3月18日の米国マーケットサマリー:ユーロと株下落、欧州不安再燃

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.2960   1.3076
ドル/円             95.35    95.28
ユーロ/円          123.57   124.58


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       14,452.06     -62.05     -.4%
S&P500種           1,552.10      -8.60     -.6%
ナスダック総合指数    3,237.59     -11.48     -.4%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .24%        -.01
米国債10年物     1.95%       -.04
米国債30年物     3.18%       -.03


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,604.60    +12.00    +.75%
原油先物         (ドル/バレル)   93.69      +.24     +.26%

◎NY外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し、ここ1年2 カ月で最大の下げとなった。キプロス救済の一環として同国の銀行預金 に課税する案が合意されたことを受け、欧州債務危機の悪化懸念が高ま った。

ユーロは対円では2週間ぶり安値を付けた。救済融資の条件である 課税についてのキプロスでの採決は再び延期された。欧州当局者らは銀 行預金課税を通じた58億ユーロの捻出をキプロスに求めている。ユーロ は軟調な展開だが、イタリアおよびスペインの国債相場の下げが限定的 だったことを受けて下げを縮めた。

チャプデレーンのマネジングディレクター兼外国為替責任者、ダグ ラス・ボースウィック氏は「今の最大の懸念はドミノ効果が出るかもし れないということだ。その懸念がユーロを押し下げている」と分析。 「市場が理解していないのは、キプロスで預金を下ろした人がユーロ圏 内で預け替える可能性があるということだ。よって、これはユーロにと ってマイナスではない」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時11分現在、ユーロは対ドルで前週末 比0.8%安の1ユーロ=1.2966ドル。一時1.5%安と、2012年1月13日以 降で最大の下げとなった。対円では0.6%下げて1ユーロ=123円82銭。 一時121円15銭と、3月5日以来の安値を付けた。円は対ドルで0.2%高 の1ドル=95円48銭。

◎米国株式市場

18日の米国株は下落。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が銀 行預金への課税という前例のない措置を盛り込んだキプロス救済計画で 合意し、市場では欧州債務危機が深刻化しているとの懸念が広がった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指 数は0.6%安の1552.10。ダウ工業株30種平均は62.05ドル(0.4%)下落 の14452.06ドル。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチャ ード・シーシェル氏は、「これまで相場展開は素晴らしく、投資家はあ る意味、気楽に構えていた」と述べ、「今は現実を見せつけられてい る。キプロスという小国が直面している事態に投資家や各国が身震いし ている」と続けた。

欧州当局者らは100億ユーロの救済融資の条件として銀行預金課税 を通じた58億ユーロの捻出をキプロスに求めている。キプロスの国内総 生産(GDP)はユーロ圏全体の0.5%にも満たない。

◎米国債市場

米国債相場は続伸。10年債利回りは3週間ぶりの大幅低下となっ た。キプロスの銀行預金に課税するという前代未聞の措置を受け、ユー ロ圏の債務危機が再燃するとの懸念が強まり、米国債への逃避需要が高 まった。

10年債利回りは2営業日連続で2%を下回った。19日から2日間の 日程で開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)は、債券購入の継 続を決定すると予想されている。ユーロ圏財務相会合(ユーログルー プ)は16日、銀行預金への課税という前例のない措置を盛り込んだ100 億ユーロ(約1兆2500億円)規模のキプロス救済計画に合意した。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチーフ 債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「キプロス問題は最近では最 も大きく最も悪いニュースだった」と指摘。「市場は相場をいずれかの 方向に動かせるリスクがあることを認識し、欧州からのさらなるニュー スを待っている」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時34分現在、10年債利回りは前営業日比3 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.96%。一時は9b p低下と、2月25日以来の大幅な低下を記録した。10年債(表面利率 2%、2023年2月償還)価格は9/32上げて100 3/8。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。オンス当り1600ドルを上回り、2 週間ぶりの高値となった。欧州の債務危機が深刻化するとの懸念を背景 に、資金逃避としての金買いが活発になった。

MSCIオールカントリー世界指数は一時1.4%下落。ユーロは対 ドルで1年2カ月ぶりの大幅安となった。ユーロ圏財務相会合(ユーロ グループ)は銀行預金への課税という前例のない措置を盛り込んだキプ ロス救済計画に合意した。

TDセキュリティーズのマネジングディレクター、ティム・ガーデ ィナー氏は電話インタビューで、「キプロスのニュースは金融市場を動 揺させた」と指摘。「金には安全逃避の買いが入っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前週末比0.8%高の1オンス=1604.60ドルで終了。一時 は1610.40ドルと、中心限月としては先月27日以来の高値をつけた。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は3営業日続伸。ほぼ1カ月ぶりの高値 となった。前代未聞の銀行預金課税を盛り込んだキプロス救済につい て、欧州の政策当局者らが柔軟な姿勢を示したことが手掛かり。

欧州当局者は小口預金者の負担軽減はキプロス次第だとの姿勢を示 した。これより先には、銀行預金への課税により、欧州債務危機が悪化 するとの懸念から原油は一時1.8%下落する場面もあった。ダウ工業 株30種平均は一時100ドル超下落したが、下げ幅を縮小。ユーロは対ド ルで下げ渋る展開となった。原油は100日および200日移動平均を下回る 動きが続かなかったことも、買い戻しにつながった。

タイチ・キャピタル・アドバイザーズの商品ファンドマネジャー、 タリク・ザヒル氏は「欧州にとってこの世の終わりというわけではな い」と指摘。「市場はこの先の展開を見極めようとしている。株式相場 がかなり力強く戻しており、ドルはこの日の高値を離れた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前週末 比29セント(0.31%)高の1バレル=93.74ドル。終値としては2月20 日以来の高値となった。一時は91.76ドルまで下げた。

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