3月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが下落、インフレ抑制で緩和継続との見方

15日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで1週間ぶり 安値に下落。2月の米消費者物価統計でインフレ抑制が示され、米金融 当局が量的緩和を継続するとの見方が広がった。

週間ベースのドルは対ユーロで下落。2月1日終了週以来初めて下 げた。19-20日には米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開かれ る。ユーロは主要16通貨のうち12通貨に対して上昇した。ブリュッセル で開かれた欧州連合(EU)首脳会議を受けてキプロス救済策への道が 開けたことが好感された。

オンライン為替取引オアンダ・コープのシニア通貨アナリスト、ア ルフォンソ・エスパルザ氏(トロント在勤)は「ドル相場は経済統計を 材料に動いていたが、ここに来て現実に戻された」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.6%下げて1 ユーロ=1.3076ドル。8日以来の安値となった。ドルは対円では0.9% 下げて1ドル=95円28銭。円は対ユーロで0.3%上昇して1ユーロ=124 円58銭だった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.6%下げて82.138。前日は83.166と、昨年8月3日以来の最 高をつけていた。

米CPI統計

米労働省が発表した2月の消費者物価総合指数(CPI、季節調整 済み)は前年同月比で2%上昇。前月は1.6%上昇だった。食品とエネ ルギーを除いたコア指数も前年比で2%上昇した。前月は1.9%の上昇 だった。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ 氏(ニューヨーク在勤)は、「米当局は現在の金融政策を当面は継続す るだろう。年末にかけてオープンエンドの資産購入を縮小させる可能性 はある」と述べた。

CPIは前月比0.7%上昇で、これは09年6月以来の大幅な伸び。 またCPIがプラスとなるのは4カ月ぶり。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト調査の予想中央値は0.5%の上昇だった。指数 全体の上昇のうちガソリンの上昇がほぼ75%を占めた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは年初から2.5%高。ユーロは1.5%上昇した。一方、円 は7.6%下落した。

キプロス支援

EU首脳会議を受けてユーロ圏財務相らが15日の会合でキプロス救 済策で合意する道が開けた。キプロスは昨年6月に救済要請したが、債 務削減方法をめぐって支援協議が難航し、合意が遅れている。

モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者、イアン・スタナード 氏(ロンドン在勤)は「キプロスのニュースは前向きに受け止められて いる。それがユーロにある程度の買い安心感を与えている」と述べた。

ポンドは一時、対ドルで1週間ぶり高値をつけた。イングランド銀 行(英中央銀行)のキング総裁が英テレビ局ITVニュースとのインタ ビューで、「為替相場の水準を決めるのは市場であって、われわれでは ない」と述べていた。

ポンドは対ドルで0.2%高。ブルームバーグ相関加重通貨指数によ ると、ポンドは年初から5.5%下げている。

原題:Dollar Falls to 1-Week Low as CPI Backs Fed; Pound Erases Gain(抜粋)

◎米国株:反落、ダウ平均連騰ストップ-消費者信頼感が低下

米株式相場は反落。消費者マインド指数が予想に反して低下した ことが響いた。ダウ工業株30種平均は11営業日ぶりに下げた。

JPモルガン・チェースは安い。上院の小委員会は同行が巨額損失 を隠し、当局の監督を回避したとの見方を示した。一方、米連邦準備制 度理事会(FRB)が発表したストレステスト(健全性審査)の結果を 背景に、銀行株は上げに転じる展開。バンク・オブ・アメリカ (BOA)とモルガン・スタンレーはいずれも上昇した。クルーズ客船 運航会社カーニバルは下落。同社は通期業績見通しを下方修正した。衛 星放送大手のディレクTVは、仏ビベンディのブラジル部門GVTに対 する買収合戦から撤退したことを手掛かりに買い進まれた。

S&P500種株価指数は0.2%安の1560.70で終了。週間では0.6%上 昇した。ダウ工業株30種平均は25.03ドル(0.2%)下落の14514.11ド ル。週間では0.8%高。

プルデンシャル・ファイナンシャルの市場ストラテジスト、クイン シー・クロスビー氏は電話インタビューで「今の市場は材料を消化しな がらの慎重な様子見モードで、引き続き買いを控えるべきか、新たな上 昇局面に向けて準備するべきか見極めようとしている」と指摘。「上昇 と上昇の間にこうして調整が入るのは健全だ」と述べた。

S&P500種は前日、2007年10月につけた終値ベースの史上最高値 である1565.15にあと2ポイントに迫った。市場予想を上回る企業決算 や米金融当局による金融緩和策を背景に、09年の安値からは2倍余り上 昇している。ダウ平均は前日まで8営業日連続で過去最高値を更新して いた。

消費者マインド

3月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は71.8と、前月の77.6から低下し、2011年12月以来の低水準 となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値は78への上昇だった。

FRBが発表した2月の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業 の生産を対象、季節調整値)は前月比0.7%上昇と、3カ月ぶりの高水 準。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.4%上昇 だった。

S&P500種の業種別24指数では銀行株が値上がり率トップ。一時 は下落していたが、反転した。ウェルズ・ファーゴは3.3%高の38.20ド ルと、2008年9月以来の高値水準。フィフス・サード・バンコープ は1.5%上昇。

BOAは3.8%高と、ダウ30種構成銘柄の値上がり率トップ。同行 は最大50億ドル(約4800億円)相当の自社株買い計画についてFRBの 承認を得た。

モルガン・スタンレーは3.5%高。ストレステストで資本計画が承 認されたことを受け、米シティグループとのウェルスマネジメント合弁 事業の未保有株35%を買収する。

JPモルガンは安い

一方、JPモルガンは1.9%安と、ダウ銘柄では値下がり率トッ プ。上院常設調査小委員会は報告書で昨年の巨額トレーディング損失問 題で同行が損失の隠蔽(いんぺい)を図ったことを示唆した。

カーニバルは2.2%安。同社は豪華客船「トライアンフ号」が先 月、メキシコ沖でエンジン火災を起こし航行不能となったことを反映 し、通期の業績見通しを下方修正した。

ディレクTVは4.5%上昇。仏ビベンディのブラジルの電話・イン ターネット部門GVTに対する買収合戦から撤退した。

原題:Dow Average Snaps 10-Day Rally as Consumer Confidence Declines(抜粋)

◎米国債:上昇、消費者信頼感低下で-10年債利回り2%割れ

米国債相場は上昇。10年債利回りは6営業日ぶりに2%を下回 った。米消費者マインド指数が予想外に低下し、景気回復の力強さに 不透明感が漂ったことが背景。

10年債は3日ぶりの上昇となった。金融当局はこの日、景気浮揚を 目指したプログラムの一環として米国債52億ドル相当を買い入れた。中 国の1月の米国債保有高は2011年以来で最大となった。

ジェフリーズのエコノミスト、トム・サイモンズ氏は「消費者マイ ンド指数は良くなかった」とし、「今週の経済指標を全て見てみると、 景気は若干勢いを増しつつあると考えられる。これまでのデータは全て プラスの一方向だった。今回の消費者マインド指数は初めて逆方向を示 した」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.99%。2%割れは6営業日 ぶり。

10年債(表面利率2%、2023年2月償還)価格は11/32上げて100 3/32。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の出来高は4日ぶりに減少し、2580億ドル。過去1年間の平均 は2480億ドルとなっている。

消費者信頼感が低下

3月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は71.8と、前月の77.6から低下し、2011年12月以来の低水準 となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値は78への上昇だった。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファ ンドなど大口投資家の間では10年債先物のポジションが12日終了週にネ ットロングからネットショートに転換した。

シカゴ商品取引所(CBOT)では、ショートポジションがロング ポジションを5万7346枚上回った。前週はネットロングが7万6818枚だ った。

今週は小売売上高の伸びが市場予想を上回ったほか、新規失業保険 申請件数は市場予想に反して減少した。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「消費者信頼感が弱い内容となり、株式が売られる中、米国債 は堅調さを増している」と指摘した。

鉱工業生産

米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日発表した2月の鉱工業生 産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値)は前月 比0.7%上昇と、伸びは市場予想(0.4%上)を上回った。この発表後も 米国債相場は上昇した。

同日発表された2月の消費者物価総合指数(CPI、季節調整済 み)は前月比0.7%上昇。ガソリン価格が大幅高となり、指数全体の上 昇のうちガソリンの上昇がほぼ75%を占めた。

原題:Treasuries Gain for First Time in Three Days as Confidence Drops(抜粋)

◎NY金:続伸、米国のインフレを懸念-現物需要が強い

ニューヨーク金先物相場は続伸。コインや延べ棒、宝飾品などの リテール需要を含むインフレヘッジの買いが入った。週間ベースでは 2カ月ぶりの大幅上昇となった。

米労働省が発表した2月の消費者物価指数は市場予想を上回る伸び となった。ガソリン価格がここ3年余りで最大の上昇となったことが影 響した。スイスの地金精錬会社MKSのシニアバイスプレジデント、ア フシン・ナバビ氏は電話インタビューで、アジアを中心に現物需要は引 き続き堅調だと話した。金は今年に入って5%値下がりしている。

エバーバンク・ウェルス・マネジメント(フロリダ州ジャクソンビ ル)のフランク・トロッター最高経営責任者(CEO)は、電話インタ ビューで「大きく下げた後の相場を、現物需要が支えている」と指摘。 「消費者物価は上昇しているにもかかわらず、米政府はインフレについ て心配しておらず、それは長期的に問題になる可能性がある」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.1%高の1オンス=1592.60ドルで終了。週間では1%上 昇し、1月18日終了週以来の大幅高。

原題:Gold Advances on U.S. Inflation Concerns, Physical Metal Demand(抜粋)

◎NY原油:続伸、ドル安と在庫減で-週間では2週連続高

ニューヨーク原油先物相場は続伸。過去7営業日で6度目の上昇 となった。ドル下落に加え、主な受け渡し地点での在庫減少が手掛か りとなった。ニューヨーク原油と北海ブレント原油の価格差は週間で 5週連続縮小した。

原油は3週間ぶりの水準に上昇した。インフレ抑制を示す経済指標 を受け、ドルは対ユーロで1週間ぶり安値を付けた。米エネルギー省エ ネルギー情報局によると、ニューヨーク原油先物の受け渡し地点である オクラホマ州クッシングの在庫が先週、昨年12月以来の水準に減少し た。米消費者マインド指数が予想外に低下し、株価が下落すると、原油 先物相場は伸び悩んだ。

アイアイトレーダー・ドット・コムの市場担当シニアストラテジス ト、ビル・バルーク氏(シカゴ在勤)は「ニューヨーク原油は堅調を維 持しており、ブレントとの価格差が大きな材料になっている」と指摘。 「通貨を主な材料とした取引でもある。マインド指数や株価は上値を抑 えた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比42セント(0.45%)高の1バレル=93.45ドルと、終値としては2 月20日以来の高水準となった。週間では1.6%高。

原題:WTI Oil Gains for Second Week to Narrow Discount Versus Brent(抜粋)

◎欧州株:下落、景気懸念や米経済指標で-VWとビベンディ安い

15日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は前日 付けた4年半ぶり高値から反落した。欧州連合(EU)首脳らが財政緊 縮の緩和を協議するほどユーロ圏でリセッション(景気後退)が深刻化 しているほか、3月の米消費者マインド指数が市場予想に反して低下し たことが背景。

ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)は昨年11月 以来の安値を付けた。米投資会社ワッデル・アンド・リード・ファイナ ンシャルが保有株を売却したことが売り材料。フランスのメディア企 業、ビベンディは6営業日ぶりに下落。ブラジルの電話・インターネッ ト部門GVTを売却する計画の中止が嫌気された。決済端末を手掛ける 仏インジェニコは2カ月ぶり安値。サフランのモルフォ部門が保有株の 一部を売却する方針を明らかにした。

一方、害虫駆除などを手掛ける英レントキル・イニシャルは2011年 5月以来の高値に達した。堅調な2012年の業績が好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%安の297.44。前週末比で は0.7%上昇し、4週続伸となった。これは昨年12月以来で最長の上 げ。年初来では6.4%の値上がり。

BGL・BNPパリバの株式ストラテジスト、ギヨーム・デュシェ ーヌ氏(ルクセンブルク在勤)は「過去数週間そして数カ月にわたって 目覚ましいパフォーマンスを見せた上昇相場に、やや疲れが出ているよ うだ」と発言。「米経済統計はこれまで良い内容だったが、相場には小 休止する必要がある」と続けた。

この日の西欧市場ではスイスを除く17カ国で主要株価指数が下落し た。ドイツのDAX指数は0.2%下落。フランスのCAC40指数 は0.7%、英FTSE100指数は0.6%それぞれ下げた。

原題:European Stocks Decline as EU Leaders Meet at Brussels Summit(抜粋)

◎欧州債:イタリア債続伸、EU首脳が財政の縛り緩和を示唆

15日の欧州債市場ではイタリア10年債が続伸。欧州連合(E U)首脳が高債務国に財政赤字を圧縮するためもっと時間的猶予を 与えると示唆したことが手掛かり。

イタリア5年債利回りは1週間ぶり低水準となった。同国政府 は2015年と17年に満期を迎える証券を買い戻した。スペイン 10年債は下落。今週に約2年ぶりの低水準まで下げたことが行き過 ぎとの見方に加え、同国政府が2年、5年、10年債を来週発行する 計画を発表したことが背景。ドイツ国債は週間ベースの上げ幅を拡 大。この日発表された2月のユーロ圏インフレ率は2カ月連続で低 下した。

モニュメント・セキュリティーズの金利ストラテジスト、マー ク・オストワルト氏は「イタリア国債が小高い。欧州首脳会議がフ ランスとイタリアに資本投資とインフラへの支出をやや増やすこと を認め、緊縮策を若干緩めたことが主因だろう」と発言。「イタリ ア国債の堅調は短期債の買い戻しが大きな要因だ」とも述べた。

ロンドン時間午後4時16分現在、イタリア10年債利回りは 前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

4.60%。前日は2bp低下した。同国債(表面利率5.5%、2022 年11月償還)価格はこの日、0.385上げ107.35。5年債利回 りも5bp下げて3.32%。一時は3.29%と、8日以来の低水準 となった。

EU首脳は14日の会議で、フランスやスペイン、ポルトガル などに債務削減で時間的猶予を与え、各国予算を「構造的」に評価 する案を承認した。15日も首脳会議は行われた。

ドイツ10年債利回りは2bp低下の1.45%。前週末比では 7bp下げた。EU統計局(ユーロスタット)が発表した2月のユ ーロ圏消費者物価指数(改定値)は前年同月比1.8%上昇と、伸び 率は1月の2%を下回った。コアインフレ率は1.3%と、前月と同 水準だった。

英国債相場は上昇。10年債利回りは3bp下げて1.93%。週 間ベースでは13bp低下。同国債(表面利率1.75%、2022年9 月償還)価格はこの日、0.25上げ98.42。

原題:Italian Bonds Climb as European Leaders Loosen Austerity Demands(抜粋) Pound Strengthens as King Says BOE Isn’t Seeking Weaker Currency(抜粋)

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