日本株急反発、欧州警戒和らぎ輸出、金融中心上げ-海運人気

東京株式相場は急反発。キプロス問 題を受けた前日の海外金融市場、為替の混乱が限定的だったことで、欧 州債務問題への警戒感が和らいだ。電機など輸出関連や銀行など金融株 中心に東証1部33業種中、32業種が高い。市況改善期待の海運株は業種 別上昇率のトップ。

TOPIXの終値は前日比17.55ポイント(1.7%)高の1045.89、 日経平均株価は247円60銭(2%)高の1万2468円23銭。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員企業調査部長は、「高値圏 だけに、きのうは為替変動を受けて慌てて利益確定売りが出ていたが、 為替が落ち着いたことから再度買いが入っている」と指摘。ただ、「実 態ではなく、期待で買っているため、ボラティリティ(変動性)が出や すい」とも話していた。

ユーロ圏財務相は18日、キプロス支援の条件として同国に求めた預 金課税について、総額58億ユーロ(約7160億円)の徴収目標を維持する よう同国に伝える一方、小口預金者を免除する措置は認める考えを示し た。16日に発表された合意内容では、10万ユーロ超の預金に対 し9.9%、それ以下の預金は6.75%の税率とされていた。「預金の多数 を占める小口預金者が免除されるようなことになれば、混乱は和らぐだ ろう」と、岡三証券投資戦略部の石黒英之日本株式戦略グループ長は言 う。

為替落ち着く

きょうの東京外国為替市場の円相場は、対ユーロで一時124円10銭 台、対ドルで95円70銭台と前日の東京株式市場終了時の121円84銭、94 円51銭から円安方向で推移した。18日の海外金融市場では、欧州債市場 でイタリア10年債利回りの上昇が小幅にとどまり、米ダウ工業株30種平 均も0.4%安と、日経平均株価の2.7%安ほど下げなかった。

海外、為替市場の落ち着きを受け、きょうの日本株は先物主導で見 直しの買いが先行し、午後も強含みで推移した。水戸証券投資情報部の 門馬且康課長は、「下がったところですぐ戻すということは待機資金の 多さを示している。上値を見ている投資家が多い」としていた。

また、きょうは日本銀行の白川方明総裁が退任、山口広秀、西村清 彦両副総裁が任期満了を迎え、あす20日に黒田東彦新総裁、岩田規久 男、中曽宏両新副総裁が就任する。新体制発足による臨時政策決定会合 の開催観測、4月の定例会合での大胆な金融緩和への期待感も株価が出 直る要因の一つになった。

こうした中、ゴールドマン・サックス証券ではTOPIXの今後12 カ月の目標を1250ポイント、日経平均を1万5000円に引き上げた。同証 による為替前提の円安方向への変更、日米国内総生産(GDP)予測の 上方修正、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の参加表明など が要因としている。

2兆円割れ、海運や陸運は終日強い

もっとも、あすの東京市場は祝日休場のほか、19、20両日に開かれ る米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容を見極めたいとして売買は やや盛り上がりに欠け、東証1部の売買代金は5日以来、2週間ぶりの 2兆円割れ。株価指数の上げ幅も、きのうの下落分を取り戻せなかっ た。みずほ投信の岡本氏は、「円安効果が出ている第4四半期業績結果 とそれを受けた新年度予想で業績相場に移れるのかどうか、しばらくは 騰落を繰り返しながら実態を見ることになる」と言う。

東証1部業種別33指数は鉱業を除く32業種が上げ、上昇率上位は海 運、陸運、電機、機械、証券・商品先物取引、輸送用機器、ガラス・土 石、電気・ガス、銀行、精密機器など。

上げの目立った海運株では、川崎汽船が2015年竣工で大型コンテナ 船5隻を発注すると発表する材料があったほか、シティグループ証券で は、前週末の上海発のコンテナスポット運賃が前の週に比べ13%高とな るなど、15日に予定されていた値上げが反映されたもようと指摘した。 陸運株では、強い運輸収入トレンドと不動産価格への注目が高まる中、 JR各社のバリュエーション拡大余地は残されているとJPモルガン証 券が分析。JR東日本、JR西日本、JR東海はそろって上げた。

東証1部の売買高は概算で28億3921万株、売買代金は同1兆9464億 円。値上がり銘柄数1274、値下がりは351。

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