キプロス救済が浮き彫りにした独首相のジレンマ-総選挙迫る

キプロス救済策ではユーロ圏で初め て銀行預金課税という条件が付けられた。これにドイツが果たした役割 は、9月に総選挙が迫る中で他国の救済費用を負担すべき理由を有権者 に説明しなければならないドイツのメルケル首相のジレンマを浮き彫り にしている。

メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の議会院内副総 務、ミヒャエル・フックス議員は18日にBBCラジオ4とのインタビュ ーで、「われわれがなぜキプロスに30億ユーロ(約3700億円)強を貸す つもりなのかについて、選挙区に行って有権者に説明しなければならな い」と発言。「なぜドイツがキプロスの人々を救済する必要があるの か、なぜ彼らが自国を救済するために小額の負担も受け入れようとしな いのか」と述べた。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は16日、キプロス救済コス トを同国預金者に負担させることで合意した。キプロスは銀行預金への 課税で58億ユーロを調達することから、同国救済策への国外の貢献分 は100億ユーロに減った。こうした動きを受けてキプロス国民は行列を 作って現金引き出しに走り、現金が底をついたATM(現金自動預払 機)もある。ここ半年ほどは比較的落ち着いていた金融市場は、資本逃 避の不安で混乱する恐れが出てきた。

メルケル首相は16日に北東部の町グリンメンで開かれたCDUの会 合でキプロス救済合意について、「他国の納税者だけではなく、責任を 負うべき人々が一部含まれた」と指摘。「ドイツによるキプロス支援が 確実に容易になる良いステップだと思う」と述べた。

連立与党内の一部メンバーが救済に反対しているだけに、ドイツ議 会での承認確保はメルケル首相にとってハードルとなる可能性もあり、 社会民主党(SPD)や緑の党といった野党票に頼る必要が生じること もありそうだ。

原題:Merkel’s Cyprus Gamble Explained as Germany’s Elections Approach(抜粋)

--取材協力:Stefan Nicola、Svenja O’Donnell.

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