日本株続伸し高値、景気好転で輸出、海運主導-日銀始動期待

東京株式相場は続伸しTOPIX、 日経平均株価とも昨年来高値を更新。米国の雇用関連統計の改善を好感 したほか、国会同意を受けた日本銀行の新執行部に対する期待感も広が った。ゴム製品や電機など輸出関連株が上げ、アナリスト評価の改善が 相次いだソニーはTOPIXの上昇寄与度で1位。海運や素材、小売な ど相対的に景気敏感業種の強さが目立った。

TOPIXの終値は前日比13.48ポイント(1.3%)高の1051.65 と、2008年10月2日以来の高値水準。日経平均株価は179円76銭 (1.5%)高の1万2560円95銭ときょうの高値引けで、08年9月8日来 の1万2500円を回復した。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニアイン ベストメントマネジャーは、新体制となった日銀の初会合という大きな イベントを控え、「期待先行で日本株は上がっている」と指摘。また、 欧米と比較し「金融緩和の出口から一番遠い日本は投資対象になりやす い」ため、日本株をけん引してきた海外投資家の買いは続くとみる。

米労働省が14日に発表した先週の新規失業保険申請件数は、前週比 1万件減の33万2000件と1月中旬以来の低水準だった。ブルームバーグ がまとめたエコノミストの予想中央値は35万件への増加。一方、スペイ ン政府が入札した2029年償還債の平均落札利回りは5.224%と、2月7 日入札時の5.787%を下回り、 欧州債務不安の小康の一端を示した。

月例経済統計、連続の判断上方修正

国内では、朝方に政府の関係閣僚会議に提出された3月の月例経済 報告は、基調判断を3カ月連続で上方修正。「一部に弱さが残るもの の、このところ持ち直しの動きがみられる」とした。また、参院はきょ う午前の本会議で、黒田東彦アジア開発銀行総裁を日銀新総裁に、学習 院大学の岩田規久男教授、日銀の中曽宏理事を副総裁に起用する人事案 を賛成多数で可決、同意した。これにより、一段の金融緩和方針を示す 黒田新体制が前任者退任の19日以降に始動する。

きょうの日本株は、ダウ工業株30種平均が10日続伸するなど堅調だ った米国株の流れを引き継ぎ、円安・ユーロ高も支援材料となった輸出 関連株を中心に朝方から買いが先行。午前はやや上値の重い時間帯もあ ったが、中国株が前日からの反発基調を強めたことなどで安心感が広が り、午後に一段高となった。

立花証券顧問の平野憲一氏によると、「アベノミクスによるデフレ 脱却への期待感が高まり、海外ファンドが無作為に買いを入れている」 という。その上で、円安や日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉 への参加など、「好材料の恩恵を受ける業種、銘柄が買われる状況はし ばらく続きそう」との認識を示した。

海運に運賃高の追い風、ソニー急伸

東証1部33業種は海運やゴム製品、陸運、鉱業、繊維製品、小売、 電機、パルプ・紙、電気・ガス、化学など32業種が上昇。銀行のみ安 い。上昇率1位の海運は、ばら積み船運賃の総合指数であるバルチック 海運指数が前日まで12日続伸し、市況改善期待が追い風になった。

個別ではソニーが急伸。エレクトロニクス事業の劇的な業績回復が 見込まれるとし、大和証券は投資判断を「買い」に2段階引き上げ、ク レディ・スイス証券も目標株価を大幅に上げた。株価の割安感が強いと し、野村証券が投資判断を「買い」に上げたセイコーエプソンも高い。

13年1月期の連結純利益が前の期比11倍となり、復配すると前日発 表の東京ドームが急騰。また、東証1部に新規上場した総合物流会社の 鴻池運輸は、公開価格に比べ38%高い初値を形成。マザーズ上場のウォ ーターダイレクトは買い気配のまま初日を終えるなど、新規株式公開 (IPO)銘柄への投資人気の強さがうかがえた。

東証1部の売買高は概算で38億8634万株、売買代金は2兆9487億 円、値上がり銘柄数は1238、値下がり380。国内新興市場では、ジャス ダック指数が前日比1%高の75.65、東証マザーズ指数が同0.5%高 の613.65とそれぞれ3日続伸した。

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