日本株連日高値、日米景気期待-一時08年来の1万2000円場面

東京株式相場は続伸し、 TOPIX、日経平均株価がともにリーマン・ショック後の高値を連日 で更新。米国経済の改善期待に加え、企業の賃金引き上げに広がりがみ られるなど国内景気の回復機運も広がり、ゴム製品や化学といった輸出 関連株の一角、鉱業や医薬品、食料品株なども買われた。

TOPIXは前日比1.13ポイント(0.1%)高の1004.35と、08年10 月3日以来の高値で終了。日経平均株価の終値は35円81銭(0.3%)高 の1万1968円8銭で、一時は1万2069円と日中ベースでは08年9月29日 以来、1万2000円を回復した。

しんきんアセットマネジメント投信運用部の藤本洋主任ファンドマ ネジャーは、「アベノミクスによるデフレ脱却のイメージだけで、実体 経済の改善を先取りして株価は上げてきている」と指摘。政治の要請に 応え、業績回復の顕在化を待たずに企業が賃上げに動き始める危うさも あるが、「期待が剥落する雰囲気もないため、目先強い相場が続きそ う」とみている。

6日の米国では、給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・イン スティテュートが発表した調査で、2月の米民間部門の雇用者は前月比 で19万8000人増えた。エコノミストの予想中央値は17万人の増加。ま た、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベ ージュブック)によると、住宅や自動車の需要が高まる中、経済はほぼ 全国的に緩やかないし、まずまずのペースで拡大した。

米景気が着実に上向いているとの見方を背景に同日の米国株は、ダ ウ工業株30種平均が0.3%高の14296.24ドルと前日記録した過去最高値 を再び更新した。

タイヤ株の上げ目立つ

東証1部33業種は19業種が上げ、米景気回復に伴う需要増が期待さ れる格好でゴム製品、化学、精密機器などが上昇率上位に入った。自動 車を含む輸送用機器も堅調。上昇率トップのゴムでは、ブリヂストンや 住友ゴム工業、横浜ゴムなど大手タイヤ株が52週高値を更新。新興国需 要を背景に、タイヤ大手3社の今12月期の好業績観測が7日付の日本経 済新聞朝刊で報じられた。

このほか売買代金上位ではマツダやホンダ、信越化学工業、任天 堂、NECが上昇。業種では鉱業やその他製品、繊維製品、医薬品、食 料品、サービス、卸売も高い。

国内雇用環境の改善観測も、日本株のプラス要因だった。日産自動 車が13年春の労使交渉で労働組合の一時金要求に対し満額回答する方針 を固めたほか、ファミリーマートが組合員約2700人を対象に、13年度の 年収を平均で2.2%引き上げるなどと7日付日経新聞朝刊は伝えた。

東洋証券投資情報部の檜和田浩昭シニアストラテジストは、「先進 国での金融緩和長期化観測で有り余った資金が、これまで出遅れていた 日本株に向かっている」と言う。さらに、国内の個人消費については 「株高による資産効果に加え、賃上げに前向きな企業が出てくるなど、 今後の持ち直しを期待できる状況になってきた」と話していた。

TOPIX一時マイナスに

ただTOPIX、日経平均とも朝方にきょうの高値を付けた後は伸 び悩み。白川方明総裁にとっては任期最後となる日本銀行の金融政策決 定会合で現状政策の据え置きを決定後、為替市場で円がやや強含んだ午 後にTOPIXはマイナスに転じる場面もあった。あす8日に株価指数 先物・オプション3月限の特別清算値(SQ)算出を控え、心理的な節 目の1万2000円が意識される中、午後は持ち高整理を交えやや神経質な 展開となった。

業種別では、直近の上げが目立っていた銀行、倉庫・運輸、保険の ほか、建設、ガラス・土石製品、鉄鋼など14業種が下落。売買代金上位 ではソフトバンク、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フ ィナンシャルグループ、ファーストリテイリング、シャープ、コマツが 安い。しんきんアセットの藤本氏は、「日経平均が節目の1万2000円ま で戻したことで、達成感から、とまず直近で上がっていた業種、銘柄を 中心に利食い売りが出た」としていた。

東証1部の売買高は概算で31億9077万株、売買代金は2兆1705億 円。騰落銘柄数は上昇765、下落817だった。

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