ドラギ総裁:緩やかな回復見通し堅持-ECBは予想下方修正

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は、ユーロ圏経済が年内に緩やかに回復するとの見通しを堅持した。 ただ、ECBは成長率予想を下方修正し、政策委員らは利下げについて 検討した。

ドラギ総裁は7日、政策決定後のフランクフルトでの記者会見で、 「世界経済が強さを増すことや当中銀の緩和的な金融政策姿勢に支えら れ、2013年中にユーロ圏の経済活動は段階的に回復するだろう」と語っ た。ECBはこの日、政策金利を過去最低の0.75%で据え置いた。利下 げの是非も話し合われたが、「総体としての合意は金利据え置きとなっ た」とドラギ総裁は述べた。

2月に実施されたイタリアの総選挙は、半数以上が歳出削減・経済 改革の政策を拒否した結果になり、ユーロ圏のソブリン債危機解決とリ セッション(景気後退)脱却が難航するとの懸念を再燃させた。

ECBはこの日、ユーロ圏の今年の成長率をマイナス0.5%と予 想。3カ月前に予測したマイナス0.3%から下方修正した。来年につい てもプラス1%と、従来予想のプラス1.2%から引き下げた。14年のイ ンフレ率見通しは1.3%とし、前回予想の1.4%から下方修正した。 ECBは2%弱のインフレ率を政策の目安としている。

ドラギ総裁は、景気見通しに対するリスクは下方向、インフレ見通 しへのリスクは引き続き「おおむね均衡」とのECBの認識をあらため て明らかにした。

利下げのハードル高い

コメルツ銀行の債券戦略責任者、クリストフ・リーガー氏は 「ECBは成長率について、今やどの機関よりも低い数字を予想してい る。また、2014年のインフレ率予想を引き下げた。にもかかわらず利下 げを見送ったということは、利下げのハードルは広く考えられているよ りも高いということだ」と述べた。

ドラギ総裁の発言を受けてユーロは上昇し、フランクフルト時間午 後4時現在は1ユーロ=1.3096ドル。会見開始前は1.3020ドルだった。 ECBがこの日公表した最新の経済見通しは、今年と来年の為替相場と して1ユーロ=1.35ドルを前提としている。

ドラギ総裁は会見冒頭の発言で、ユーロ上昇がインフレ低下のリス クをもたらすとした前回会見での言い回しは繰り返さなかった。質疑応 答時には、ユーロ相場は長期的な平均から外れていないと述べた。

イタリアの総選挙後の政局混迷が各国の国債利回り上昇につながっ たことについては、「市場はわれわれが民主主義の時代に生きているこ とを知っている」と述べた上で、全体としてユーロ圏への信頼は戻りつ つあると指摘。「市場分断化は悪化してはいない。実際、無くなりつつ あり改善している」とし、回復の道筋は「おおむね変わっていない」と 述べた。

ノルデア銀行のエコノミスト、アンダース・スベンセン氏(コペン ハーゲン在勤)は「ドラギ総裁は引き続きハト派的だ」が、「ECBに 利下げを実施させるには一段の弱さが必要だ」と述べた。

原題:Draghi Keeps Faith in Gradual Recovery as ECB Cuts Forecasts (3)(抜粋)

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