ドル・円が94円前後、米雇用期待支え-ユーロは12月来安値付近

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=94円前後で推移した。米国の雇用改善期待がドルを支える 一方、欧米の注目イベントを前に、積極的にドルを買い上げる動きは限 られた。

午後4時25分現在のドル・円相場は93円90銭前後。朝方には一時6 日の海外市場で付けた先月25日以来のドル高値(94円12銭)に並ぶ場面 が見られた。一方、日本銀行が金融政策の現状維持を発表した正午すぎ には円買いがやや強まり、一時93円79銭まで円が強含んだが、その動き も続かず、午後は93円後半でもみ合う展開となった。

新生銀行市場営業本部の政井貴子部長は、「週末に米雇用統計もあ るし、東京時間は時節柄円転が出やすいのではないか」と言い、「何も 手掛かりがないのに上がるわけにもいかないので、ドル・円の上昇は一 服」と説明。その上で、米雇用統計への期待値は「間違いなく上がって いる」とし、期待に見合う内容となれば、ドル・円はもう一度上値を試 す可能性があるとの見方を示した。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.29ドル後半で推移。前日の米国市 場終盤に昨年12月11日以来のユーロ安・ドル高水準の1.2965ドルを付け た後、ユーロは下げ渋る展開となったが、海外時間に欧州中央銀行 (ECB)の定例理事会を控えて、戻りは1.3008ドルまでとなった。ユ ーロ・円相場は1ユーロ=122円ちょうどを中心に一進一退の展開が続 いた。

政井氏は「一応ECBでは何もないと思うが、このところのCPI (消費者物価指数)の落ち込み具合などをみていると、何となくハト派 な感じが出るだろうということで、ユーロ・ドルは1.3ドルに戻れな い」と語った。

米雇用統計に期待

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 8日発表の2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比16万3000人 の増加が見込まれている。6日に発表された2月の米民間部門の雇用者 は前月比19万8000人増加と予想を上回る伸びとなった。

民間雇用の伸びを受けて、6日の米国債相場は3日続落(利回りは 上昇)。米株式相場は続伸し、ダウ工業株30種平均は2日連続で過去最 高値を更新した。

また、7日の東京株式相場も続伸し、TOPIX、日経平均株価と もにリーマンショック後の高値を連日で更新した。

みずほコーポレート銀行国際為替部の唐鎌大輔マーケット・エコノ ミストは、ドル高について「最近は際立つファンダメンタルズ(経済の 基礎的諸条件)格差という感じだ」とし、「特にユーロ・ドルなどで見 るとあまりにも格差が出ている」と話した。

ECB会合

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、ECBは 7日の定例政策委員会で、政策金利を過去最低の0.75%に据え置く可能 性が高い。ただ、61人中5人は0.50%への引き下げを予想している。政 策金利の発表はフランクフルト時間午後1時45分(日本時間同9時45 分)。ドラギ総裁がその45分後に記者会見に臨む。ECBは同日、最新 の経済見通しも明らかにする。

一方、日銀は7日開いた金融政策決定会合で、現状維持を決定し た。白井さゆり審議委員が資産買い入れ等基金の長期国債の購入につい て「期限を定めない買い入れ方式」を速やかに導入し、「金融調節上の 必要から行う国債買い入れ(輪番オペ)」と統合する議案を提出した が、1対8の反対多数で否決された。今回の会合は白川方明総裁の下で の最後の会合となる。

唐鎌氏は、ECBについて、経済見通しが焦点で、それによって ECBの「次の一手の思惑がどう変わるだ」と指摘。一方、「日本側は 次の黒田体制でのデビュー戦まではあまり材料がない」とし、ドル・円 については、週末の米雇用統計で良い数字が出れば、先月25日に付け た2010年5月以来のドル高値(94円77銭)を目指すチャンスになると話 した。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 山中英典

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