米国株:下落、キプロス預金課税で欧州債務危機への懸念強まる

18日の米国株は下落。ユーロ圏財務 相会合(ユーログループ)が銀行預金への課税という前例のない措置を 盛り込んだキプロス救済計画で合意し、市場では欧州債務危機が深刻化 しているとの懸念が広がった。

S&P500種産業別10指数のうち9指数が下げた。特に金融株の下 げがきつかった。クルーズ船運営会社カーニバルは下落。アナリストの 株式投資判断の引き下げが影響した。アップルとヒューレット・パッカ ード(HP)はいずれも上昇。テクノロジー株の上げを主導した。

S&P500種株価指数は0.6%安の1552.10。ダウ工業株30種平均 は62.05ドル(0.4%)下落の14452.06ドル。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチャ ード・シーシェル氏は、「これまで相場展開は素晴らしく、投資家はあ る意味、気楽に構えていた」と述べ、「今は現実を見せつけられてい る。キプロスという小国が直面している事態に投資家や各国が身震いし ている」と続けた。

欧州当局者らは100億ユーロの救済融資の条件として銀行預金課税 を通じた58億ユーロの捻出をキプロスに求めている。キプロスの国内総 生産(GDP)はユーロ圏全体の0.5%にも満たない。

救済融資の条件である預金課税をめぐる議会の採決は延期された。 この日は銀行の祝日に伴いキプロスの株式市場は休場。銀行は18日の祝 日に続き、19、20両日も休業になると当局者が匿名を条件に述べた。

金融株下落

S&P500種は2009年の底値の2倍を上回り、米株式の強気相場は 今月、5年目に突入した。予想を上回る企業決算や量的緩和策を背景に 株価が上昇し、S&P500種は先週、2007年の最高値に2ポイント未満 に迫った。ダウ平均は先週、最高値を更新した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は19日と20日に政策決定会合を 開く。

産業別10指数の中で金融株とエネルギー株が特に下げた。KBW銀 行指数は0.9%下落。指数を構成する24銘柄のうち23銘柄が下げた。モ ルガン・スタンレーとシティグループはいずれも安い。

カーニバルは3%下落。少なくとも3人のアナリストが投資判断を 引き下げた。同社のクルーズ船は今年に入り複数の海上トラブルに見舞 われている。同社は先週、2月に発生したエンジン火災に伴うコストを 反映し、通期利益予想を引き下げた。

アップル増配期待

アップルは2.7%上昇。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想 によると、同社は配当を50%余り引き上げそうだ。増配が実現すれば米 テクノロジー業界で最も配当利回りの高い銘柄の1つとなる。

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が復配と100 億ドル相当の自社株買いの方針を1年前に表明したが、より思い切った 株主還元策を求める圧力は高まっている。アップルの現金・投資は1371 億ドル。成長が鈍化し、韓国のサムスン電子などとの競争が激化する中 で、デービッド・アインホーン氏率いる米ヘッジファンド運用会社グリ ーンライト・キャピタルなどは一段の還元策を要求している。

原題:U.S. Stocks Decline as Cyprus Bank Levy Renews Euro Concerns(抜粋)

--取材協力:Sofia Horta e Costa、Karl Baker、Nikolaj Gammeltoft、Adam Satariano、Cecile Vannucci.

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