3月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル上昇、対円で09年以来高値に迫る-米回復加速に期待

11日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で2009年8月以来 の高値に迫った。米経済に勢いが加速している兆候がみられ、ドル建て 資産需要が高まった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は約7カ月ぶり高水準で推移。今週発表される2月の米小売売上 高は前月比で増加が見込まれており、消費者物価指数(CPI)も上昇 が予想されている。英ポンドは対ドルで2010年6月以来の安値に下げ た。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏(ニューヨーク在勤)は、「ドルはまだ全般的に堅調だ」と述べ、 「日本や米国のように、一部の株式市場では全体的にリスクを取る方向 に傾いている。この動きは円相場にネガティブな連動をもたらす傾向が ある」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.3%上昇して1ド ル=96円28銭。8日は96円55銭と、2009年8月11日以来の高値だった。 ドルは対ユーロで0.3%下げて1ユーロ=1.3046ドル。円は対ユーロ で0.6%下落して1ユーロ=125円61銭。

この日のS&P500種株価指数は0.3%高、ダウ工業株30種平均 は0.4%上昇した。

JPモルガン・チェースのテクニカルアナリスト、ナイオール・オ コナー氏(ニューヨーク在勤)は、対ドルで97円-97円80銭の水準が円 の節目になると予想している。同氏によると、円はこの支持線を抜けた 場合、2009年4月以来の安値水準となる100円まで下落する可能性があ る。

黒田氏の発言

政府が次期日本銀行総裁候補として国会に提示した黒田東彦アジア 開発銀行総裁は11日午前、参院議院運営委員会で所信聴取に臨み、日銀 が掲げる物価上昇率2%の目標を「1日も早く実現することが何よりも 重要な使命」とあらためて述べた上で、具体的施策としてスワップ取引 などのデリバティブ(金融派生商品)の活用も検討する姿勢を示した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想による と、13日発表される2月の米小売売上高は前月比で0.5%増が見込まれ ている。1月は0.1%増だった。また15日発表の2月の米CPIは前月 で0.5%上昇が予想されている。先週発表された2月の米雇用統計では 失業率が7.7%と、4年ぶりの低水準となった。

エコノミストは米国の歳出削減が家計の買い控えにはつながらなか ったとみている。

ドル指数

ドル指数は0.2%低下して82.569。8日は82.924と、昨年8月3日 以来の高水準となった。

ソシエテ・ジェネラルの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲー リー氏(ニューヨーク在勤)は「市場はドル上昇局面という長期戦に入 っている」と述べ、「今はおそらく根固めの局面なのだろう。ただ例外 はポンドのショートポジションだ。投資家は欧州情勢を懸念してまだ弱 気な見方を維持している」と続けた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは年初来3%上昇。米国の経済成長が加速し、米金融当局 は債券購入のペースを減速させるとの観測が背景だ。ユーロは1.7%上 昇、円は8.3%下落している。

原題:Dollar at Almost Highest Against Yen Since 2009; Peso Rallies(抜粋)

◎米国株:S&P500種、最高値に接近-ダウ5日連続で最高値更新

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は過去最高値にあと9ポ イント未満に近づき、ボラティリティ指数はほぼ6年ぶりの水準に低下 した。アップルが上昇。銀行株にも買いが入った。

アップルは上げに転じる展開となった。カナダのスマートフォン (多機能携帯電話)メーカー、ブラックベリーは急伸。中国のパソコン メーカー、レノボ・グループ(聯想集団)が買収を検討する可能性があ るとの報道が手掛かり。中国での販売が増加したフォード・モーターも 高い。シティグループやウェルズ・ファーゴなど金融株も上昇した。一 方、ディックス・スポーティング・グッズは急落。収益見通しがアナリ スト予想を下回った。

S&P500種株価指数は0.3%高の1556.22で終了。ダウ工業株30種 平均は50.22ドル(0.4%)上げて14447.29ドルと、5営業日連続で最高 値を更新した。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリテ ィ指数(VIX)は2007年以来の低水準。米証券取引所全体の出来高は 約54億株と、3カ月平均を14%下回った。

アービング・マギー・インベストメント・マネジメントで運用に携 わるジョーダン・アービング氏は、「上昇継続が最も自然な流れとなっ ている。最近の米経済指標はまずまずの内容だ。上昇に乗り遅れている のなら、今から少しでも遅れを取り戻したい気持ちだろう」と述べた。

10兆ドル余り回復

S&P500種は2009年の底値の2倍以上に戻し、米株式市場の時価 総額は4年間にわたる強気相場で10兆ドル余りを回復した。ダウ平均は 金融危機で失った分を65カ月足らずで全て取り戻した。これはインター ネットバブル崩壊後の回復よりも1年余り早い。

S&P500種の下げに備えたオプションのコストを示すVIX は8.2%低下の11.56と、2007年2月以来の低水準。先週は18%低下、年 初からは36%低下している。

中国の1-2月の工業生産が前年同期比9.9%増と、ブルームバー グ・ニュースが調査したアナリスト予想の中央値10.6%増を下回ったた め、米株式市場では売りが先行した。中国の小売売上高も12.3%増と予 想を下回った。1月のドイツ輸出額はエコノミストの予想以上に増加し た。

ペン・キャピタル・マネジメントのリサーチディレクター兼運用担 当者、エリック・グリーン氏は電話インタビューで、「ファンダメンタ ルズが引き続き株価上昇を支えている」と指摘。「かなり短期的に調整 が入る可能性は十分にあるが、下げたら多くの参加者が買いを入れる可 能性が高い」と語った。

セクター別

S&P500種のセクター別では10業種のうち9業種が上昇。金融や 素材株の上げが目立った。シティは2%、ウェルズ・ファーゴは1.7% それぞれ上げた。一方、通信サービス株は下げた。

アップルは1.4%高。ギャムコ・インベスターズのハワード・ウォ ード最高投資責任者(CIO)はブルームバーグラジオとのインタビュ ーで、アップルが来月、手元資金の活用計画を発表するとの見通しを示 した。アップル株は朝方、投資判断の引き下げて1.5%下げる場面もあ った。

ブラックベリーは14%上昇と約1カ月ぶりの大幅高。レノボの楊元 慶最高経営責任者(CEO)はフランス紙レゼコーに対し、ブラックベ リーとの取引は「理にかなうかもしれないが、まず市場を分析し、同社 の重要性を正確に理解する必要がある」と発言した。

原題:U.S. Stocks Rise as S&P 500 Approaches Record, Volatility Slips(抜粋)

◎米国債:下落、30年債利回り07年以来で最長の6日連続上昇

米国債相場は下落。30年債利回りは2007年以来で最長の6営業日連 続上昇となった。米財務省は今週、発行総額660億ドルの国債入札を実 施する。

10年債利回りは終値ベースで11カ月ぶりの高水準となった。13日に 発表される2月の米小売売上高では、景気が勢いを増しつつある兆候が 新たに示されると予想されている。先週発表の雇用統計で失業率が4年 ぶり低水準に下げ、金融当局の景気浮揚への取り組みが効果を表しつつ あるとの見方が広がったことも、国債敬遠の動きにつながった。15日発 表される2月の消費者物価指数では4カ月ぶりの上昇が見込まれてい る。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府債トレーディング担当ディ レクター、ジェーソン・ローガン氏は「入札を控えてきょうは非常にゆ っくりとした動きだ」とした上で、「市場では十分な関心があるよう だ。10年債で2.05-2.06%という利回りは十分な買い意欲を呼ぶ水準 だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)上昇の3.26%。同年債(表面利率3.125%、2043年2月 償還)価格はこの日、9/32下げて97 14/32。利回りは一時3bp上昇 の3.27%を付けた。前回30年債利回りが6営業日連続で上げたのは2007 年5月。

10年債利回りは2bp上昇の2.06%と、4月5日以来の高水準。一 時2.07%と、3月8日に付けた日中ベースでの11カ月ぶり高水準であ る2.08%に接近した。

利回り格差

2年債と10年債の利回り格差は最大1.82ポイントに拡大し、12年4 月以来の最大に接近した。過去1年間の平均は1.5ポイント。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 償還年限が10年以上の米国債は世界の同年限の国債と比較して、11年以 降で最も割安な水準で推移している。

米財務省は12日に3年債入札(発行額320億ドル)を実施する。前 回2月12日の入札(発行額同じ)では最高落札利回りは0.411%で、入 札直前の市場予想(0.409%)を上回った。また投資家の需要を測る指 標の応札倍率は3.59倍で、過去10回の入札の平均と一致した。

国債入札

財務相は13日に10年債(発行額210億ドル)、14日に30年債(130億 ドル)の入札を実施する。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「今週の国債供給は大きな材料だ」と指摘し た。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値で は2月の米小売売上高(13日発表)は前月比0.5%増となっている。1 月は0.1%増だった。

15日に発表される2月の消費者物価指数は、前月比0.5%上昇が予 想されている。同指数は1月と昨年12月はほぼ横ばい、11月は低下して いた。

ロス氏は「経済指標は非常に力強い状況が続いている」とし、「金 融当局の政策が金利を押し下げ、景気を後押ししているのは明らかだ」 と分析した。

原題:Treasury Bonds Fall in Longest Stretch Since 2007 Before Supply(抜粋)

◎NY金:3日続伸、欧州懸念で逃避の買い-中国需要も手掛かり

ニューヨーク金先物相場は今年に入って最長の3営業日続伸。欧州 の危機が悪化するとの懸念を背景に、逃避としての金買いが活発になっ た。

格付け会社フィッチ・レーティングスは8日、イタリアの信用格付 けを1段階引き下げた。UBSは8日のリポートで、中国からの現物需 要は今後数週間、好ましい状況が続くとの見方を示した。

商品ブローカー、インフィニティ・トレーディング(オレゴン州メ ドフォード)のフェイン・シェーファー社長は電話インタビューで、 「フィッチによるイタリア格下げが一定の支えになっている」と指摘。 「加えて、アジアでは需要が増えている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前週末比0.1%高の1オンス=1578ドルで終了。ダウ工業株30種 平均の最高値更新を背景に、金は一時0.2%下落する場面もあった。

原題:Gold Gains for Third Day as Europe Concern Boosts Haven Appeal(抜粋)

◎NY原油:3日続伸、株価上昇が支え-取引終盤に反発

ニューヨーク原油先物相場は続伸。米国の主要株価指数が7営業 日連続で上昇するなか、米国の燃料需要が拡大するとの楽観が強まっ た。

銀行株を中心に株価が上昇したことを背景に、原油先物は取引終盤 に上げに転じた。ダウ工業株30種平均は5営業日連続で史上最高値を更 新、S&P500種株価指数は過去最高値に迫った。中国の工業生産の伸 びが市場予想に届かなかったことや、サウジアラビアの原油生産が20カ 月ぶり低水準から2月に増加したことを手掛かりに、原油は一時1.2% 下落する場面もあった。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)のエ ネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は「きょうは株価以外に原油 価格を支えている材料は何も見当たらない」と指摘。「S&P500種と 原油相場は相関性が高い。原油は一時、下値を試したが抜けられなかっ たため、戻ってきている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前週末 比11セント(0.12%)高の1バレル=92.06ドルで終了。終値では先 月27日以来の高値となった。

原題:Oil Rebounds With U.S. Equity Indexes to Advance for Third Day(抜粋)

◎欧州株:小反落、イタリア格下げで-中国経済指標は予想に届かず

11日の欧州株式相場は小幅安。ストックス欧州600指数は前週 末に付けた4年半ぶり高値から反落した。フィッチ・レーティングス によるイタリア格下げのほか、中国の小売売上高と工業生産が予想に 届かなかったことが売りを誘った。

ノルウェーの保険会社、ストアブランドは6.6%急落。年金基金へ の規制強化で引当金積み増しを迫られると明らかにした。オーストリア の石油会社OMVと英ブローカーのICAPも下げた。両銘柄の投資判 断はともに引き下げられた。一方、英ブックメーカーのラドブロークス は11カ月ぶりの大幅高。オンライン事業をプレイテックと開発すること で合意した。

ストックス欧州600指数は前週末比0.1%安の295.26で終了。年初来 では依然5.6%高となっている。

ベッドラム・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、フェ リシティー・スミス氏(ロンドン在勤)は電子メールで、「イタリア格 下げでさらなる介入が必要になるとの警戒感がやや高まるだろう。特に キプロスも救済を受け入れる必要があることが明らかなためだ」と発 言。「最終的にドイツがこうしたコストへの主要拠出国となるだろう。 格下げはパニックになる理由というより、市場をやや現実に戻すものだ とみている」と続けた。

11日の西欧市場では18カ国中10カ国で主要株価指数が下落した。

フィッチは8日の取引終了後、イタリアの信用格付けを「A-」か ら「BBB+」に1段階引き下げた。アウトルック(格付け見通し)は 「ネガティブ」(弱含み)とした。

原題:European Stocks Fall From 4 1/2-Year High After Italy Downgrade(抜粋)

◎欧州債:イタリア債が続落、フィッチ格下げで-英独債は堅調

11日の欧州債市場でイタリア国債は続落。フィッチ・レーティン グスがイタリアの信用格付けを1段階引き下げたことに反応した。フ ィッチは明確な勝者が出なかった総選挙を受け、同国のリセッション (景気後退)への対応能力が損なわれると指摘した。

イタリア国債では2年債利回りが大きく上げた。フィッチは8日の 取引終了後に格下げを発表し、欧州でリセッションが「最も深刻な国の 一つがイタリアだ」と説明。安全資産を求める動きから、ドイツ10年債 は6営業日ぶりに上昇した。スペイン10年債利回りは一時、2010年11月 以来の水準まで低下。デギンドス経済・競争力相が年内にプラス成長が 始まるとの見通しを示した。

ウニクレディト・グローバル・リサーチ(ミラノ)のシニア債券ス トラテジスト、ルカ・カツラーニ氏は、イタリア債の「動向はフィッチ の動きと関連しているようだ」と述べ、「イタリアの利回り曲線に関し ては、極めて長期にわたる不透明感と変動に備える必要がある。市場が 明確な方向性を見定めるとは予測し難い」と続けた。

ロンドン時間午後4時45分現在、イタリア10年債利回りは前週末比 3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.63%。同国債 (表面利率5.5%、2022年11月償還)価格は0.26下げ107.095。2年債利 回りは5bp上昇し1.80%。一時は先月26日以降で最大の12bp上昇し た。

スペイン10年債利回りは前週末比ほぼ変わらずの4.76%。10年11 月22日以来の低水準となる4.72%まで下げる場面もあった。

ドイツ10年債利回りは1bp低下の1.51%。8日には1.54%と、先 月25日以来の高水準を付けた。

英国債

英国債相場も上昇し、10年債利回りはここ5カ月で初めて米10年債 利回りを下回る水準となった。フィッチによるイタリアの格下げで英国 債に安全を求める動きが強まった。

イングランド銀行(中央銀行)が資産買い取りプログラムで購入し た債券のうち、満期を迎える分についての再投資をこの日に始めたこと も支援材料となった。

ロンドン時間午後4時37分現在、英10年債利回りは前週末比5bp 低下の2.01%。8日には2.07%と、先月25日以来の高水準に達した。同 国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格はこの日、0.42上 げ97.75。

原題:Italy’s Bonds Drop After Fitch Downgrade; German Bunds Advance(抜粋) U.K. Yields Drop Below U.S. After Italy Downgrade; Pound Weakens (抜粋)

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