NY外為:ユーロ、対ドルで14カ月ぶり大幅安-キプロス懸念

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルに対し、ここ1年2カ月で最大の下げとなった。キプロス救 済の一環として同国の銀行預金に課税する案が合意されたことを受け、 欧州債務危機の悪化懸念が高まった。

ユーロは対円では2週間ぶり安値を付けた。救済融資の条件である 課税についてのキプロスでの採決は再び延期された。欧州当局者らは銀 行預金課税を通じた58億ユーロの捻出をキプロスに求めている。ユーロ は軟調な展開だが、イタリアおよびスペインの国債相場の下げが限定的 だったことを受けて下げを縮めた。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「キプロスの場合、ユ ーロ圏の他の重債務国への未知の感染リスクをめぐる懸念がある」と し、「考えるのは後回しにしてまずはユーロを売る、というのが市場の 反応だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前週末比0.9% 安の1ユーロ=1.2957ドル。一時1.5%安と、2012年1月13日以降で最 大の下げとなった。対円では1%下げて1ユーロ=123円82銭。一時121 円15銭と、3月5日以来の安値を付けた。円は対ドルで0.1%高の1ド ル=95円21銭。

ボラティリティ

対ドルでのユーロ相場の1週間のインプライド・ボラティリティ( IV、予想変動率)は一時34%上昇と、1日の上昇率としては10年5月 以降で最大となった。

キプロスの街ではATM(現金自動預払機)の前に行列ができ、他 国でも資金流出が起こる懸念が浮上。欧州中央銀行(ECB)が昨年9 月に財政難の国を支える方針を表明して以来落ち着いていた市場は、再 び混乱する恐れがある。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サ ービスは、キプロスの銀行預金に課税するという措置は欧州大陸の銀行 の格付けに悪影響を及ぼすと指摘した。

TDセキュリティーズのアジア太平洋地域調査責任者、アネット・ ビーチャー氏(シンガポール在勤)は「今回の件が、他のいわゆる預金 者保証という点で悪しき前例になるとの懸念がある」とし、「キプロス の銀行への預金は他の銀行への預金と同様の価値を持たないという事実 から見て、これは事実上のユーロ圏分裂だ」と述べた。

イタリア、スペイン債への影響は限定的

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)の為替調査責任者、アルネ・ラス ムセン氏は、キプロス問題のイタリアおよびスペインの短期債への影響 が比較的限定的だったことから、ユーロは下げを縮めたとの見方を示し た。

イタリア10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の4.63%。一時は21bp上げた。スペイン10年債利回り は4bp上げて4.96%。

シティグループの主要10カ国(G10)通貨戦略責任者、スティーブ ン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は顧客リポートで、「問題 はキプロスの預金への課税を1回限りの措置だと考えるかどうかだが、 他国の預金者や投資家は今回の件を一連の『1回限り』の措置の一つと 容易に捉え、ネガティブに反応する可能性がある」と指摘。ユーロはド ルやスイス・フラン、ポンドなど幅広い通貨に対して売られると予想し た。

原題:Euro Falls Most in 14 Months as Cyprus Turmoil Adds Debt Concern(抜粋)

--取材協力:Candice Zachariahs.

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