ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが対ドルで8週間ぶりの大幅高となった。欧州中央銀行(ECB)の ドラギ総裁が今年のユーロ圏経済は安定するとデータが示していると発 言したため、ユーロ買いが膨らんだ。

円は対ドルで2009年8月以来の安値に下落した。この日は日本銀行 の白川方明総裁にとって最後の金融政策決定会合となり、同氏の後任は 緩和政策を拡大するとみられている。ユーロは対円で続伸。ECBの利 下げ見送りや、スペイン国債入札での借り入れコスト低下がユーロ買い を誘った。ドルは主要通貨の大部分に対して下落した。8日発表の2月 の雇用統計では雇用者増が予想されている。

シティグループのG10(主要10カ国)通貨戦略責任者を務めるステ ィーブン・イングランダー氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビュー で、スペイン債利回りの低下について、「欧州情勢に対する信頼が若干 高まっていることを示している」と指摘。「ドラギECB総裁は記者会 見で質疑にうまく対応し、ユーロ押し上げにつながったようだ」と述べ た。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロはドルに対して前日 比1.1%高の1ユーロ=1.3107ドル。一時は1.2%上昇し、1月10日以来 の大幅高となった。対円では1.9%高の1ユーロ=124円28銭。円は対ド ルで0.8%下げて1ドル=94円82銭。一時は95円台に下げ、2009年8 月18日以来の円安・ドル高水準を付けた。

財政と金融の両政策

バンク・オブ・ノバスコシアの為替戦略責任者、カミラ・サットン 氏(トロント在勤)は「日本では財政政策と金融政策の両方がともに経 済復活に取り組んでおり、それは円にとってマイナス材料だ」と話し た。

円は対ドルで続落。日銀の金融政策決定会合では、期限を定めない 長期国債の購入を求める声も上がったが、反対多数で否決された。白川 総裁は19日に退任する。

先週の米新規失業保険申請件数が6週間ぶりの低水準になったこと も、逃避需要の後退から円安につながった。

米労働省によると2日に終了した週の新規失業保険申請件数(季節 調整済み)は、前週比7000件減の34万件。1月19日に終了した週以来の 低水準だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中央値は35万5000件への増加だった。

ブルームバーグ・ニュースの調査によると、8日発表の2月の雇用 統計で失業率は7.9%で横ばい、非農業部門雇用者数は16万5000人増が 予想されている。

「ユーロは1.33ドルに上振れも」

三菱東京UFJ銀行の為替調査部門で欧州責任者を務めるデレク・ ハルペニー氏は「短期的にユーロは対ドルで1.30ドルを上回る水準にと どまり、1.32ドルや1.33ドルに上振れすることも考えられる」と述べ た。

ECBは政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では61人中56人が据え置きを 予想していた。一方、5人は0.5%への利下げを予想していた。

ドラギ総裁は政策決定後のフランクフルトでの記者会見で、「世界 経済が強さを増すことや当中銀の緩和的な金融政策姿勢に支えら れ、2013年中にユーロ圏の経済活動は段階的に回復するだろう」と述べ た。ユーロ相場について、長期的な平均に沿っていると述べ、為替レー トは政策目標ではないとも語った。

スペイン入札

スペイン政府は国債入札を実施し、計50億3000万ユーロ(約6200億 円)相当を発行。目標上限の50億ユーロを上回った。平均落札利回り は10年債が4.917%(2月21日は5.202%)に低下した。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、ユーロは年初から1.8%上 昇。ドルは2.5%上昇、円は7.1%下落。

原題:Euro Up Most in 8 Weeks on Draghi Views; Yen Weakens to 2009 Low(抜粋)

--取材協力:Taylor Tepper、Anchalee Worrachate、David Goodman.

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