債券は反落、キプロス懸念後退や10年ぶり水準を警戒-先物一時上昇も

債券相場は反落。キプロスの支援策 をめぐる過度な欧州懸念が後退したほか、長期金利が約10年ぶり低水準 に達したことから高値警戒感もくすぶり、売りが優勢となった。

東京先物市場で中心限月の6月物は4営業日ぶりに反落。前日比9 銭安の145円36銭で始まり、直後に145円35銭まで下落した。その後は、 水準を切り上げ、午後に入ると、一時3銭高の145円48銭に上昇。8日 に記録した史上最高値まであと2銭に迫った。引けにかけて再び下げに 転じ、結局は5銭安の145円40銭で終了した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.59%で始まり、午前は0.595%で 推移した。午後に入ると0.585%に下げ、前日に続いて5日に記録し た2003年6月以来の低水準に並んだ。その後は水準を切り上げ、2時半 すぎからは0.595%で推移している。5年物の109回債利回りは1bp高 い0.12%に上昇後、0.115%で推移している。

メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストは、前日に長 期ゾーンなどで金利低下が進展したことから買いには慎重だと指摘。 「投資家は年度内の取引をほぼ一巡し、金利上昇あれば押し目買いの構 えだが、3月いっぱいは様子見姿勢が強い」との見方も示した。

一方、超長期債は堅調。20年物の143回債利回りは1.5bp低 い1.555%、30年物の38回債利回りは2bp低い1.72%と、ともに約1週 間ぶりの低水準を付けた。

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結果 では募入最大利回り較差はマイナス0.002%、募入平均利回り較差はマ イナス0.003%となった。需要の強さを示す応札倍率は2.87倍だった。

緩和観測

マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ 長は「日銀による緩和期待が強く、底堅い。期末に向けて債券残高を積 む需要もあり、売りが続かない」と話した。

政府は19日の閣議で、日銀の白川方明総裁が同日付で退任し、後任 に黒田東彦氏を20日付で任命する人事を決定した。副総裁には同日付で 岩田規久男氏と、中曽宏氏を任命する。

キプロス救済に銀行預金課税を組み合わせるという前代未聞の措置 については、欧州の政策当局者らが柔軟な姿勢を示した。100億ユーロ の救済融資の条件である課税についての同国での採決は再び延期され、 議会は19日に開かれることになった。銀行は18日の祝日に続き、19、20 両日も休業になると当局者が述べた。

SMBC日興証券の末沢豪謙チーフ債券ストラテジストは、 キプ ロス問題は前日の日本市場で最もショックが大きかったが、欧州や米国 市場ではやや懸念が緩和し、今朝は預金削減案の見直しが伝えられてい ると指摘。「ユーロに買い戻しが入り、日経平均株価は上昇しており、 金利もやや上昇」と説明した。日経平均株価は前日比247円60銭高の1 万2468円23銭で引けた。

--取材協力:赤間信行. Editors: 山中英典, 崎浜秀磨

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