米国債:5日続落、10年債は11カ月ぶり高利回り-雇用増で

8日の米国債相場は5日続落。10年 債利回りは一時、11カ月ぶり高水準に上昇した。朝方発表された2月の 米雇用統計で予想以上に雇用が増加し、失業率も低下したことから、金 融当局が実施している緩和策が効果を発揮し景気が回復しつつあるとの 見方が広がった。

10年債利回りは週間ベースで約1年ぶりの大幅上昇。2月の失業率 は7.7%と4年ぶり低水準となった。バーナンキ連邦準備制度理事会 (FRB)議長は先週、1月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明で 示した「状況が改善するまで米財務省証券と住宅ローン担保証券の購入 を継続する」との見解をあらためて示した。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「景気回復とい う意味において、刺激策の費用に見合った効果が表れているのかは分か らないが、明らかに改善はしている」と述べ、「今週のように、緩和策 解除を考えさせられる材料が発表された週はなかった」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の2.04%。同年債(表面利率2%、2023年2月償 還)価格は13/32下げて99 20/32。30年債利回りは4bp上昇し て3.24%。

ネットロングの減少

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファ ンドなど大口投資家の間では10年債先物のネットロングポジションが5 日終了週に減少した。

シカゴ商品取引所(CBOT)ではネットロングが7万6818枚。 CFTCのリポートによると前週比では3万9090枚減少と、12月21日以 来で最大の減少幅だった。

バークレイズのグローバル・インフレ連動調査責任者、マイケル・ ポンド氏は、利回り上昇が「まずまずの買いの好機をもたらしている」 と述べ、「確実に景気が回復している兆候はあるが、個人消費は景気を 押し下げるとみている。利回りが上昇しているのはやや行き過ぎている と考えている」と続けた。

米労働省が8日に発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比23万6000人増。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は16万5000人増 だった。家計調査に基づく失業率は7.7%に低下した。

米金融当局は景気てこ入れと失業率の押し下げを図るため、米国債 と住宅ローン担保証券(MBS)を合計で毎月850億ドル購入してい る。

グロース氏の見解

バーナンキ議長は先週の議会証言で、借り入れコスト低下と成長促 進による効果がマイナス面の影響を上回るとして債券購入を擁護した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、2月の米雇 用者の伸びが市場予想を上回ったものの、これによって金融当局が現行 の緩和措置を変更することはないとの見解を示した。

グロース氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「FRB のバーナンキ議長やイエレン副議長、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁 の三銃士は、たとえ失業率が6.5%に低下しても、状況を見極めるとい う意向を明確に示している」と発言。「彼らは労働の参加率や規模を見 るだろうし、生産性も見るだろう、これらを組み合わせて判断するだろ う」と述べた。

原題:Treasuries Drop as Gain in Jobs Signals Fed’s Efforts Paying Off(抜粋)

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