トヨタ:内山田副会長が会長に昇格、張会長は名誉会長へ

トヨタ自動車は6日、内山田竹志副 会長を会長に昇格させることなどを柱とする役員人事を発表した。張富 士夫会長は名誉会長となる予定。副社長も大幅に入れ替える。主力の自 動車事業の組織改正も同時に発表し、新興国事業の強化などの課題に対 応しながら、需要の増減に柔軟に対応できる体制づくりを急ぐ。

トヨタが発表した資料によると、プリウスの開発責任者を務めた内 山田氏は代表権のある会長となり、副会長ポストは空席となる。内山田 氏は経団連副会長への就任も内定している。副社長には伊原保守取締役 専務役員(61)と須藤誠一専務役員(61)が新たに昇格し、布野幸利、新美 篤志、佐々木真一の3副社長は退任する。また、トヨタとして初となる 社外取締役も3人登用する。今年の株主総会を経て正式決定する。

2009年の豊田章男社長の就任以降で、副社長クラス以上の人事異動 としては最大規模となり、人心を一新して経営体制の強化を図る。3副 社長の退任により、副社長全員が豊田社長体制で任命された人物とな る。現行の役員体制との比較では、副社長が7人から6人に減る一方、 社外も含めた取締役は13人から16人へ増える。

豊田社長は都内で開いた会見で、11年3月に発表したグローバルビ ジョン達成に向けた布陣と強調した。また、張会長は、豊田社長が次世 代に向けて開かれたトヨタを構築していると述べた。

アトランティス・インベストメント・リサーチのエドウィン・マー ナー社長は、リーマンショック後の経営状況が最悪の時に就任した豊田 社長は「時間をかけてゆっくりと改革を進めてきた」と指摘する。円安 進行や新車の販売好調など経営環境が安定してきたことを受けて、役員 体制の刷新に踏み切ったのではないかと話した。

経営に新しい血

また、マーナー氏は、若い世代を登用して経営に新しい血を注ぎ込 むのは良いことで今回の人事は「評価できる」とした上で、豊田社長に はこれまで実行してこなかったさまざまな改革案があるのではないかと 話した。

伊原氏は75年に京都大法学部卒業後、トヨタ自動車販売(現トヨタ 自動車)入社。グローバル調達企画部長、事業開発部長などを経て常務 役員となった。07年には子会社のトヨタ輸送社長となり、09年にトヨタ の専務取締役に就任した。

須藤氏は74年に東京理科大理工学部卒業後、トヨタ自動車工業(現 トヨタ自動車)に入社。米国の現地法人などで長く勤務したあと、08年 に子会社のトヨタ自動車九州社長に就任。12年からトヨタ本体の専務役 員を務めていた。

新任の社外取締役候補は、日本生命相談役の宇野郁夫氏、証券保管 振替機構社長の加藤治彦氏、元ゼネラル・モーターズ(GM)グルー プ・バイス・プレジデントで独立コンサルタントのマーク・ホーガン 氏。

組織改正

またトヨタは、4月1日付で組織改正を実施するとも発表。主力の 自動車事業を「レクサス」、「先進国」、「新興国」、「ユニット事 業」の4つのビジネス区分に再編する。事業・収益責任の明確化と意思 決定の迅速化が狙いで、今後予想される販売台数の拡大局面でも品質や デザインに優れ、収益性の高いクルマづくりを続けられる体制を整え る。レクサスについては豊田社長が直接担当するなど、特に力を入れ る。

自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストはユニット事業の新設 について、独フォルクスワーゲンなどが先行して進める部品の共通化に 対応するものだろうと指摘。トヨタが今以上のコストダウンを実現する には共通化の導入は不可欠と指摘した上で、今回の組織改正で「あまり 時間をかけずにやろうと、きっちり態勢を整えた」との見方を示した。

豊田社長は会見で、国内の生産規模について年間300万台は「最低 限必要」とのこれまでの認識を繰り返した。6日付の朝日新聞は15年の 国内生産台数を270万台に減らす方針を固めたと報じていた。

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