リーマン元トレーダーは説く、明日がなくなる賭けはするな

スタンフォード大学の経営修士号を 得てウォール街のトレーダーとして7桁の報酬を稼いでいた男が、なぜ 野球の統計に凝っているのか。

ジョー・ペタ氏はニューヨークで事故に遭い、救急車で病院に担ぎ 込まれた。折れた足の骨を12本のねじくぎと金属板でつなぎ車いすの上 で身も心も弱っていた同氏は、あまり日を置かず解雇され、子供時代に 夢中だった趣味に回帰した。野球だ。

同氏の新著「トレーディング・ベース(Trading Bases)」は面白 い。マイケル・ルイス氏の「マネーボール」にも似ている。前者は元株 式トレーダーが統計マニアになって書いた野球本で、後者は統計学的手 法で分析して野球選手をトレードする話。

ペタ氏は「プラスの価値が予想される取引がトレーディングフロア に現れたときは両足で飛び込む。野球の結果(例えばシーズンの優勝チ ームなど)に賭けるときも同じだ」と書いている。

賭けと言えば、ペタ氏の元の勤め先はリーマン・ブラザーズだ。同 氏の洞察は鋭い。

「何をするにしても、一つの賭けで全てを失ってしまうようなこと は避けなければならない。翌日に存続できなくなる恐れがあるような賭 けを一日にしてはならない」という。

ウォール街は傾聴すべきだ。ペタ氏の理論を適用していれば、2008 年の金融・経済危機を避けられたことだろう。

ペタ氏は危険球、ホームゲームの有利さ、ラインアップ変更、ピッ チングなどのデータを使い、シーズンが進むにつれて公式を調整しなが ら「ビジターゲームで8回の表に2点差で負けていて1塁と2塁に走者 がいてまだノーアウトの場合、勝利の確率は31%だ」などの理論をはじ き出す。実用的な本だ。

原題:Former Lehman Trader Bets on Baseball; Bob Knight: Sports Books(抜粋)

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