3月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円対ドルで5日ぶり上昇、民主党は日銀副総裁候補に反対

12日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで5日ぶりに上昇 した。民主党が日本銀行副総裁に岩田規久男学習院大学教授を充てる案 に反対する方針を決めたことに反応した。岩田氏は金融緩和に積極的と 見なされている。

英ポンドは対ドルで2010年6月以来の安値に下落、対オーストラリ ア・ドルでは1985年以来の安値をつけた。1月の英鉱工業生産が予想に 反して落ち込んだことが嫌気された。この日のユーロは一時、対ドルで 下げを埋めた場面もあった。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、シレーン・ハラーリ 氏(ニューヨーク在勤)は、「円に関してはすでに多くの材料が織り込 み済みだ」と述べ、「実際に新しい政策を見るまでは、ドルが円に対し て急激に上昇することはないだろう」と続けた。

円は対ドルで0.2%上昇して1ドル=96円08銭。前日までの4日間 で3.1%下落していた。円は対ユーロで0.4%上昇して1ユーロ=125 円23銭。ユーロは対ドルで0.1%下げて1ユーロ=1.3034ドル。

クレディ・アグリコルは年末までに円が対ドルで97円まで下げると 予想している。

ポンド下落

ポンドは対ドルで5日続落。英政府統計局(ONS)が発表した1 月の鉱工業生産指数は前月比1.2%低下。ブルームバーグがまとめたエ コノミスト29人の予想中央値は0.1%上昇だった。ポンドは対ドル で0.1%安、対豪ドルでは0.5%下げた。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏は、ツイッターで欧州中央銀行(ECB)は「金融 政策を早急に緩和するべきだ」と述べ、「周辺国を支援するためにユー ロは下落する必要がある」と投稿した。

ドイツ連邦銀行(中央銀行)のバイトマン総裁は12日の声明で「短 期的にはユーロ圏はむしろインフレ率低下のリスクに直面している」と の考えを示した。

岩田副総裁候補への反対

日本銀行の副総裁候補に政府が提示した岩田氏は12日午前、参院議 院運営委員会で所信聴取に臨み、「長期国債を買っていけば、2年以内 にはインフレ率は2%に達する。あえてリスク資産に踏み込まなくても できるかなと思う」と述べた。

岩田氏についてはみんなの党、新党改革が賛成する方針のほか、日 本維新の会も賛成する見通しのため、民主党が反対を決めても国会で同 意される公算となっている。

民主党は安倍晋三政権が国会に提示した日本銀行総裁に黒田東彦ア ジア開発銀行(ADB)総裁、副総裁に中曽宏日銀理事を充てる人事案 に賛成する方針だと、桜井充政調会長が記者会見で正式発表した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、円は年初から8.1%下落。ドルとユーロはそれぞれ2.9% と1.5%上昇した。

原題:Yen Gains as Lawmaker Says Party to Oppose Iwata; Forint Weakens(抜粋)

◎米国株:売り優勢、S&P500種8日ぶり反落-「買い疲れ」の指摘

米株式市場では売り優勢。前日に最高値まであと9ポイント弱に迫 っていたS&P500種株価指数は8日ぶりに下げた。

アップルが下落。調査会社IDCはアップのタブレット端末市場で のシェアが縮小するとの見通しを示した。シティグループなど金融株も 安い。バーゼル銀行監督委員会が銀行の債務水準について精査するとの 観測が背景にある。一方、米会員制卸売り最大手のコストコ・ホールセ ールは上昇。2012年12月-13年2月(第2四半期)決算は39%の増益と なった。

S&P500種株価指数は0.2%安の1552.48で終了した。一方、ダウ 工業株30種平均は2.77ドル(0.1%未満)上げて14450.06ドルと、小幅 な上げながらも8日続伸し、6営業日連続で最高値を更新した。米証券 取引所全体の騰落比率は2対3、出来高は58億株と3カ月平均を8%下 回った。

RBCグローバル・アセット・マネジメントの米株トレーディング 責任者、ライアン・ラーソン氏(シカゴ在勤)は「ダウ平均が数日連続 で最高値を更新したため、市場には当然ながらやや買い疲れが見られ る」と指摘。「上昇局面が終わっても意外ではない。そうは言っても、 金融緩和が続く限り、調整があっても短命に終わるはずだ」と語った。

S&P500種は2009年の底値の2倍以上に戻し、米株式市場の時価 総額は4年間にわたる強気相場で10兆ドル余りを回復した。ダウ平均は 金融危機で失った分を65カ月で全て取り戻した。これはインターネット バブル崩壊後の回復よりも1年余り早い。

資金流入

EPFRグローバルのデータによると、3月第1週に米株式ファン ドには49億ドルが流入。約1カ月ぶりの大幅な資金流入となった。

S&P500種の株価収益率(PER)は15.3倍と、22カ月ぶりの高 水準。ただ、過去10年の平均である16.6倍をなお7.3%下回っている。 ダウ平均は14.1倍とほぼ2年ぶりの高水準にあるが、過去10年の平 均15.8倍を11%下回っている。ブルームバーグがまとめたデータによる と、前日の取引でS&P500種構成銘柄の約85%が50日移動平均を上回 って終えた。

S&P500種の下げに備えたオプションのコストを示すシカゴ・オ プション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は6.1% 上昇の12.27。前日には8.2%低下し、2007年2月以来の低水準を付け た。

「重要なニュースがない」

ウィリアムズ・キャピタル・グループの株式トレーダー、スティー ブン・カール氏は「この日は重要なニュースがほとんどなかった。過去 2日間、経済指標の発表があまりない。海外の情勢と金融市場に目を向 けているだけとも言える」と述べた。

S&P500種のセクター別では金融、ハイテク、工業株の下げが目 立った。S&P住宅建設株指数は1.9%下げ、全11銘柄が下落した。

アップルは2.2%安の428.43ドル。ジェフリーズのアナリスト、ピ ーター・マイセク氏は目標株価を500ドルから420ドルに引き下げた。ス マートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)5 S」などの発売が遅れる可能性が理由。

KBW銀行指数は0.7%低下。シティは1.4%下げた。事情に詳しい 関係者3人が明らかにしたところによると、バーゼル銀行監督委員会は 今年の全会合で、銀行の債務水準について国際的な上限を設ける案につ いて討議する。

原題:S&P 500 Falls After Seven-Day Rally Drove Index Toward Record(抜粋)

◎米国債:7日ぶりに反発-短期債への安全需要から3年債入札は好調

米国債相場は7営業日ぶりに上昇。短期債の安全性を求める動きか ら、この日の3年債入札(発行額320億ドル)では需要が好調だった。

3年債入札での最高落札利回りは0.411%と、入札直前の市場予想 の0.413%を下回った。議会では、強制歳出削減への対応をめぐる協議 の行き詰まりが続いている。予想を上回る経済指標を受けて逃避需要が 後退したことから、米国債相場は前日まで6営業日続落となっていた。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債券取 引部門シニア・バイス・プレジデント、マイケル・フランゼーズ氏は 「入札は順調だった」とした上で、「景気にとってのマイナス材料はな お存在する。強制歳出削減の問題は依然相場に重くのしかかっている」 と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下し2.02%。8日には2.08%と、昨年4月5日以来の高 水準を付けた。同年債(表面利率2%、2023年2月償還)価格はこの 日3/8上げて99 27/32。既発3年債の利回りは1bp未満下げて0.4%。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラナガン氏(ニューヨーク州パーチェス在勤)は「ここ1週 間ほど金利が若干上昇してきたため、一部投資家の買いを集めた面もあ るとみられる」と話した。

3年債入札

3年債入札では、海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占 める比率は20.6%。過去10回の平均は28.1%。前回2月12日の入札では 過去最低となる18%だった。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者による落札比率は23.4%だった。2月の入札では過去最高とな る26.9%、過去10回の平均は17.8%。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏(ニューヨーク在勤)は「金融当局が近いうち動くことはない だろう。つまり現在の水準からかけ離れることはないということだ」と 分析した。

今回の3年債入札での最高落札利回り0.411%は、前回の入札と同 水準だった。最高落札利回りの過去最低は昨年12月の入札で の0.327%。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は今回3.51倍だった。2月の入 札では3.59倍、過去10回の平均は3.61倍。

米国債リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 3年債の年初来リターンはマイナス0.02%。2012年全体ではプラ ス0.6%だった。

財務省は今週、総額660億ドルの国債入札を実施する。この日の3 年債に続いて13日に10年債(発行額210億ドル)、14日には30年債 (同130億ドル)の入札が予定されている。

ライアン米下院予算委員長は12日、2014年会計年度(13年10月-14 年9月)予算案を公表した。同委員長は下院予算案について、連邦歳出 の幅広い分野で4兆6000億ドル(約441兆円)削減することにより、財 政赤字を向こう10年内に解消すると説明している。

GMPのミラー氏は「ライアン委員長の予算案が示されたが政治的 な行き詰まりは続いており、きょうの債券相場でも支援材料になってい る」と指摘。「財政問題で明確な見通しは得られないとの見方がある限 り企業活動は活発にならず、米経済の成長も精彩を欠くことになる。よ って国債の買いは支えられる」と述べた。

原題:Treasuries Gain as Six-Day Price Decline Boosts Auction Demand(抜粋)

◎NY金:4日続伸、欧州の主要中銀が緩和拡大との観測で買い

ニューヨーク金先物相場は4営業日続伸し、過去6カ月で最長の上 昇局面となった。欧州の成長鈍化の兆しを背景に、中央銀行が緩和措置 を拡大するとの観測が強まった。

英政府統計局が12日発表した1月の同国の鉱工業生産は予想に反し て落ち込んだ。イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会は2 月、景気回復支援に向け追加の金融刺激を行う用意があると表明してい た。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーであるバイトマン・ド イツ連銀総裁は12日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビュー で、ECBは「必要な限り」緩和的な政策姿勢を維持すると述べた。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話取材に対し、「欧州で金融 緩和に関する新たな発表があるとの観測が金を支えている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.9%高の1オンス=1591.70ドルで終了。4日続伸は昨年 8月21日以来の最長。

原題:Gold Caps Longest Rally in Six Months Amid Easing Speculation(抜粋)

◎NY原油:4日続伸、ブレントの価格差は5週ぶりの幅に縮小

ニューヨーク原油先物相場は4営業日続伸。ユーロが対ドルで下 げ渋る展開となったことや、石油輸出国機構(OPEC)の産油量増 加が手掛かり。北海ブレント原油との価格差は過去5週間余りで最小 の幅に縮小した。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.30ドル台を維持。ウェスト・テキサ ス・インターミディエート(WTI)に対するブレントのプレミアム (上乗せ幅)は5営業日連続で縮小し、バレル当り17.11ドルとなっ た。OPECの2月の産油量は3カ月ぶりの高水準となった。

タイチ・キャピタル・アドバイザーズの商品ファンドマネジャー、 タリク・ザヒル氏は「本格的な動きがあるのは、ブレントとWTIのス プレッドだ」と指摘。「原油は為替の動向につられている。スプレッド がもう少し縮まっても驚きではない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比48セント(0.52%)高の1バレル=92.54ドルで終了。今年に入って からは0.8%上昇している。

原題:WTI Oil Narrows Discount to Brent to Lowest Level in Five Weeks(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、英製造業生産の低下が重し

12日の欧州株式相場は前日からほぼ変わらず。指標のストックス欧 州600指数は4年半ぶり高値水準にとどまった。英製造業生産が予想に 反して落ち込んだことなどが手掛かり。

英産銅会社アントファガスタは1カ月ぶり高値。配当を1年前から 2倍余り引き上げた。一方、英資産運用会社セント・ジェームズ・プレ ースは過去8カ月で最もきつい下げとなった。ロイズ・バンキング・グ ループが保有株を減らしたことが売り材料。イタリアのタイヤメーカ ー、ピレリも安い。2013年利益見通しがアナリスト予想に届かなかっ た。

ストックス欧州600指数は295.37で終了。前日比では0.1%未満の上 げ。一時0.3%上げ、0.2%安になる場面もあった。年初来上昇率 は5.6%。

ニュースケープ・キャピタル・グループのフィリップ・ボンフォア 最高投資責任者(CIO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビ ューで、「株価の上値追いには一段と慎重になりつつあり、ややリスク を減らすべきかもしれないとの見方が出始めている」と語った。

この日の西欧市場では18カ国中10カ国で主要株価指数が上昇。フラ ンスのCAC40指数と英FTSE100指数がそれぞれ0.1%高となった一 方、ドイツのDAX指数は0.2%下落した。

英政府統計局(ONS)が発表した1月の製造業生産指数は前月 比1.5%低下。エコノミスト調査では変わらずが見込まれていた。昨 年12月は1.5%上昇に改定された。

原題:European Stocks Little Changed; St. James’s Drops on Share Sale(抜粋)

◎欧州債:スペイン債は10日続伸、落札利回り低下-独債も堅調

12日の欧州債市場ではスペイン国債が10営業日続伸。イタリ アの政局混迷に伴うボラティリティーを欧州中央銀行(ECB)が 抑制するとの楽観が高まる中、スペインの証券入札で借り入れコス トが前回入札時を下回ったことが手掛かり。

11日にスペインのデギンドス経済・競争力相が年内にプラス成 長回復すると語ったことを受け、同国債は2005年8月以降で最 長の上昇局面となった。ドイツ国債は続伸。1月の英鉱工業生産が 予想に反して落ち込んだことから、比較的安全な資産として需要が 高まった。フランスとオーストリアの国債も堅調。ECBは昨年9 月、条件を満たす支援要請国の債券を購入する方針を明らかにした。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の債券ストラテジス ト、オーランド・グリーン氏は「ECBの支援方針がなかった場合、 ボラティリティーは一段と高まっていただろう」と発言。「政治面 でのイベントリスクと経済的リスクがドイツ国債や中核国の国債を 総じて支えている」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時31分現在、スペイン10年債利回りは 前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

4.72%。一時は4.70%と、2010年11月以来の低水準を付けた。 同国債(表面利率5.4%、2023年1月償還)価格はこの日、

0.29上げ105.23。

スペイン財務省は6カ月物と12カ月物の証券を計58億 3000万ユーロ発行した。目標の55億ユーロを上回った。6カ月 物の平均落札利回りは0.794%、12カ月物は1.363%。前回入 札では0.859%と1.548%だった。

ドイツ10年債利回りは4bp下げ1.48%。フランス10年 債利回りは2bp低下し2.11%、同年限のオーストリア国債利回 りは1bp下げて1.76%。

英国債相場は上昇。英王立公認不動産鑑定士協会(RICS) が発表した2月の住宅価格指標が低下したことが背景。2年債利回 りは昨年9月以来の低水準となった。

英10年債利回りは5bp低下し1.96%。同国債(表面利 率1.75%、2022年9月償還)価格は0.45上げ98.165。2年 債利回りは一時、0.18%まで下げた。

原題:Spanish Bonds Rise for 10th Day, Longest Winning Run Since 2005(抜粋) U.K. Gilts Show Inflation Outlook Highest Since ’08; Pound Falls(抜粋)

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