3月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ、ドルに対し14カ月ぶり大幅安-キプロス懸念で

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し、ここ1年2 カ月で最大の下げとなった。キプロス救済の一環として同国の銀行預金 に課税する案が合意されたことを受け、欧州債務危機の悪化懸念が高ま った。

ユーロは対円では2週間ぶり安値を付けた。救済融資の条件である 課税についてのキプロスでの採決は再び延期された。欧州当局者らは銀 行預金課税を通じた58億ユーロの捻出をキプロスに求めている。ユーロ は軟調な展開だが、イタリアおよびスペインの国債相場の下げが限定的 だったことを受けて下げを縮めた。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「キプロスの場合、ユ ーロ圏の他の重債務国への未知の感染リスクをめぐる懸念がある」と し、「考えるのは後回しにしてまずはユーロを売る、というのが市場の 反応だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前週末比0.9% 安の1ユーロ=1.2957ドル。一時1.5%安と、2012年1月13日以降で最 大の下げとなった。対円では1%下げて1ユーロ=123円82銭。一時121 円15銭と、3月5日以来の安値を付けた。円は対ドルで0.1%高の1ド ル=95円21銭。

ボラティリティ

対ドルでのユーロ相場の1週間のインプライド・ボラティリティ( IV、予想変動率)は一時34%上昇と、1日の上昇率としては10年5月 以降で最大となった。

キプロスの街ではATM(現金自動預払機)の前に行列ができ、他 国でも資金流出が起こる懸念が浮上。欧州中央銀行(ECB)が昨年9 月に財政難の国を支える方針を表明して以来落ち着いていた市場は、再 び混乱する恐れがある。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サ ービスは、キプロスの銀行預金に課税するという措置は欧州大陸の銀行 の格付けに悪影響を及ぼすと指摘した。

TDセキュリティーズのアジア太平洋地域調査責任者、アネット・ ビーチャー氏(シンガポール在勤)は「今回の件が、他のいわゆる預金 者保証という点で悪しき前例になるとの懸念がある」とし、「キプロス の銀行への預金は他の銀行への預金と同様の価値を持たないという事実 から見て、これは事実上のユーロ圏分裂だ」と述べた。

イタリア、スペイン債への影響は限定的

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)の為替調査責任者、アルネ・ラス ムセン氏は、キプロス問題のイタリアおよびスペインの短期債への影響 が比較的限定的だったことから、ユーロは下げを縮めたとの見方を示し た。

イタリア10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の4.63%。一時は21bp上げた。スペイン10年債利回り は4bp上げて4.96%。

シティグループの主要10カ国(G10)通貨戦略責任者、スティーブ ン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は顧客リポートで、「問題 はキプロスの預金への課税を1回限りの措置だと考えるかどうかだが、 他国の預金者や投資家は今回の件を一連の『1回限り』の措置の一つと 容易に捉え、ネガティブに反応する可能性がある」と指摘。ユーロはド ルやスイス・フラン、ポンドなど幅広い通貨に対して売られると予想し た。

原題:Euro Falls Most in 14 Months as Cyprus Turmoil Adds Debt Concern(抜粋)

◎米国株:下落、キプロス預金課税で欧州債務危機への懸念強まる

18日の米国株は下落。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が銀 行預金への課税という前例のない措置を盛り込んだキプロス救済計画で 合意し、市場では欧州債務危機が深刻化しているとの懸念が広がった。

S&P500種産業別10指数のうち9指数が下げた。特に金融株の下 げがきつかった。クルーズ船運営会社カーニバルは下落。アナリストの 株式投資判断の引き下げが影響した。アップルとヒューレット・パッカ ード(HP)はいずれも上昇。テクノロジー株の上げを主導した。

S&P500種株価指数は0.6%安の1552.10。ダウ工業株30種平均 は62.05ドル(0.4%)下落の14452.06ドル。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチャ ード・シーシェル氏は、「これまで相場展開は素晴らしく、投資家はあ る意味、気楽に構えていた」と述べ、「今は現実を見せつけられてい る。キプロスという小国が直面している事態に投資家や各国が身震いし ている」と続けた。

欧州当局者らは100億ユーロの救済融資の条件として銀行預金課税 を通じた58億ユーロの捻出をキプロスに求めている。キプロスの国内総 生産(GDP)はユーロ圏全体の0.5%にも満たない。

救済融資の条件である預金課税をめぐる議会の採決は延期された。 この日は銀行の祝日に伴いキプロスの株式市場は休場。銀行は18日の祝 日に続き、19、20両日も休業になると当局者が匿名を条件に述べた。

金融株下落

S&P500種は2009年の底値の2倍を上回り、米株式の強気相場は 今月、5年目に突入した。予想を上回る企業決算や量的緩和策を背景に 株価が上昇し、S&P500種は先週、2007年の最高値に2ポイント未満 に迫った。ダウ平均は先週、最高値を更新した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は19日と20日に政策決定会合を 開く。

産業別10指数の中で金融株とエネルギー株が特に下げた。KBW銀 行指数は0.9%下落。指数を構成する24銘柄のうち23銘柄が下げた。モ ルガン・スタンレーとシティグループはいずれも安い。

カーニバルは3%下落。少なくとも3人のアナリストが投資判断を 引き下げた。同社のクルーズ船は今年に入り複数の海上トラブルに見舞 われている。同社は先週、2月に発生したエンジン火災に伴うコストを 反映し、通期利益予想を引き下げた。

アップル増配期待

アップルは2.7%上昇。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想 によると、同社は配当を50%余り引き上げそうだ。増配が実現すれば米 テクノロジー業界で最も配当利回りの高い銘柄の1つとなる。

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が復配と100 億ドル相当の自社株買いの方針を1年前に表明したが、より思い切った 株主還元策を求める圧力は高まっている。アップルの現金・投資は1371 億ドル。成長が鈍化し、韓国のサムスン電子などとの競争が激化する中 で、デービッド・アインホーン氏率いる米ヘッジファンド運用会社グリ ーンライト・キャピタルなどは一段の還元策を要求している。

原題:U.S. Stocks Decline as Cyprus Bank Levy Renews Euro Concerns(抜粋)

◎米国債:続伸、10年債利回りは3週間ぶり大幅低下-欧州懸念再燃

米国債相場は続伸。10年債利回りは3週間ぶりの大幅低下となっ た。キプロスの銀行預金に課税するという前代未聞の措置を受け、ユー ロ圏の債務危機が再燃するとの懸念が強まり、米国債への逃避需要が高 まった。

10年債利回りは2営業日連続で2%を下回った。19日から2日間の 日程で開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)は、債券購入の継 続を決定すると予想されている。ユーロ圏財務相会合(ユーログルー プ)は16日、銀行預金への課税という前例のない措置を盛り込んだ100 億ユーロ(約1兆2500億円)規模のキプロス救済計画に合意した。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチーフ 債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「キプロス問題は最近では最 も大きく最も悪いニュースだった」と指摘。「市場は相場をいずれかの 方向に動かせるリスクがあることを認識し、欧州からのさらなるニュー スを待っている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比4ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.96%。一時は9bp低 下と、2月25日以来の大幅な低下を記録した。10年債(表面利率 2%、2023年2月償還)価格は10/32上げて100 13/32。

30年債利回りは3bp低下の3.18%。一時は10ポイント低下した。

キプロス

欧州の当局者がキプロスの銀行預金課税について、柔軟な姿勢を示 唆すると、米国債は伸び悩んだ。欧州当局者らはキプロスが銀行預金課 税によって58億ユーロ(約7140億円)を捻出することを求める一方で、 小口預金者の負担軽減はキプロス次第だとの姿勢を示している。課税に ついての同国での採決は再び延期された。

バンク・オブ・モントリオール傘下BMOキャピタル・マーケッツ の政府債トレーディング責任者、スコット・グレアム氏(シカゴ在勤) は「キプロスをめぐる懸念はいくらか弱まったものの、このようなこと が波及するかどうかについて疑問が残っている」と語った。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチ指数によると、米 国債リターンは年初から3月15日までにマイナス0.9%と、四半期ベー スとしては2012年第1四半期以来の大幅安となっている。配当の再投資 分を含めたS&P500種株価指数のリターンはプラス10%。

キプロスの街ではATM(現金自動預払機)の前に行列ができ、他 国でも資金流出が起こる懸念が浮上。欧州中央銀行(ECB)が昨年9 月に財政難の国を支える方針を表明して以来落ち着いていた市場は、再 び混乱する恐れがある。

「やや過剰反応」

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、ポー ル・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は「やや過剰反応かもしれない が、どこが困難な状況にあるのか、市場でドミノ効果が表れるのかどう か、世界市場にどのような影響があるのかが分かっていない。そのた め、米国債には引き続き買いが入っている」と指摘した。

ニューヨーク連銀は2036年2月-43年2月に償還を迎える14億6000 万ドル相当の米国債を購入した。FOMCは米国債と住宅ローン担保証 券(MBS)を月850億ドル購入する方針を示している。1月の会合で は労働市場が大幅に回復するまで継続する方針を示した。

FOMCは20日午後2時前後に声明と経済予測を発表し、バーナン キ連邦準備制度理事会(FRB)議長は午後2時半から記者会見する予 定。FRBは今回の見直しについて、「情報の公表とともに議長の四半 期ごとの記者会見がより円滑になる」とコメントしている。

ヘッジファンドは米10年物国債に対して2007年以降で最も強気だ。 米国の失業率が4年ぶりの低水準となり家計の資産は増加しているもの の、米経済は脆弱(ぜいじゃく)で金融当局が資産購入を停止すること はないとの読みが根拠となっている。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、リターン向 上を狙って借り入れた資金、いわゆるレバレッジドアカウントを利用す る投資家は今月5日までの1週間、米10年債先物の上昇を見込んだポジ ションを562億ドル(約5兆3300億円)保有。これは信用市場が機能不 全となってリセッション(景気後退)に陥り、国債価格が上昇する直前 の07年8月以来の大きさだ。昨年7月時点では、米国債の下落を見込む ポジションが上昇を見込むポジションを上回っていた。

原題:Treasury Yields Drop Most in Three Weeks Amid Concern on Europe(抜粋)

◎NY金:続伸、2週間ぶり高値-欧州危機懸念で逃避の買い

ニューヨーク金先物相場は続伸。オンス当り1600ドルを上回り、 2週間ぶりの高値となった。欧州の債務危機が深刻化するとの懸念を背 景に、資金逃避としての金買いが活発になった。

MSCIオールカントリー世界指数は一時1.4%下落。ユーロは対 ドルで1年2カ月ぶりの大幅安となった。ユーロ圏財務相会合(ユーロ グループ)は銀行預金への課税という前例のない措置を盛り込んだキプ ロス救済計画に合意した。

TDセキュリティーズのマネジングディレクター、ティム・ガーデ ィナー氏は電話インタビューで、「キプロスのニュースは金融市場を動 揺させた」と指摘。「金には安全逃避の買いが入っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前週末比0.8%高の1オンス=1604.60ドルで終了。一時 は1610.40ドルと、中心限月としては先月27日以来の高値をつけた。

原題:Gold Jumps to Two-Week High as Europe Crisis Boosts Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:続伸、1カ月ぶり高値-欧州がキプロスに柔軟姿勢

ニューヨーク原油先物相場は3営業日続伸。ほぼ1カ月ぶりの高 値となった。前代未聞の銀行預金課税を盛り込んだキプロス救済につ いて、欧州の政策当局者らが柔軟な姿勢を示したことが手掛かり。

欧州当局者は小口預金者の負担軽減はキプロス次第だとの姿勢を示 した。これより先には、銀行預金への課税により、欧州債務危機が悪化 するとの懸念から原油は一時1.8%下落する場面もあった。ダウ工業 株30種平均は一時100ドル超下落したが、下げ幅を縮小。ユーロは対ド ルで下げ渋る展開となった。原油は100日および200日移動平均を下回る 動きが続かなかったことも、買い戻しにつながった。

タイチ・キャピタル・アドバイザーズの商品ファンドマネジャー、 タリク・ザヒル氏は「欧州にとってこの世の終わりというわけではな い」と指摘。「市場はこの先の展開を見極めようとしている。株式相場 がかなり力強く戻しており、ドルはこの日の高値を離れた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前週末 比29セント(0.31%)高の1バレル=93.74ドル。終値としては2月20 日以来の高値となった。一時は91.76ドルまで下げた。

原題:WTI Rises to One-Month High as Europe Signals Cyprus Flexibility(抜粋)

◎欧州株:下落、キプロス預金課税で危機再燃を警戒-銀行株安い

18日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は一 時1.2%下げた。キプロス救済合意に同国の銀行預金への課税措置が含 まれたことから、ユーロ圏債務危機が再燃するとの懸念が強まった。

イタリア最大の銀行、ウニクレディトは軟調。ストックス欧州600 指数を構成する19産業グループの中で、銀行銘柄は最大の下げとなっ た。スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンは約2カ月ぶりの大 幅安。STマイクロエレクトロニクスとの不採算の半導体合弁事業から 撤退することで合意した。金属相場安を背景に、ユーラシアン・ナショ ナル・リソーシズ(ENRC)など資源銘柄が安い。

ストックス欧州600指数は前週末比0.2%安の296.81。年初来では依 然6.1%上げている。キプロスとギリシャの株式市場は祝日のため休場 となっている。

パラティーヌ・アセット・マネジメント(パリ)のファンドマネジ ャー、マシュー・ジュリアーニ氏は電話インタビューで、キプロスの預 金課税案について「目先は相場に打撃を与える。だが、これはキプロス に特定したものだ。ドイツや欧州連合(EU)がスペインやイタリアに このような措置を強要しないだろう。そうなれば銀行システムにパニッ クを引き起こすことになる」と述べた。

この日の西欧市場ではアイルランドとアイスランドを除いた国で主 要株価指数が下落。ルクセンブルクのLuxX指数は2.2%安と、7カ 月で最もきつい下げとなった。

原題:European Stocks Decline on Concern Over Cyprus Bank Deposit Levy(抜粋)

◎欧州債:独2年債利回りゼロ下回る-キプロス課税で危機再燃か

18日の欧州債市場ではドイツ国債が値上がりし、2年債利回り はここ10週間で初めてゼロを下回った。キプロス救済合意の一環 として預金に課税するという前例のない措置を受け、欧州債務危機 の再燃リスクが高まっている。

キプロスで銀行取り付け騒動が起きるとの懸念から安全資産を 求める動きが加速し、オランダとフィンランドの国債も堅調。オー ストリア10年債利回りは過去最低を付けた。キプロス議会はこの 日、預金課税法案の採決を再び延期した。採決は19日に行われる。 ただ、キプロスからの危機感染は食い止められるとの見方から、イ タリア国債の下げは限定的となった。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、マイケル・ライスター氏 (ロンドン在勤)は「びっくりするのは小口預金者が守られないと いうことだ。これが銀行取り付け騒動の懸念を引き起こしている」 と述べ、「ドイツ国債は支えられており、その状況は少なくとも今 日いっぱい続くだろう」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ2年債利回りは前週末比3 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.02%。一時 はマイナス0.003%と、1月2日以来初めてゼロを下回った。同国 債(表面利率0.25%、2015年3月償還)価格は0.05上げ

100.455。10年債利回りは5bp低下し1.41%。1月2日以来 の低水準となる1.35%まで下げる場面もあった。

キプロスの課税案は、預金10万ユーロ未満に6.75%、それ 以上には9.9%の税率をそれぞれ適用するというもの。これによっ て58億ユーロを捻出し、同国救済額を当初見積もりの175億ユー ロから大幅に減らす。

キプロス国債は大幅下落

キプロス国債は下落。2020年2月償還債(表面利率4.625%) 利回りは157bp上昇の10.13%。ブルームバーグのデータによ れば、取引終了時としては先月6日以来の高水準。2015年11月 償還債の利回りは328bp上昇し12.80%。

イタリア10年債利回りは4bp上昇し4.63%。一時は21b p上昇した。同年限のスペイン国債利回りも4bp上げ4.96%。

英国債相場は続伸し、10年債利回りは年初来の最低となった。 キプロス懸念で、安全とされる英国債の需要が高まった。

英10年債利回りは前週末比5bp低下し1.89%。一時は

1.86%と、昨年12月31日以来の低水準を付けた。同国債(表面 利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、0.4上げ

98.79。

原題:German Bunds Gain on Cyprus Safety Bid; Italian Bonds Pare Drop(抜粋) Pound Climbs to Five-Week High Versus Euro on Cyprus; Gilts Gain(抜粋)

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