円が対ドルで3年半ぶり安値、95円前半-米雇用増加期待で

東京外国為替市場では、円が対ドル で1ドル=95円前半へ下落し、約3年半ぶりの安値を更新した。海外時 間に米雇用統計の発表を控えて、米景気の回復期待から円売り・ドル買 い優勢の流れが続いた。

円は対ドルで一時95円45銭と、2009年8月14日以来の安値まで下 落。株価の上昇を背景にリスク選好に伴う円売りが優勢で、円は主要通 貨全てに対して下落した。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 これまでは日本銀行の金融緩和期待など「日本発の円売り」だったが、 「今週は米経済指標が良好でドル金利が上昇、それによるリスクオンも 加わり、ドル・円の上昇が実需の円売りやレパトリ(自国への資金回 帰)を吸収した形になっている」と説明。米雇用統計が良好な内容とな れば米国の金融緩和の出口が意識され、「日米金利差拡大でドル高・円 安がさらに進む」とみている。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=124円99銭を付け、2月25日以来 の円安値を更新。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が金融緩和につ いて踏み込んだ発言をせず、ユーロ買い・円売りが活発となった海外市 場の流れが続いた。

IG証券のマーケットアナリスト、石川順一氏は、「今までユーロ の上値を抑えていた二つの要因、景気後退リスクと政治リスクがドラギ 発言によって一時的に後退した」とし、「欧州リスクの後退と米国のフ ァンダメンタルズ改善への期待がさらに加速することで、円売り圧力が 強まる可能性がある」と話した。

一方、ユーロ・ドルは海外時間に1週間ぶりの水準となる1ユーロ =1.3119ドルまでユーロ買い・ドル売りが進んだが、この日の東京市場 では1.30ドル後半へドルが強含んだ。

米雇用統計

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 8日発表の2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比16万5000人 増加が見込まれている。1月は15万7000人増だった。失業率は7.9%と 前月から横ばいの見通しとなっている。

ウエストパック銀のシニア通貨ストラテジスト、ショーン・キャロ ー氏(シドニー在勤)は、「米国経済のモメンタムが大きくなればなる ほど、米国の量的緩和の縮小は早まり、米債利回りは上昇する」とし、 「ドル・円は今のところ、ドルの強気派が好むツールだ」と話した。

米景気の回復期待を背景に7日の米株式相場は続伸。ダウ工業株30 種平均は3日続けて過去最高値を更新した。また、米国債は4日続落 し、10年債利回りは1カ月ぶりの大幅上昇となった。

8日の東京株式相場も大幅続伸。日経平均株価は7連騰となり、リ ーマンショック直前の水準を約4年半ぶりに上回った。

クレディ・アグリコル銀の斎藤氏は、「株がリーマンショック前の 水準に戻したことで、為替もリーマン前の高値と11年の安値の61.8%戻 しの97円前半が意識される」と語った。

--取材協力:大塚美佳、Mariko Ishikawa. Editors: 青木 勝, 山中英 典

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