円安で勢いづくトヨタに1台5700ドルの恩恵か、米企業が懸念

トヨタ自動車は円安の追い風で勢い づいており、米自動車メーカー幹部を不安にさせている。トヨタは昨 年、利益率で業界全体に後れを取りながらも米ゼネラル・モーターズ (GM)を抜いて世界の自動車メーカー最大手になった。

円は昨年10月31日以降、対ドルで17%下落した。12月に就任した安 倍晋三首相は景気回復を目指し円安を支持する姿勢を示している。 円 安でトヨタなど日本の自動車メーカーは輸出の際に価格競争力が高ま り、その恩恵を値下げや広告強化、製品改良に利用できる。モルガン・ スタンレーの試算では円安による恩恵は1台当たり1500ドル(約14万 円)だが、米自動車メーカーは同5700ドルと主張している。

フォード・モーターの米州部門のジョー・ヒンリクス社長は先月、 拡張しているクリーブランドのエンジン工場で円相場について「長期的 な影響を懸念している」と述べ、「各国政府の為替市場介入によってわ れわれの労働者とビジネスが不利な立場に置かれてはならない」と強調 した。

米クライスラーと伊フィアットの最高経営責任者(CEO)を務め るセルジオ・マルキオンネ氏は先週、ジュネーブ国際自動車ショーで円 安に関する質問に、「率直に言って円安は要らなかった。経営は一段と 厳しくなる」と答えた。

円安の影響は既に業績に及んでいる。トヨタは先月、2013年3月通 期の純利益予想を約10%上方修正し、5年ぶり高水準の8600億円に増額 した。予想通りなら同社が世界的なリコール(無料の回収・修理)問題 と11年の東日本大震災の打撃から完全復活を遂げたことが示唆される。

原題:Toyota Boosted by Yen Detroit Sees as $5,700-Per-Car Bonus: Cars(抜粋)

--取材協力:Alan Ohnsman.

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