円全面高、対ドル95円後半-日銀人事案採決やアジア株安警戒

東京外国為替市場では、円が主要通 貨に対して全面高。日本銀行の正副総裁人事案の国会採決を控えた警戒 感やアジア株安などを背景に、リスク回避の円買いが優勢な展開となっ た。

ドル・円相場は午後3時53分現在、1ドル=95円78銭前後。一時 は95円59銭と8日以来の水準まで円高・ドル安が進んだ。ユーロ・円相 場は1ユーロ=124円88銭前後と、午前に付けた125円台から円が水準を 切り上げている。ブルームバーグ・データによれば、円は主要16通貨全 てに対し前日終値比で高く推移している。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、ドル・円について 「昨日の夕方から欧州時間にかけて、民主党が岩田規久男日銀副総裁候 補に反対したことを受けて、96円台から95円台に下落した」とした上 で、日銀の正副総裁候補は「3人とも国会の同意を通ることが大勢の見 方だ」と指摘。また、「アジア市場で韓国以外は株価が下落しているこ とを背景に、ドル・円は96円台の上値が重くなっている」と語った。

安倍晋三政権が国会に提示した日銀総裁に黒田東彦アジア開発銀行 (ADB)総裁を充てるなどの人事案は、衆院が14日、参院は15日の本 会議で採決が行われる。黒田氏と中曽宏副総裁候補(日銀理事)は民主 党、岩田副総裁候補(学習院大学教授)はみんなの党、日本維新の会な どが賛成することで与党が過半数割れしている参院での同意にほぼめど が立った。

一方、通貨オプション市場でも、ドル・円の3カ月物リスク・リバ ーサル(25デルタ)が一時マイナス0.0975%と、昨年6月5日以来の水 準まで低下し、円を買ってドルを売る権利を確保しようとする動きが強 まっている。

スピード調整と株安

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作シニア為替・債券 ストラテジストは、ドル・円について「年明け以降の2カ月半で10円以 上も一方的に円安・ドル高が進んだので、期末が意識される中で、スピ ード調整となっている」との見方を示した。

前日の海外市場では、民主党の岩田日銀副総裁案への反対方針決定 を背景に、円が対ドルで5営業日ぶりに上昇した。この日の東京市場は こうした円上昇の流れを引き継ぐ格好で始まった。各金融機関の仲値が 公表される午前10時前後にはドル・円が96円台に戻す場面もあったが、 株安が進行するとともに円買い圧力が再び強まった。

東京株式相場は続落し、日経平均株価の終値は前日比75円15銭安の 1万2239円66銭。直近の連騰を受けた相場過熱への警戒や中国株の軟調 な動きが株売りにつながった。中国深セン市が住宅価格の値上げを禁じ たとの一部報道を受け、香港ハンセン指数は一時1.1%安と3日続落、 上海総合指数は同1.5%安と5日続落している。

--取材協力:池田祐美. Editors: 青木 勝, 山中英典

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