債券は下落、20年入札接近で超長期ゾーンに売り圧力-10年債には買い

債券相場は下落。14日に20年債の入 札実施を控えて超長期ゾーンが売り込まれたほか、あすの5年債入札を 前に5年ゾーンも金利水準をやや切り上げた。

東京先物市場で中心限月の6月物は、前週末比12銭安の144円91銭 で開始し、一時は144円81銭まで下げた。その後は徐々に水準を切り上 げ、午後の取引開始後には1銭安の145円02銭まで下げ幅を縮小。その 後は145円付近でもみ合いとなり、結局は6銭安の144円97銭で引けた。

現物市場で20年物国債の142回債利回りは、午後1時半すぎに同4.5 ベーシスポイント(bp)高い1.64%と、2月28日以来の高水準を付けた。 その後は上昇幅をやや縮め、3時すぎからは1.63%で推移している。8 日に入札された30年物の38回債利回りは一時、7.5bp高い1.78%まで上 昇したが、その後は1.77%にやや戻している。

みずほ証券の早乙女輝美シニア債券ストラテジストは、超長期債は 買われ過ぎの調整が先行しており、前週のような不安定な状態で20年債 入札を迎えたくない思いが買いを手控えさせたと指摘。また、「あすに 5年債入札も控えて全体的に需給が緩んでいる」とも話した。

メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストも、30年債入 札では生保などの需要が確認されたが、さらに買い進めるか読みづらい と指摘し、14日に20年債入札があるので「いったん需給は緩む」との見 方を示していた。

現物市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の328回債利回り は同1ベーシスポイント(bp)高い0.66%で開始し、0.665%まで上昇し た。午後は0.655-0.66%にやや戻しての推移となった。

押し目買い

日本銀行が新体制下で金融緩和を拡大するとの観測が広がる中、金 利水準が切り上がる場面では買いが入った。大和住銀投信投資顧問の伊 藤一弥債券運用部長は、一段の金融緩和への期待で中期ゾーンと同様の 扱いとなっていると言い、「米金利上昇や内外株高で売りが優勢なが ら、日中は押し目買いの動きがうかがえた」とも話した。

次期日銀総裁候補の黒田東彦氏は11日午前、参院議院運営委員会で 所信聴取に臨み、「国債についてどんどん長期を購入していって、長期 金利への影響を強めていかなければならない。あるいは、民間の資産に ついても、リスクプレミアムが過大なところは縮める。そういう意味で は量的、質的に大胆な金融緩和をしていく」と述べた。

財務省はあす12日、5年債入札を実施する。前回入札の108回債利 回りは0.5bp高い0.11%で取引された。このため、表面利率(クーポ ン)は前回債と同じ0.1%が見込まれている。発行額は前回債と同額の 2兆7000億円程度。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、日銀による4月 以降の国債購入増額や5年程度の年限延長は市場で既定路線となりつつ あると指摘し、「利回り0.1%からの低下余地は乏しくとも需要は旺盛 で、あすの5年債入札は問題なく通過できる」と予想した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE