シティなどの株主還元、07年来の高水準も-ストレステストで

米銀大手6行は配当や自社株買いを 通じて、向こう1年間で約410億ドル(約3兆8200億円)を投資家に還 元する公算が大きい。これは2007年以降で最大の規模。米連邦準備制度 理事会(FRB)はストレステスト(健全性審査)の結果、各行が新た な経済的ショックに耐え得るだけの十分な資本を積み増してきたと判断 している。

ウォール街のアナリスト3人の予想平均によれば、シティグループ やバンク・オブ・アメリカ(BOA)など各行の自社株買いは計264億 ドルで、前年の238億ドルを上回る見込み。別の調査によれば、配当は 計145億ドルで、前年より34億ドル多くなる見通しだ。実施にはFRB の承認が必要。

FRBは7日、米大手18行に対するストレステストの暫定結果を公 表する。配当と自社株買いの規模引き上げを承認するかどうかは来週、 各行に伝える。

バークレイズの銀行業界アナリスト、ジェーソン・ゴールドバーグ 氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対して、「数年前、銀行業界には 総じて十分な資本がなかった。しかし今では、そう遠い将来ではない時 期に十分な資本が見込める状況へと変わった」と指摘。FRBの承認は 「品質保証のようなものだ」と述べた。

一部のアナリストや投資家の間には、将来の公的資金注入が不必要 なほど十分な資本を各行が保有しているかどうかについて疑問の声もあ るが、金融当局は配当と自社株買いを金融危機前の水準に引き上げるの を容認しつつある。増配は株価を押し上げ、銀行の収益拡大見通しのサ インとなる可能性がある。

配当と自社株買いの規模が今回引き上げられたとしても、危機前の 水準には届かない。ブルームバーグの集計によれば、米銀大手6行はサ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン損失などでリーマン・ ブラザーズ・ホールディングスが破綻する前の07年には、計664億ドル を投資家に還元していた。内訳は配当で324億ドル、自社株買いで339億 ドルだった。

--取材協力:Michael J. Moore、Dawn Kopecki、Donal Griffin、Craig Torres.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE