FRBストレステスト:18行中17行は最低限の自己資本上回る

米連邦準備制度理事会(FRB)が 7日発表したストレステスト(健全性審査)の結果によると、米大手 銀18行のうち17行は深刻なリセッション(景気後退)に耐えられ、規制 当局が定める自己資本の最低水準を維持できることが示された。

中核的自己資本(Tier1)比率が最低限度の5%を割り込むと されたのは、公的支援を受けているアライ・ファイナンシャルのみだっ た。モルガン・スタンレーのTier1は最低で5.7%、ゴールドマ ン・サックス・グループは5.8%だった。

FRBは発表資料で、「米国の大手銀行持ち株会社は極めて厳しく 想定された経済シナリオを乗り切る能力を向上し続けており、全体とし て資本基盤は金融危機前よりも大幅に改善している」と説明した。

2008-09年の金融危機以降、米当局は公的資金による救済を再び余 儀なくされる事態を最小限に抑えるため、銀行に利益の一部留保や損失 への備えの拡充を命じてきた。米景気拡大は4年目に入り、住宅市場の 回復や住宅ローン返済遅延の減少、過去最低水準の短期金利が各行への 追い風となっている。

損失合計額は43兆円

深刻なリセッションと失業率12.1%を想定したストレステストのシ ナリオでは、9四半期で18行合計の損失は4620億ドル(約43兆8000億 円)に達するとFRBは分析。18行のTier1比率は2012年7-9月 (第3四半期)実績の11.1%から14年10-12月(第4四半期)に は7.7%に低下するとした。18行の合計資産は米金融システム全体の 約70%を占める。

FRBは発表資料で、「各社に関する見通しは、今後そうなる公算 が大きいと解釈されるべきではなく、想定上の厳しい悪条件の下で起こ り得る結果と受け取るべきだ」と指摘。損失をもたらし得る最大の要因 は「融資ポートフォリオによるものと、世界市場の急激な変動が起きた 場合のトレーディング損失とカウンターパーティー(取引相手)関連損 失」だとした上で、18行に関して「予想される損失の約90%がこれら2 つの要因によるものだ」と説明した。

サンドラー・オニール・アンド・パートナーズのマネジングディレ クター、R・スコット・シーファーズ氏は「強化された資本基盤で今年 を迎え、信用サイクル上でさらに前進している」ため、不良債権化は減 少すると分析。「銀行の株主への利益還元は数年前よりも増えている が、内部留保は依然拡大している」と指摘した。

FRBは14日に各行の資本計画に重点においたストレステスト第2 弾の結果を公表する。同審査は配当や自社株買いの拡大が各行に及ぼし 得る影響を分析するもので、FRBは同日、株主還元拡大を認めるかど うかを各行に伝える。

原題:Fed Stress Tests Show 17 of 18 Banks Weathering Severe Slump (1)(抜粋)

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