長期金利は一時1週間ぶり低水準、円高・株安で超長期中心に買い優勢

債券市場で長期金利は一時約1週間 ぶりの水準に低下した。下落傾向にあった円相場の反発や国内株安を受 け、超長期債を中心に買いが優勢となった。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは「20年債は週初か ら前日午前まで調整していたが、円安・株高がいったん止まり、円債市 場に資金が流入してくるため、売りづらい感じ」だと説明。「先週の30 年債入札が思った以上に好調だったので、あすの20年債入札もそこそこ 強いのではないか」とも話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.63%で始まり、直後 に0.625%と約10年ぶり低水準を記録した5日以来の水準まで下げた。 午前10時すぎに横ばいの0.635%を付ける場面もあったが、午後1時前 からは再び0.625%で推移し、3時すぎから0.63%。前日入札があった 5年物の109回債利回りは0.125%。

超長期債は堅調。20年物の142回債利回りは0.5bp低い1.59%で開 始。10時前に横ばいの1.595%になった後、午後には徐々に水準を切り 下げ、1時すぎに2.5bp低い1.57%まで下げた。30年物の38回債利回り は0.5bp高い1.75%で始まり、直後に1.755%まで上げたが、午後は低 下。1時半ごろに2bp低い1.725%と3営業日ぶりの水準に下げた。

国会が審議中の次期日銀総裁候補は積極的な金融緩和による物価押 し上げ(リフレ)が持論の黒田氏、副総裁候補はリフレ派の論客である 岩田規久男学習院大教授と中曽宏日銀理事だ。民主党は12日、黒田氏と 中曽氏に同意すると発表。みんなの党や日本維新の会が賛成を表明した 岩田氏とともに、正・副総裁3人が衆参両院の同意を得られる見通しと なった。

SMBC日興証券の嶋津洋樹債券ストラテジストは、金融緩和強化 の早期検討を表明している黒田氏は「市場で膨らんだ期待と現実をいか に調整するか」の手腕が問われると指摘している。

あす20年債入札、利率引き下げへ

東京先物市場で中心限月の6月物は前日比9銭高の145円23銭で開 始し、直後に145円25銭まで上昇した。しかし、その後は水準を切り下 げ、マイナス圏に転落。午前10時すぎに8銭安の145円06銭まで下げ幅 を広げ、その後は145円10銭台で一進一退となり、結局は3銭安の145 円11銭で引けた。

財務省は14日に20年利付国債(3月債)の価格競争入札を実施す る。表面利率(クーポン)は前回債より0.2ポイント低い1.6%が見込ま れている。発行額は1兆2000億円程度。新発20年債利回りは5日に は1.45%と2003年8月以来の低水準を記録した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券ストラ テジストは、3月の大量償還に伴うデュレーション調整の買いや、年金 基金による株高を受けた株式から債券へのリバランス(再調整)が影響 したと指摘。あすの入札でも、年度末の債券残高を意識した需要が下支 え要因になるとの見方を示した。

12日の米国債相場は7営業日ぶりに反発。米10年国債利回りは前週 末比4bp低下の2.02%程度。8日には2.08%と昨年4月5日以来の高水 準を付けた。

円は対ドルで95円台後半に反発。昨日は96円71銭と09年8月以来の 安値を付けていた。日経平均株価は前日比0.6%安の1万2239円66銭。

--取材協力:池田祐美、赤間信行 Editors: 山中英典, 青木 勝

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