JPモルガンは大き過ぎ、ダイモン氏に圧力も-「鯨」損失隠し

14日に公表された米上院常設調査小 委員会の報告書は米銀最大手のJPモルガン・チェースがトレーディン グ損失の隠蔽(いんぺい)を図ったことを示唆した。この報告書の内容 はJPモルガンが「大き過ぎて管理できない」という議論を呼び起こ し、ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)に兼任している会 長職を退くことを求める圧力を強めそうだ。

301ページから成る報告書はダイモン氏がデリバティブ(金融派生 商品)取引による損失が膨らむ中で投資家と監督当局の目を欺いたと指 摘。JPモルガンが「高リスク取引についてヘッジだという誤った位置 付け」をしたほか、重要な情報を主要な監督当局に提供せず、それらが ダイモンCEOの指示で行われた場合もあったと認定した。

元連邦準備制度理事会(FRB)の検査官で現在ボストン大学でリ スク管理について講義するマーク・ウィリアムズ氏は「大き過ぎてつぶ せない銀行問題の議論が再浮上した。リスクに関するデータを提出せず 株主を欺いたとすれば、銀行の分割は実現可能性のある案だということ になるだろう」と述べた。「この巨額トレーディング損失は独立性の必 要性を明白にした。会長職が分離されていた場合JPモルガンの事態が もっと悪かったなどと論じることは今の時点で無理がある」と話した。

ウォール街で最も良く管理されている銀行の一つと見なされていた JPモルガンは、「ロンドンの鯨」の異名を取っていたブルーノ・イク シル氏が積み上げたポジションがもとで昨年9カ月の間に62億ドル (約6000億円)を超える損失を出した。

JPモルガンは14日、FRBから増配と自社株買い戻しを承認され たものの、資本計画の弱点を見直し再提出することを命じられた。ポー タレス・パートナーズのアナリスト、チャールズ・ピーボディー氏は、 デリバティブ取引が当局に、大規模なトレーディング業務を行う銀行に 「必要な資本水準についての再考を迫った」とした上で、「議論はもっ と広いものへと拡大し、大き過ぎてつぶせない、大き過ぎて裁けない、 大き過ぎて管理できないというあのテーマの論争が白熱していくかもし れない」と話した。

また、グラハム・フィッシャー(ニューヨーク)のアナリスト、ジ ョシュ・ロスナー氏は、ダイモン氏が「会長とCEOの両方を務めるこ とができないのは明らかだ」として、「経営者が同時に取締役という役 割で自分自身をきちんと監督することはどう考えても無理だと私には思 える」と述べた。

米銀2位のバンク・オブ・アメリカ(BOA)会長とCEOの職を 分離している。

原題:JPMorgan Report Ignites Debate Over Bank Size, Dimon’s Dual Role(抜粋)

--取材協力:Mary Childs、Christine Harper、Zeke Faux、Laura Marcinek、Michael J. Moore、Cheyenne Hopkins、Dave Michaels.

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