NY外為:ドルは上昇、対円で09年以来の高値に迫る

11日のニューヨーク外国為替市場で はドルが対円で2009年8月以来の高値に迫った。米経済に勢いが加速し ている兆候がみられ、ドル建て資産需要が高まった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は約7カ月ぶり高水準で推移。今週発表される2月の米小売売上 高は前月比で増加が見込まれており、消費者物価指数(CPI)も上昇 が予想されている。英ポンドは対ドルで2010年6月以来の安値に下げ た。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏(ニューヨーク在勤)は、「ドルはまだ全般的に堅調だ」と述べ、 「日本や米国のように、一部の株式市場では全体的にリスクを取る方向 に傾いている。この動きは円相場にネガティブな連動をもたらす傾向が ある」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.3%上昇して1ド ル=96円28銭。8日は96円55銭と、2009年8月11日以来の高値だった。 ドルは対ユーロで0.3%下げて1ユーロ=1.3046ドル。円は対ユーロ で0.6%下落して1ユーロ=125円61銭。

この日のS&P500種株価指数は0.3%高、ダウ工業株30種平均 は0.4%上昇した。

JPモルガン・チェースのテクニカルアナリスト、ナイオール・オ コナー氏(ニューヨーク在勤)は、対ドルで97円-97円80銭の水準が円 の節目になると予想している。同氏によると、円はこの支持線を抜けた 場合、2009年4月以来の安値水準となる100円まで下落する可能性があ る。

黒田氏の発言

政府が次期日本銀行総裁候補として国会に提示した黒田東彦アジア 開発銀行総裁は11日午前、参院議院運営委員会で所信聴取に臨み、日銀 が掲げる物価上昇率2%の目標を「1日も早く実現することが何よりも 重要な使命」とあらためて述べた上で、具体的施策としてスワップ取引 などのデリバティブ(金融派生商品)の活用も検討する姿勢を示した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想による と、13日発表される2月の米小売売上高は前月比で0.5%増が見込まれ ている。1月は0.1%増だった。また15日発表の2月の米CPIは前月 で0.5%上昇が予想されている。先週発表された2月の米雇用統計では 失業率が7.7%と、4年ぶりの低水準となった。

エコノミストは米国の歳出削減が家計の買い控えにはつながらなか ったとみている。

ドル指数

ドル指数は0.2%低下して82.569。8日は82.924と、昨年8月3日 以来の高水準となった。

ソシエテ・ジェネラルの為替ストラテジスト、セバスチャン・ゲー リー氏(ニューヨーク在勤)は「市場はドル上昇局面という長期戦に入 っている」と述べ、「今はおそらく根固めの局面なのだろう。ただ例外 はポンドのショートポジションだ。投資家は欧州情勢を懸念してまだ弱 気な見方を維持している」と続けた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは年初来3%上昇。米国の経済成長が加速し、米金融当局 は債券購入のペースを減速させるとの観測が背景だ。ユーロは1.7%上 昇、円は8.3%下落している。

原題:Dollar at Almost Highest Against Yen Since 2009; Peso Rallies(抜粋)

--取材協力:Joseph Ciolli.

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