3月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ上昇、ECB総裁発言で-円は対ドルで一時95円台

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで8週間ぶりの大幅高と なった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が今年のユーロ圏経済は 安定するとデータが示していると発言したため、ユーロ買いが膨らん だ。

円は対ドルで2009年8月以来の安値に下落した。この日は日本銀行 の白川方明総裁にとって最後の金融政策決定会合となり、同氏の後任は 緩和政策を拡大するとみられている。ユーロは対円で続伸。ECBの利 下げ見送りや、スペイン国債入札での借り入れコスト低下がユーロ買い を誘った。ドルは主要通貨の大部分に対して下落した。8日発表の2月 の雇用統計では雇用者増が予想されている。

シティグループのG10(主要10カ国)通貨戦略責任者を務めるステ ィーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビュー で、スペイン債利回りの低下について、「欧州情勢に対する信頼が若干 高まっていることを示している」と指摘。「ドラギECB総裁は記者会 見で質疑にうまく対応し、ユーロ押し上げにつながったようだ」と述べ た。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対して前日 比1.1%高の1ユーロ=1.3107ドル。一時は1.2%上昇し、1月10日以来 の大幅高となった。対円では1.9%高の1ユーロ=124円28銭。円は対ド ルで0.8%下げて1ドル=94円82銭。一時は95円台に下げ、2009年8 月18日以来の円安・ドル高水準を付けた。

財政と金融の両政策

バンク・オブ・ノバスコシアの為替戦略責任者、カミラ・サットン 氏(トロント在勤)は「日本では財政政策と金融政策の両方がともに経 済復活に取り組んでおり、それは円にとってマイナス材料だ」と話し た。

円は対ドルで続落。日銀の金融政策決定会合では、期限を定めない 長期国債の購入を求める声も上がったが、反対多数で否決された。白川 総裁は19日に退任する。

先週の米新規失業保険申請件数が6週間ぶりの低水準になったこと も、逃避需要の後退から円安につながった。

米労働省によると2日に終了した週の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は、前週比7000件減の34万件。1月19日に終了した週以来の 低水準だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は35万5000件への増加だった。

ブルームバーグ・ニュースの調査によると、8日発表の2月の雇用 統計で失業率は7.9%で横ばい、非農業部門雇用者数は16万5000人増が 予想されている。

「ユーロは1.33ドルに上振れも」

三菱東京UFJ銀行の為替調査部門で欧州責任者を務めるデレク・ ハルペニー氏は「短期的にユーロは対ドルで1.30ドルを上回る水準にと どまり、1.32ドルや1.33ドルに上振れすることも考えられる」と述べ た。

ECBは政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では61人中56人が据え置きを 予想していた。一方、5人は0.5%への利下げを予想していた。

ドラギ総裁は政策決定後のフランクフルトでの記者会見で、「世界 経済が強さを増すことや当中銀の緩和的な金融政策姿勢に支えら れ、2013年中にユーロ圏の経済活動は段階的に回復するだろう」と述べ た。ユーロ相場について、長期的な平均に沿っていると述べ、為替レー トは政策目標ではないとも語った。

スペイン入札

スペイン政府は国債入札を実施し、計50億3000万ユーロ(約6200億 円)相当を発行。目標上限の50億ユーロを上回った。平均落札利回り は10年債が4.917%(2月21日は5.202%)に低下した。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロは年初から1.8%上 昇。ドルは2.5%上昇、円は7.1%下落。

原題:Euro Up Most in 8 Weeks on Draghi Views; Yen Weakens to 2009 Low(抜粋)

◎米国株:続伸、ダウ平均3日連続の最高値更新-失業保険申請に反応

米株式相場は続伸し、ダウ工業株30種平均は3日続けて過去最高値 を更新した。新規失業保険申請件数が6週間ぶり低水準となり、労働市 場の一段の改善が示されたことが手掛かり。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)をはじめ金融株が高い。ボーイ ングも上昇した。光ファイバーネットワーク機器製造のシエナとJDS ユニフェーズは大幅高。シエナの決算では利益が予想を上回った。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の1544.26と、2007年10月31 日以来の高値。ダウ工業株30種平均は33.25ドル(0.2%)上げ て14329.49ドル。

キャボット・マネー・マネジメント(ボストン)の最高投資責任者 (CIO)、ロバート・ラッツ氏は「労働市場を下支えする要素が見ら れ、ようやく回復しつつある住宅や建設の分野が特に影響している」と し、「休眠状態にある経済分野の一部で多少健全さが戻り始めており、 量的緩和と低金利がようやく効果を示しつつあるといえる。もちろん、 株式市場もその効果を表している」と続けた。

米労働省によると2日に終了した週の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は、前週比7000件減の34万件。1月19日に終了した週以来の 低水準だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は35万5000件への増加だった。より変動の少ない4週移動平均 は5年ぶり低水準。8日発表される2月の雇用統計では非農業部門雇用 者数は16万5000人増が見込まれている。

貿易赤字

一方、米商務省が発表した1月の貿易収支統計によると、貿易赤字 (国際収支ベース、季節調整済み)は444億ドルと、前月の381億ドルか ら拡大した。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、ユーロ圏経済が年内に緩 やかに回復するとの見通しを堅持した。ECBはこの日、ユーロ圏の今 年の成長率を下方修正。14年のインフレ率見通しも下向きに修正した。

116年の歴史を持つダウ平均は前日も過去最高値を更新していた。 民間部門の雇用者数が市場予想を上回る伸びとなったほか、米連邦準備 制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック) で経済の成長が示されたことが手掛かり。

予想を上回る企業決算や量的緩和策を背景に、S&P500種は09年 に付けた12年ぶり安値から128%上昇している。

金融が高い

S&P500種の業種別10指数では金融株が0.7%高と最大の上げ。 KBW銀行指数は1.2%上昇し、10年5月以来の高水準となった。構成 する24銘柄中23銘柄が上げた。BOAは2.9%高の12.26ドル。

この日は経済成長と関連性の強い銘柄が買われ、素材やエネルギ ー、産業株が上げた。

シエナは17%高の17.53ドル。同社の第1四半期(12年11月-13年 1月)決算は1株当たりの純損益が12セントの黒字となった。アナリス ト予想の平均は14セントの赤字だった。同社と競合するJDSユニフェ ーズは7.6%上げて15.23ドル。

原題:Dow Average Rises to Another Record as Jobless Claims Decline(抜粋)

◎米国債:4日続落、失業保険申請が予想外に減少-雇用統計控え慎重

7日の米国債相場は4日続落。1月以来で最長の連続安となった。 朝方発表された新規失業保険申請件数が予想外に減少し6週間ぶり低水 準となったことを受けて、米国債よりも利回りの高い資産への投資意欲 が高まった。

10年債利回りは1カ月ぶりの大幅上昇。8日発表される米雇用統計 では16万5000人の雇用増が見込まれている。先月は15万7000人増加し た。財務省は来週、660億ドル相当の国債入札を実施する。

ナビゲート・アドバイザーズ(コネティカット州スタンフォード) のマネジングディレクター、トーマス・ディガロマ氏は「雇用統計が労 働市場の明確な力強さを示すと投資家はみている」と話し、「来週は入 札もある。こうした要素すべてが国債市場に売り圧力をかけている」と 続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2%と、日中取引としては2月5日以来で最大の上 げ。水準は2月25日以来の最高だった。同年債(表面利率2%、2023年 2月償還)価格は17/32下げて100 1/32。30年債利回りは5bp上げ て3.2%と、2月21日以来で最高だった。

新規失業保険申請件数

米労働省によると2日に終了した週の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は、前週比7000件減の34万件。1月19日に終了した週以来の 低水準だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は35万5000件への増加だった。この統計発表後、米国債は下落 した。

この日もダウ工業株30種平均は最高値を更新した。キャンター・フ ィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エドモンズ氏(ニューヨ ーク在勤)は「株式相場が堅調な時に国債の利回りを低水準で抑えるこ とは難しい」と述べ、「8日の雇用統計で米国債の下落基調が決定的に なるのか、あるいは違うトレンドが見られるようになるのかはっきりす るだろう」と指摘した。

米金融当局が量的緩和の一環として継続している債券購入の影響 で10年債利回りは5年平均の2.86%を下回っている。バーナンキ連邦準 備制度理事会(FRB)議長は先週の議会証言で、借り入れコスト低下と 成長促進による効果がマイナス面の影響を上回るとして債券購入を擁護 した。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2019年2月から2020年2月 の米国債を36億8000万ドル買い入れた。米金融当局は景気てこ入れと失 業率の押し下げを図るため、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を 合計で毎月850億ドル購入している。

来週の入札予定

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債のリターンは年初から前日までに0.6%のマイナス。ブルー ムバーグがまとめたアナリスト予想平均によると、10年債利回りは年末 までに2.29%へ上昇する。

財務省の発表によると12日には3年債(320億ドル)、13日に10年 債(210億ドル)、14日には30年債(130億ドル)の入札が実施される。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の出来高は2950億ドル。過去1年間の平均は2470億ドルとなってい る。

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は60.5bpと、2月13 日以来の高水準に上げた。過去1年間の平均値は66.4bp。

財務省が前日発表したデータによると、ストリップ債(米国債の元 本をクーポンから切り離したゼロクーポン債)の発行残高は2月に67億 ドル増と、月間ベースでは2010年9月以来の大幅な増加だった。残高 は2010億ドルと、2011年8月以来の高水準。米金融当局が緩和策を継続 してもインフレは低水準を維持するとの見方が背景にある。

原題:Treasuries Fall a Fourth Day as Jobless Claims Unexpectedly Drop(抜粋)

◎NY金は小幅高、ECB緩和継続の見通し

ドルが対ユーロで下落したことも、代替投資の金買いにつながっ た。ECBのドラギ総裁は金融政策が必要な限り緩和的にとどまると述 べた。

金先物4月限は前日比20セント高の1オンス=1575.10ドルで終 了。

◎NY原油:反発、失業保険統計受け景気に楽観

ドルが対ユーロで下落したこともドル建て資産の買いにつながっ た。8日発表の雇用統計では雇用者数の増加が予想されている。原油先 物4月限は前日比1.13ドル(1.25%)高の1バレル=91.56ドルで終 了。

◎欧州株:買い優勢、アグレコとカルフール高い-米景気見通しで

7日の欧州株式相場は買い優勢。米金融当局が米経済は拡大してい るとの見解を示したことが手掛かり。欧州中央銀行(ECB)とイング ランド銀行(英中銀)はいずれも政策金利を据え置いた。

英レンタル発電機のアグレコは約4年ぶりの大幅高。利益増加と増 配発表が買い材料。フランスの小売り大手、カルフールは1年7カ月ぶ り高値を付けた。利益が予想ほど減少しなかった。一方、減配を発表し た英保険会社アビバは2009年以来の大幅な下げとなった。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%安の293.19で終了。騰落比率 は5対4。5日には2008年6月以来の高値を付けた。世界の主要中銀が 刺激策を継続するとの楽観が高まったことが背景にある。同指数は年初 来では4.8%上げている。

チャールズ・スタンレー・グループ(ロンドン)の調査責任者、ジ ェレミー・バットストーンカー氏は電話インタビューで、「米経済成長 の土台がしっかりしてきたようだと投資家らは楽観している」と発言。 「中銀からの流動性供給が続いており、根拠無き熱狂が引き続き市場を 支配している」と付け加えた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は6日公表した地区連銀経済報告 (ベージュブック)で、住宅や自動車の需要が高まる中、経済はほぼ全 国的に緩やかないし、まずまずのペースで拡大したとの認識を示した。

この日の西欧市場では18カ国中13カ国で主要株価指数が上昇した。

原題:Most Stocks in Europe Advance on Fed Outlook for U.S. Economy(抜粋)

◎欧州債:スペイン10年債が7日続伸-入札とECB総裁発言で

7日の欧州債市場では、スペイン10年債が7営業日続伸。こ の日の国債入札で同国の借り入れコストが前回に比べ下がったほか、 ユーロ圏経済の安定化をデータが示唆していると欧州中央銀行(E CB)のドラギ総裁が述べたことが手掛かり。

スペイン入札での発行額は目標を上回り、既発の10年債利回 りは約1年ぶり低水準に近づいた。ドラギ総裁の発言を受けて安全 資産需要は減退し、ドイツを中心にいわゆる中核国の国債が売られ た。ポルトガル5年債の利回りは約2年ぶり低水準。同国の格付け 見通し(アウトルック)をスタンダード・アンド・プアーズ(S& P)が引き上げた。

ラボバンク・インターナショナルの債券ストラテジスト、リ ン・グレアムテーラー氏(ロンドン在勤)は「緩和的な姿勢を維持 しつつも、ドラギ総裁の論調は全体的にかなり前向きだった。市場 はこれに反応している」と語った。

ロンドン時間午後4時44分現在、スペイン10年債利回りは 前日比11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

4.90%。1月11日には4.84%と、2012年3月1日以来の低水 準を付けた。同国債(表面利率5.4%、2023年1月償還)価格は この日、0.865上げ103.875。

ドラギ総裁は金融政策発表後の記者会見で、ユーロ圏の経済活 動は年内に「段階的に回復するだろう」と言明。インフレリスクに ついてはおおむね均衡しているとの認識を示した。ECBはこの日、 政策金利を過去最低の0.75%で据え置いた。

ドイツ10年債利回りは4bp上昇し1.49%。先月26日以 来の高水準となる1.51%に達する場面もあった。2年債利回りは 5bp上げて0.085%。

ポルトガル5年債利回りは15bp低下の4.68%。2010年 12月以来の低水準となる4.65%まで下げる場面もあった。10年 債利回りは22bp低下の5.93%と、1月24日以来の低さ。

英国債

英国債相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)はこの日 の金融政策委員会(MPC)で、量的緩和策である資産買い取りプ ログラムの規模を3750億ポンドで維持した。

ブルームバーグがエコノミスト39人を対象に実施した調査で は、10人が250億-500億ポンドの拡大を見込んでいた。MPC は政策金利を過去最低の0.5%に据え置いた。

英10年債利回りは前日比6bp上昇の2.02%。同国債(表 面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.53下げ97.71と なった。

原題:Spanish Bonds Rise for Seventh Day After Debt Sale; Bunds Drop(抜粋) 原題:Pound Rises Versus Dollar as BOE Refrains From Boosting Stimulus(抜粋)

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