日米欧とは異なる使命-政府借り入れ支援がインド中銀を圧迫

インドの1000億ドル(約9兆6600億 円)規模に上る財政赤字に対する最大の批判者は、その債務の最大級の 買い手でもある。それがインド準備銀行(中央銀行)だ。

同中銀は政府による歳出がインフレを招いていると批判。だが2008 年には無視できるほどの水準だった同中銀のソブリン債保有高は910億 ドルにまで膨らんでいる。

インド中銀には日米欧の中銀同様、物価を安定させるという責務が 課せられているが、他の中銀にない使命もある。政府の借り入れ計画達 成を確実にするというものだ。国債の直接引き受けは禁じられているも のの、インド中銀はいわゆる公開市場操作(オペ)を通じ市場から国債 を買い入れている。同中銀は、オペを通じた国債購入の主目的は政府の 借り入れ支援ではないとしている。

インド中銀のカーン副総裁は2月7日のインタビューで、国債購入 は「政府の借り入れ計画と直接的な関係はない。政府借り入れのマネジ メントはオペの副産物だ」と説明、銀行システムにおける「流動性不足 に対処する」ため国債を買い入れていると述べた。

政府による来年度の借入・支出額は過去最高に達し、供給に制約の あるインド経済の需要を物価を刺激し、インド中銀の物価を押し下げる 能力がさらに限定される公算が大きい。2人の財務省当局者は、債務管 理とインフレ抑制の役割を分離するための法案が承認のため内閣に送付 されていることを明らかにした。

穴埋め

CLSAアジアパシフィック・マーケッツのエコノミスト、ラジ ブ・マリク氏(シンガポール在勤)は、「債務管理機関としてインド中 銀は政府が必要とする借り入れを手助けしないとは言えない。巨額の財 政赤字の穴埋めを続けることで、インド中銀のインフレとの闘いはより 厳しいものとなっている」と指摘した。

インド中銀のデータを基にブルームバーグが算出したところによれ あ、同中銀は08年以降に発行されたソブリン債の約27%を保有してい る。予算資料は月末に終わる今年度の財政赤字が対GDP(国内総生 産)比で5.2%と、08年時点の2.5%から上昇することを示している。

ここ1年間の卸売物価に基づくインフレ率は平均7.5%、消費者物 価インフレ率は10%となっており、アジア諸国で最も高い。

--取材協力:Siddhartha Singh.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE