ボーイング:787運航再開、最短で数週間以内-改善策

米ボーイング社は15日、発煙トラブ ルを起こしたボーイング787のバッテリー不具合の問題で運航再開に 向けた改善案を公表した。同社民間航空機部門のレイモンド・コナー社 長兼CEO(最高経営責任者)らが都内で記者会見し、最短で数週間以 内の運航再開が可能との見方を示した。

コナー社長は、運航再開のめどについて「数カ月ではなく数週間と みている」とし、GSユアサ製のバッテリーに3つの層の保護システム を貼り付けた新型システムなどを実物大の模型を前にして説明。今回の B787の改善策は包括的であり、安全性には絶対の自信を持っている と強調した。

コナー社長は「運航再開になれば、まず最初に私が搭乗する」と表 明。今回の解決策についてはGSユアサも全面協力しているとして、ユ アサの対応、技術には大変満足していると語った。リチウムイオン電池 は従来のニッカド電池よりも効率性が高く、最適なテクノロジーだとし て今後も継続的に開発や搭載することに前向きな姿勢を示した。

ボーイングは既に、米連邦航空局(FAA)や国土交通省に今回の 改善案を提示している。当局はボーイングの運航再開に向けた飛行試験 などを含めた改善案の実施を承認している。今回の会見はインターネッ トで生中継された。

全日空のB787は1月に、GSユアサ製のリチウムイオンバッテ リーの不具合で高松空港に緊急着陸した。世界中の航空会社がトラブル 発生直後から同型機の運航を停止。原因を突き止めるため日米当局など による調査が続いている。

包括的な対策優先

会見に同席したバイス・プレジデントのマイク・シネット氏は、 「改善案は現在25%程度進ちょくしており、計画全体の75%は既に当局 に承認されている」と語った。同氏はボストンや高松で起きた電池関連 の不具合について「完全な意味での原因究明は難しいかもしれない。む しろ、包括的な対策を優先した」と説明した。

シネット氏は、バッテリー不具合問題の原因につながる80通りのシ ナリオがあるとして、すべてに対応した改善策だと語った。500人のエ ンジニアなど幅広い分野の専門家がこれまでに延べ20万時間をかけて問 題を分析、検証しており、今後は実証のための試験に注力するとの考え を示した。

ボーイングは今後1回の試験飛行と複数回の実験室でのテストと検 証などを実施する。今後のテストで問題がなく、当局の認証が得られれ ば4月には運航が再開される。

日本は最重要のパートナー

B787は全日本空輸が17機、日本航空が7機それぞれ保有してお り、現在世界で再開を待つ同型機の約半数が日本の航空会社で占められ ている。製造面では、三菱重工業や富士重工業、川崎重工業などを筆頭 に多くの企業が参画しており、機体構造シェアでは日本勢が約35%を占 めている。

コナー社長は、米国ではなく日本で最初に会見をした理由につい て、「日本は最重要のパートナーであり、約35%の部材は日本製、約半 分の機体は日本が保有しているため、最もふさわしい場所だ」と説明し た。

運輸安全委の工藤正博首席航空事故調査官は同日、記者向け説明会 で、ボーイング会見で原因究明は困難であり特定出来ない可能性に言及 したことについて「発言は承知していない。われわれは今後も根本的な 原因究明に最善を尽くす」と述べるにとどめた。

国交省航空局安全室長の高野滋氏は、ボーイングの数週間での運航 再開発言に関連して「期間についてはコメントは出来ない。われわれは 慎重に万全の審査する、どのぐらいの時期が必要かは正直わからない」 と語った。

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