NY外為:ドル上昇、96円台-米雇用の伸び予想上回る

ニューヨーク外国為替市場ではドル が対円で2009年以来の高値に上昇した。2月の米雇用者数が予想を上回 る伸びとなったことを背景に、増税や政府の歳出削減にもかかわらず、 米経済が底堅く推移しているとの楽観が強まった。

ドルは主要通貨の大半に対して値上がりし、対ユーロでも堅調な展 開。雇用統計によると、失業率は7.7%と4年ぶりの低水準となった。 一方、ユーロ圏の1月の失業率は過去最悪の11.9%となっている。円は 主要16通貨すべてに対して下落。1月の日本の経常収支は3カ月連続の 赤字となった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリス ト、オマー・エシナー氏(ワシントン在住)は電話インタビューで、 「広範な回復が進んでいることを示唆する経済指標が増えている」と指 摘。「米国の回復が勢いを増している一方、他の主要国は景気停滞、多 くは景気後退の状態にとどまっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比1.2%高の1 ドル=96円ちょうど。09年8月12日以来の高値水準に達した。ドルは対 ユーロで0.8%高の1ユーロ=1.3005ドル。ユーロは対円で0.5%高の1 ユーロ=124円86銭。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.8%上げて82.712と、昨年8月以来の高水準に達した。

「ドルは成長通貨」

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比23万6000人増。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は16万5000人増だっ た。前月は11万9000人増と、速報値の15万7000人増から3万8000人下方 修正された。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「株価が かなり堅調でリスク志向が強まる中で、ドルは底堅さを維持している」 と指摘。「これは極めて重要な相関関係のシフトを示している可能性が あり、そのためドルは成長通貨の一つになっている」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が先月公表した連邦公開市場委員 会(FOMC、1月29-30日開催)の議事録によれば、毎月850億ドル という資産購入のペース変更、停止あるいは継続について参加者の見解 が分かれ、雇用市場が「大幅」に改善するまで資産購入を続けるという バーナンキFRB議長主導の政策をめぐり当局者の間で意見が割れたこ とが示された。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、2月の米雇 用者の伸びが市場予想を上回ったものの、これによって金融当局が現行 の緩和措置を変更することはないとの見解を示した。

円の方向性

円は対ドルで週間ベースでは2週連続の下落。日本の1月の国際収 支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経 常収支は3648億円の赤字となった。

テクニカル指標では、円の下げが反転する可能性を示している。対 ドルでの円相場の相対力指数(RSI、期間14日)はこの日30を下回 り、円安進行が急速だったことを示唆した。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏 (ニューヨーク在勤)は「円安はほとんどが過去の話だ」と指摘。「次 は日本銀行がこの先実際に高いインフレ率を達成できるのかどうかを見 ることになる。それはやや難しい可能性があると当社では考えている」 と述べた。

原題:Dollar Hits 2009 High Versus Yen as U.S. Jobs Gain Tops Forecast(抜粋)

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