東邦チタ:海外生産工場の建設、秋にも結論出したい-杉内社長

東邦チタニウムの杉内清信社長は、 海外生産工場の建設を検討している。海外生産は、国内の電気料金の値 上げで上昇する生産コストを削減するのが狙いで、実現すれば同社にと って初めて。

8日に神奈川県茅ケ崎市の本社で、ブルームバーグ・ニュースとの インタビューで答えた。海外生産するのはチタンの中間材料であるスポ ンジチタン。工場建設地は、「マレーシアやそれ以外のどこの地域がい いか具体的なイメージをもって検討している」とし、「今年秋口ごろま でに決めたい」と述べた。

専門のプロジェクトチームを立ち上げ、現在10人程度のスタッフが 情報収集などを行っている。マレーシアの候補地はボルネオ島のサラワ ク州で、投資額は数百億円程度、生産能力は最大1万5600トン規模にな る可能性があるという。

東邦チタなど国内チタンメーカーは、東日本大震災後の原発停止の 影響で電気料金引き上げの動きが広がり、事業環境は一段と厳しさが増 している。杉内氏は、電気代が「生産コストに対してものすごく大きな インパクトを与える」と説明、海外生産の重要性を強調した。

軽くて耐性に優れたチタンは、主に海水淡水化プラントなど一般産 業用途や航空機用途に使用される。杉内氏は、需要について、「10年ご ろから回復基調にあったが、12年後半以降から落ち込んできた」と説 明。産業用は欧州の景気低迷の影響を受け、欧米や日本、中国などでプ ラント建設に遅れが出ているとし、需要の落ち込みが航空機用の需要減 を上回るという。

航空機は全体の需要が伸びない中、米ボーイング社の新型旅客機7 87が相次ぐバッテリートラブルで運航停止を余儀なくされたことで顧 客が在庫調整に入り、スクラップの利用が増えているという。

東邦チタは、米ボーイングや欧エアバスの機体に使われる高品位チ タンを手掛けている。同社によると、B787のチタン使用量は従来の B767の5倍程度。

需要減少を受けて、同社は4月1日からスポンジチタンの生産を 約30%減産すると発表。杉内氏によると茅ケ崎工場(神奈川県茅ケ崎 市)の稼働率を60%、若松工場(北九州市)は80%にそれぞれ引き下げ る。すでに茅ケ崎工場は12年度下期(10月-13年3月)平均で10%の減 産に取り組んでいる。役員報酬と管理職賃金の削減や余剰人員の休業な どで2億円程度の赤字圧縮を図る。

太陽光発電用途ポリシリコン事業からの撤退に伴う28億円の特別損 失を計上するとも発表。13年3月期の純損益は従来予想の7億円の黒字 から24億円の赤字に下方修正した。前期は6億2100万円の赤字だった。 航空機のサプライチェーンでの在庫調整や産業用プラントの設備投資延 期などによる具体的な業績への影響については、4月30日に発表する予 定。

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