債券は反発、日銀臨時会合観測や株安で買い-5年債入札は予想と一致

債券相場は反発。日本銀行が臨時の 金融政策決定会合を開催して追加緩和を実施するとの観測や国内株式相 場の反落が買い手掛かりとなった。きょう実施の5年債入札では最低落 札価格が市場の事前予想通りだった。

JPモルガン証券の山下悠也債券ストラテジストは、「金融緩和強 化の可能性が高いことが7-10年ゾーンをサポートしている。日銀の新 体制下での長い年限の国債買い入れなどは織り込み済みであっても 市 場は折りに触れて材料視する展開が続いている。午後には国内株価が下 げに転じたことも債券買いの材料となった」と述べた。

東京先物市場で中心限月の6月物は、前日比11銭高の145円08銭で 始まり、一時は4銭高まで伸び悩んだが、午後に入って日経平均株価が 下落に転じると買いが優勢となり、8日以来の高値となる145円18銭ま で上昇し、結局は17銭高の145円14銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.655%で開始し、午後に入ると2 営業日ぶり低水準の0.635%まで低下した。20年物の142回債利回り は3.5bp低い1.60%と2営業日ぶりの低水準。30年物の38回債利回りは 午後3時すぎに取引成立し、2.5bp低い1.745%に低下した。

明後日14日には20年債入札が実施される。JPモルガンの山下氏 は、「3月末は生命保険などの需要が見込まれるため、14日の20年債入 札自体は特段の懸念がない状況。ただ、4月以降の30年債増発には警戒 感が根強く、日銀による買い入れ規模がどの程度になるか含めて需給の 見極めが困難な状況」と話した。

5年債入札、テール横ばいの1銭

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.1%の5年利付国 債(109回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円89銭と市場予 想と一致した。最高落札利回りは0.122%と過去最低を更新した。小さ ければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は1銭と、前回 と同水準。投資家の需要の強さを示す応札倍率は3.12倍と前回の3.81倍 を下回った。

バークレイズ証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジストは、5年債 入札について「悪くはないが買い進む感じでもなく、まあまあの結果」 と指摘した。債券相場については、「日銀の緩和観測が根強く、上昇し ている。臨時会合をやらないといけない必然性はないが、パフォーマン スでやる可能性は否定できず、債券市場で織り込んだ状態。株式や為替 市場も材料視している」と話した。

次期日銀総裁候補の黒田東彦氏は11日、参院議院運営委員会の所信 聴取で追加金融緩和は「スピード感が非常に重要だ」と述べ、20日の新 体制発足直後に臨時の金融政策決定会合を開き、追加緩和に踏み切る可 能性が出てきたと共同通信が11日に報じた。次回の定例会合は4月3、 4日の日程で開かれる予定だ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジス トは、先物相場は日銀臨時会合の観測などで堅調だが、日程上の制約や 国内景気、株高・円安など金融市場の動向からは可能性は高くないとみ ていると指摘。「日銀は追加緩和の実施時期でなく、内容で市場にイン パクト及ぼす」との見方を示した。

--取材協力:赤間信行. Editors: 山中英典, 青木 勝

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