入する必要があり、就任後は早急に具体的な緩和策を決め たいと語った。4日には衆院で、14年からの無期限買い入れの前倒しに も言及している。

みずほコーポレート銀の加藤氏は、日銀の新体制について、「実施 するであろう金融緩和策は大体見えてきている。焦点は2%の物価目標 を本当に達成できるのか、どういう絵を描いて、どういう道筋で進める と示せるかだ。安倍内閣は参院選までは何としても円安・株高基調を保 とうとするだろうが、近い将来の物価目標の達成へは困難な道のりだ」 と語った。

--取材協力:. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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