石田日銀委員:2%物価目標「大変高い」が展望可能-成長力必要

日本銀行の石田浩二審議委員は11日 午前、宇都宮市内で講演し、1月に導入した2%の物価目標は1980年代 以降の実績値を考慮すると「大変高い」が「十分展望できる」との認識 を示した。

石田委員は、成長期待の高まりと実際の物価上昇につれて、予想イ ンフレ率も高まっていくと説明。金融緩和に加え「競争力と成長力の強 化に向けた幅広い主体の取り組み」が重要だと語った。

また日銀は「強力な金融緩和を推進していく」とあらためて表明。 物価目標を導入した1月に2014年初めから無期限の資産買い入れに移行 すると決めたのは、物価目標の実現を目指す「政策の構えをより明確に 示す」狙いがあったと説明した。

安倍晋三首相は2月末、今月19日に退任する白川方明日銀総裁の後 任に黒田東彦アジア開発銀行(ADB)、副総裁の1人に岩田規久男学 習院大学教授を起用する人事案を国会に提示。両氏とも物価目標は金融 政策で達成できるとの見解で、白川総裁とは異なる。石田委員は講演で 「日本経済の柔軟性や適応力を回復し、潜在力を引き上げていく成長戦 略は大変重要だ」とも述べた。

石田委員は、日本の財政が「大変厳しい状況にある」にもかかわら ず、国債利回りが歴史的な低水準で安定しているのは「ひとえに財政運 営に対する市場の信認が保たれているからだ」と指摘。仮に信認が揺ら げば「金利の大幅な上昇が起こり、金融政策の有効性が失われることに 加え、個人や企業の借り入れ負担が増加するほか、国債を保有する金融 機関の経営に打撃を与え、経済に大きな悪影響をもたらす」恐れがあ り、国債の利払い費増加を通じて財政悪化にもつながるため「絶対避け なければならない」と強調した。

足元の景気については「下げ止まっている」と指摘。1月に中間評 価した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)の見通しに沿って推 移していると分析。消費者物価上昇率は「14年度の終わりごろには月次 ベースで1%に達する」との見通しを示した。円安・株高傾向は「政 府・日銀の政策運営に対する期待の高まり」が影響しているとも述べ た。

米国経済に関しては、今年前半は「増税・歳出削減という財政面か らの圧迫要因」もあり「成長抑制は避けられない」ものの、年央以降は 「成長スピードが次第に上がっていく」と分析。米長期金利が上昇した 場合の国内長期金利や円・ドル相場への影響を注視していく必要がある と述べた。欧州経済は「当面低迷が続く」上、危機再燃の恐れもあるた め「十分注意が必要だ」と指摘。中国経済は「今年は8%台前半の成長 が可能」との見通しを示した。

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