3月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、96円台-米雇用の伸び予想上回る

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で2009年以来の高値に上 昇した。2月の米雇用者数が予想を上回る伸びとなったことを背景に、 増税や政府の歳出削減にもかかわらず、米経済が底堅く推移していると の楽観が強まった。

ドルは主要通貨の大半に対して値上がりし、対ユーロでも堅調な展 開。雇用統計によると、失業率は7.7%と4年ぶりの低水準となった。 一方、ユーロ圏の1月の失業率は過去最悪の11.9%となっている。円は 主要16通貨すべてに対して下落。1月の日本の経常収支は3カ月連続の 赤字となった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリス ト、オマー・エシナー氏(ワシントン在住)は電話インタビューで、 「広範な回復が進んでいることを示唆する経済指標が増えている」と指 摘。「米国の回復が勢いを増している一方、他の主要国は景気停滞、多 くは景気後退の状態にとどまっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比1.2%高の1 ドル=96円ちょうど。09年8月12日以来の高値水準に達した。ドルは対 ユーロで0.8%高の1ユーロ=1.3005ドル。ユーロは対円で0.5%高の1 ユーロ=124円86銭。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.8%上げて82.712と、昨年8月以来の高水準に達した。

「ドルは成長通貨」

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比23万6000人増。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は16万5000人増だっ た。前月は11万9000人増と、速報値の15万7000人増から3万8000人下方 修正された。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「株価が かなり堅調でリスク志向が強まる中で、ドルは底堅さを維持している」 と指摘。「これは極めて重要な相関関係のシフトを示している可能性が あり、そのためドルは成長通貨の一つになっている」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が先月公表した連邦公開市場委員 会(FOMC、1月29-30日開催)の議事録によれば、毎月850億ドル という資産購入のペース変更、停止あるいは継続について参加者の見解 が分かれ、雇用市場が「大幅」に改善するまで資産購入を続けるという バーナンキFRB議長主導の政策をめぐり当局者の間で意見が割れたこ とが示された。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、2月の米雇 用者の伸びが市場予想を上回ったものの、これによって金融当局が現行 の緩和措置を変更することはないとの見解を示した。

円の方向性

円は対ドルで週間ベースでは2週連続の下落。日本の1月の国際収 支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経 常収支は3648億円の赤字となった。

テクニカル指標では、円の下げが反転する可能性を示している。対 ドルでの円相場の相対力指数(RSI、期間14日)はこの日30を下回 り、円安進行が急速だったことを示唆した。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「円安はほとんどが過去の話だ」と指摘。「次 は日本銀行がこの先実際に高いインフレ率を達成できるのかどうかを見 ることになる。それはやや難しい可能性があると当社では考えている」 と述べた。

原題:Dollar Hits 2009 High Versus Yen as U.S. Jobs Gain Tops Forecast(抜粋)

◎米国株:上昇、S&P500種は最高値に接近-雇用統計で

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は過去最高値に近づい た。2月の米雇用統計で雇用者数が予想以上に増加し、失業率が低下 したことが好感された。

マクドナルドが上昇。同社の2月の世界全体の既存店売上高は、 市場予想より小幅な減少にとどまった。シティグループも高い。自社 株買いの承認を申請したことが手掛かり。一方、ゴールドマン・サッ クス・グループは下落。米連邦準備制度理事会(FRB)がストレス シナリオの下で想定する中核的自己資本(Tier1)比率が、他の 主要米銀よりも見劣りする水準にとどまった。インターネットラジオ 局のパンドラ・メディアは大幅高。四半期決算で売上高が市場予想を 上回った。

S&P500種株価指数は0.5%高の1551.18。ダウ工業株30種 平均は67.58ドル(0.5%)上げて14397.07ドル。両指数とも6営 業日続伸と、1月25日以来の長期上昇局面。

モルガン・スタンレーのマネジングディレクター兼シニア顧客ア ドバイザー、カーラ・アン・ハリス氏は「企業は採用を始めている。 というより、ここ数四半期は採用を続けてきた」とし、「雇用をめぐる 慎重姿勢が多少後退し始めている。企業は市場で感じる不透明感を理 由に現状維持を続けてきたが、今は成長に向けて動き始めており、採 用ペースは加速する可能性が高い」と続けた。

2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季 節調整済み)は前月比23万6000人増。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミストの予想中央値は16万5000人増だった。家 計調査に基づく失業率は7.7%。

過去最高値

S&P500種は今週2.2%上昇と、週間ベースでは2カ月ぶりの 大幅高。新規失業保険申請件数の減少や金融緩和継続への期待感が背 景にある。同指数は2007年10月に付けた過去最高値(1565.15) まであと1%未満の水準にある。ダウ平均は過去最高値の更新が続い ている。

ブルームバーグのデータによれば、前日はS&P500種の全銘柄 中、約82%が終値ベースで過去50日間の平均を上回った。

RBCグローバル・アセット・マネジメントの米株トレーディン グ責任者、ライアン・ラーソン氏(シカゴ在勤)は電話取材で、「これ までと比べれば非常に素晴らしい水準だが、問題はこの数字があまり に好調で、上昇ペースも速過ぎると金融当局の目に映ったかどうかだ」 とし、「過去最高値の更新が続く一方、生きるも死ぬも金融当局次第と いう状況も続く」と述べた。

ボラティリティ指数

モルガン・スタンレー・シクリカル指数は5日続伸。この日 は1.2%上昇し、過去最高を更新した。米国株オプションの指標であ るシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は3.6%低下し12.59。週間では18%下げた。

マクドナルドは1.7%高の98.71ドルと、ほぼ1年ぶりの高値。

シティグループは3.7%高の46.68ドル。同行はFRBに対し、 12億ドル規模の自社株買いの承認を申請した。

ゴールドマンは2.3%安の152.98ドルだった。

パンドラは18%高の13.79ドル。同社の第4四半期の売上高は 54%増の1億2510万ドルでアナリストの予想平均1億2280万ドル を上回った。

原題:S&P 500 Climbs Toward Record as Payrolls Rise More Than Forecast(抜粋)

◎米国債:続落、10年債利回り11カ月ぶり高水準-雇用増で

8日の米国債相場は5日続落。10年債利回りは一時、11カ月ぶ り高水準に上昇した。朝方発表された2月の米雇用統計で予想以上に 雇用が増加し、失業率も低下したことから、金融当局が実施している 緩和策が効果を発揮し景気が回復しつつあるとの見方が広がった。

10年債利回りは週間ベースで約1年ぶりの大幅上昇。2月の失業 率は7.7%と4年ぶり低水準となった。バーナンキ連邦準備制度理事 会(FRB)議長は先週、1月の連邦公開市場委員会(FOMC)声 明で示した「状況が改善するまで米財務省証券と住宅ローン担保証券 の購入を継続する」との見解をあらためて示した。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレク ター、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「景気回復と いう意味において、刺激策の費用に見合った効果が表れているのかは 分からないが、明らかに改善はしている」と述べ、「今週のように、緩 和策解除を考えさせられる材料が発表された週はなかった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の2.04%。同年債(表面利率2%、2023 年2月償還)価格は13/32下げて99 20/32。30年債利回りは4b p上昇して3.24%。

ネットロングの減少

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジフ ァンドなど大口投資家の間では10年債先物のネットロングポジショ ンが5日終了週に減少した。

シカゴ商品取引所(CBOT)ではネットロングが7万6818枚。 CFTCのリポートによると前週比では3万9090枚減少と、12月 21日以来で最大の減少幅だった。

バークレイズのグローバル・インフレ連動調査責任者、マイケル・ ポンド氏は、利回り上昇が「まずまずの買いの好機をもたらしている」 と述べ、「確実に景気が回復している兆候はあるが、個人消費は景気を 押し下げるとみている。利回りが上昇しているのはやや行き過ぎてい ると考えている」と続けた。

米労働省が8日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門 雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比23万6000人増。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は16 万5000人増だった。家計調査に基づく失業率は7.7%に低下した。

米金融当局は景気てこ入れと失業率の押し下げを図るため、米国 債と住宅ローン担保証券(MBS)を合計で毎月850億ドル購入して いる。

グロース氏の見解

バーナンキ議長は先週の議会証言で、借り入れコスト低下と成長 促進による効果がマイナス面の影響を上回るとして債券購入を擁護し た。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、2月の米 雇用者の伸びが市場予想を上回ったものの、これによって金融当局が 現行の緩和措置を変更することはないとの見解を示した。

グロース氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「FRB のバーナンキ議長やイエレン副議長、ダドリー・ニューヨーク連銀総 裁の三銃士は、たとえ失業率が6.5%に低下しても、状況を見極める とい う意向を明確に示している」と発言。「彼らは労働の参加率や規模を見 るだろうし、生産性も見るだろう、これらを組み合わせて判断するだ ろう」と述べた。

原題:Treasuries Drop as Gain in Jobs Signals Fed’s Efforts Paying Off(抜粋)

◎NY金:続伸、米失業率高止まりで緩和策継続の観測

ニューヨーク金先物相場は続伸。米失業率が金融当局の目標より も高い水準にとどまったことから、緩和措置が継続するとの見方が強 まった。

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、失業率は7.7% と、2008年12月以来で最低となった。連邦準備制度理事会(FR B)のバーナンキ議長は失業率の6.5%への低下を望んでいると明ら かにしている。

スタイフェル・ニコラスの上場投資信託(ETF)トレーディン グ・戦略責任者、デーブ・ラッツ氏は電話インタビューで、「雇用の 数字は明るい材料だが、これで当局の考え方が一変することはないと の認識が広がっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 4月限は前日比0.1%高の1オンス=1576.90ドルで終了。週間で は0.3%高で、5週ぶりの上昇。

原題:Gold Futures Gain as U.S. Jobless Rate Remains Above Fed Target(抜粋)

◎NY原油:続伸、米国の雇用増加で燃料需要拡大見通し

ニューヨーク原油先物相場は続伸。米雇用統計で非農業部門雇用 者数が予想を上回る伸びを示したため、燃料需要が高まるとの見方か ら買いが入った。一方、北海ブレント原油は北海パイプラインの油送 量増加を背景に年初来安値に沈んだ。

ニューヨーク原油は週間で1カ月ぶりの大幅高。米失業率は2月 に7.7%と5年ぶりの水準に低下した。アブダビ国営エネルギー会社 (TAQA)関係者は電話取材に対し、ブレント・パイプライン・シ ステムの油送量が日量8万バレルの目標に近づいていることを明らか にした。同パイプラインは2日に原油漏れが見つかって以降、5日連 続で閉鎖された。ドルが対ユーロで年初来高値に達したため、ニュー ヨーク原油は下げる場面もあった。未決済約定残高は前日、5日連続 で過去最高を記録した。

エネルギーヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨー ク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話インタビューで、「雇 用統計は経済全体と燃料需要にとって良い兆候だ」と指摘した。その 上で「ドルの上昇は原油などのドル建て商品の上値を抑えるだろう」 とも述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比39セント(0.43%)高の1バレル=91.95ドルで終了。週間で は1.4%高と、2月1日終了週以来の大幅高となった。

原題:WTI Oil Rises to Cap Biggest Weekly Gain in a Month on U.S. Jobs(抜粋)

◎欧州株:4年半ぶり高値-予想上回る米雇用統計を好感

8日の欧州株式相場は上昇し、4年半ぶりの高値を付けた。2月 の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回る伸びとなり、失業 率が2008年以来の水準まで低下したことが手掛かり。中国の2月の 輸出増加も買い材料。

オランダの地質学データ会社、フグロは4年ぶり大幅高。通期利 益がアナリスト予想を上回った。2012年に黒字転換したフランスの メディア企業ラガルデールは2011年7月以来の高値を付けた。一方、 スイスの特殊化学品メーカー、クラリアントは2.4%安。野村ホール ディングスが同銘柄の投資判断を引き下げた。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%高の295.55で終了。 終値ベースとしては2008年6月以来の高値となった。前週末比では

2.3%高と、今年の第1週以降で最も上げた。

ストアブランド・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、 エスペン・ファーネス氏(オスロ在勤)は「雇用者数が予想を大きく 上回った。米国の基本的な成長が力強いことを示唆している」とし、 「これが良い支えとなって株式相場が上昇し、2013年以降の見通し で楽観を高める」と語った。

米労働省の発表によると、2月の非農業部門雇用者数(事業所調 査、季節調整済み)は前月比23万6000人増。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミストの予想中央値は16万5000人増だっ た。家計調査に基づく失業率は7.7%に低下した。これは08年12 月以来で最低。

中国の税関総署の発表によれば、同国の2月の輸出は前年同月 比21.8%増。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想中央値 では8.1%増が見込まれていた。

この日の西欧市場ではアイルランドを除く17カ国で主要株価指 数が上昇した。英FTSE100指数は0.7%上げ、5年ぶり高水準に 達した。

原題:European Stocks Climb to 4 1/2-Year High as U.S. Payrolls Gain(抜粋)

◎欧州債:スペイン債は上昇、鉱工業統計に反応-英独債は軟調

8日の欧州債市場ではスペイン国債が上昇し、10年債利回りは 約2年ぶり低水準となった。同国の鉱工業生産が予想ほど落ち込まず、 欧州経済が安定化しつつある兆候が増えた。

スペイン5年債利回りは2010年11月以来の低水準に達した。 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は7日、ユーロ圏経済は年内 に安定するとの認識を示した。ドイツ国債は5日続落。この日発表 された米雇用統計で、非農業部門雇用者数がエコノミスト予想を上 回る伸びとなり、安全資産需要が後退した。ポルトガル10年債は 週間ベースで2カ月ぶりの大幅高。同国の格付け見通し(アウトル ック)引き上げをスタンダード・アンド・プアーズが7日発表した。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)の金利ストラテジ スト、ノーバート・アウル氏は「総じて低金利の環境が続けば、投 資家は高利回り資産を求めるだろう」と発言した。

ロンドン時間午後4時34分現在、スペイン10年債利回りは 前日比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

4.76%。これは2010年11月23日以来の低水準。同国債(表面 利率5.4%、2023年1月償還)価格は1.06上げ104.955。5 年債利回りは13bp低下し3.44%。10年11月4日以降の最低 となる3.42%まで下げる場面もあった。

スペイン統計局が発表した1月の鉱工業生産は前年同月比5% 減少。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は6%減 だった。昨年12月は7.1%減に改定された。

ドイツ10年債利回りは3bp上げ1.52%。一時は1.54% と、先月25日以来の高水準を付けた。今週は11bp上昇。ポルト ガル10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの5.93%。前週末比で は45bp下げ、1月4日終了週以降で最大の低下となった。

英国債相場も下落。比較的安全とされる同国債を求める動きが 後退した。10年債利回りは前日比5bp上昇の2.06%。同国債 (表面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.43下げて

97.32。

原題:Spanish Bonds Advance as Production Adds to Optimism; Bunds Drop (抜粋) Pound Slides to Lowest Since 2010 Versus Dollar on U.S. Payrolls(抜粋)

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