債券は上昇、日銀緩和強化の観測が支え-20年債入札弱めで超長期安い

債券相場は上昇。日本銀行による金 融緩和強化の観測を背景に先物や中長期債は買いが優勢だった。半面、 きょう実施の20年債入札は最低落札価格が予想を下回るなど弱めの結果 となり、超長期債は下落した。

東京先物市場で中心限月の6月物は、前日比2銭安の145円09銭で 取引を開始し、直後に145円05銭まで下落。その後は水準を切り上げ、 上昇に転じた。午後零時45分の20年債入札の結果発表直後に再び下げた ものの、すぐに持ち直して、145円19銭まで上昇。結局は6銭高の145 円17銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは同横ばいの0.63%で始まり、直後に0.5ベーシスポイント(bp)低 い0.625%に低下した。午後に入るといったん0.63%を付けたが、再 び0.625%で推移している。5年物の109回債利回りは0.5bp低 い0.12%。20年物の142回債利回りは0.5bp高い1.585%。30年物の38回 債利回りは4.5bp高い1.77%に上昇した。

ソシエテ・ジェネラル証券の菅原琢磨シニア円債ストラテジスト は、20年債入札結果は弱めだったとしながらも、日銀の国債買い入れ増 額期待で10年ゾーンまでの金利上昇は限定的だと指摘した。「市場は金 融緩和をかなり先取りしており、緩和決定の前後に出尽くし感が広がる 可能性があるものの、2%の物価目標を掲げる限り、緩和期待は恒常的 に残る」とも話した。

財務省がこの日実施した表面利率1.6%の20年国債(143回債)の入 札結果によると、最低落札価格は99円40銭と市場予想を20銭下回った。 小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は24銭と、 昨年8月以来の水準に拡大。投資家需要の強さを示す応札倍率は3.11倍 と、昨年8月以来の低水準だった前回の2.56倍から上昇した。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、20年債入札につ いて、「最低価格は市場予想の下限。応札倍率は普通だったが、テール が拡大し、若干低調な結果となった」と分析した。

買いオペ増額の見方分かれる

一方、20年債入札では最高落札利回りは1.639%、平均落札利回り は1.623%と、ともに昨年7月以来の低水準となった。野村証券の松沢 中チーフストラテジストは、市場ではオペ対象年限の長期化との見方は コンセンサス化していると指摘。ただ、「単純に基金オペでの年限3年 から5年への延長なのか、輪番オペとの統合によるものかでは見方が分 かれており、多くの投資家はまだ1.5%台に踏み込むだけの確信は持て ず、従来レンジの下方1.6%台前半での落札にとどめたいと考えるので はないか」とみていた。

14日午後の衆院本会議で、日銀総裁に黒田東彦氏を充てるなどの日 銀人事案を採決し、いずれも与党などの賛成多数で同意した。参院は15 日の本会議で採決する。黒田氏と副総裁候補の中曽宏日銀理事は民主 党、岩田規久男氏はみんなの党、日本維新の会、新党改革などが賛成す ることで与党が過半数割れしている参院でも同意される見込みだ。

SMBC日興証の山田氏は、「日銀の新体制下でより長い年限の買 い入れを増やすことを織り込み、このところ10年以上の年限を中心に買 われていた。当面は、日銀の金融政策待ちという状況が続きそうだ」と 指摘した。

--取材協力:池田祐美 Editors: 青木勝, 山中英典

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