日製鋼社長:原子炉系部材で新興国メーカーと提携へ

原子炉の胴体部分などの部材を手掛 ける日本製鋼所は原子炉系の小型部材でアジアの新興国メーカーと提携 を図っていく。東京電力福島第1原発事故後、国内外で受注が低迷して いるため、アジアの新興国に活路を求める。

佐藤育男社長は13日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビュー で、バルブなど小型部材の生産技術を提供することで、現地の需要を取 り込んでいく考えを述べた。

佐藤社長は「新興国では圧力容器のような大型部材はできないが、 バルブやポンプなど小さな部材を作れるところはある。技術レベルが低 いところと一緒にやる」と話した。具体的には、東南アジアやインドな どを考えているという。

佐藤社長は、この背景として、売上高の2割程度を占めている電 力・原子力関連の来期(2014年3月期)受注高が今期以上に落ち込む可 能性があることを指摘した。

同社は電力・原子力関連の今期受注を昨年11月に当初見通しか ら28%減の300憶円に下方修正したが、佐藤氏は13日、来期についても 今期の受注水準を「キープするのが厳しい」と述べた。

主力製品は圧力容器など原子力用鍛鋼品。三菱重工業、仏アレバな ど世界の原子炉メーカーに納入している。野村証券の田崎僚アナリスト によると、日製鋼は原発向け圧力容器関連の部材で世界の8割程度のシ ェアを占めている。今期の連結純利益見込みは前期比40%減の75億円に とどまる。

シェールガス革命

原子力用大型鍛鋼品を生産する室蘭製作所は足元の製鋼能力が月1 万トン程度。それでも「仕事量は6000トン程度しかない」と佐藤氏はい う。福島第一原発事故前の10年3月期までは2期連続でフル稼働したこ とで、800億円を投じて能力を1万3000トンまで拡大していた。

佐藤氏によると、原発の建設・改修計画は国内案件が全てストップ しているほか、海外でも最大市場の中国やフランスなどで遅れが出てい る。米国ではシェールガス革命の影響でガス火力発電への需要が高ま り、原発計画そのものが縮小しているという。

昨年11月に発表した決算説明資料によると、日製鋼は英国やフィン ランドなどの原発計画に注目している。ただ、いずれも建設は20年ごろ までをめどとしており、受注に至るとしても時間がかかる。佐藤氏は、 受注できるとしても「14年後半か15年以降になるだろう」との見通しを 明らかにした。

野村証券の田崎アナリストは、日製鋼の電力・原子力関連事業につ いて、業績回復に向けて最大市場の中国での案件をいかに多く受注する かがカギとなると指摘した上で、「来期の上期ごろから受注ベースで動 きが出る」との見方を示した。

19日の日製鋼株は午前終値で、前日比1.2%高の511円。東日本大震 災が発生した11年3月11日以来では36%程度下落している。

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