シャープ:サムスンと資本提携-104億円受け入れパネル供給

テレビ事業の不振で経営再建中のシ ャープは6日、ライバル韓国サムスン電子の出資を受け入れ、業務提携 も強化することを決めた。第三者割当増資でサムスンが事業会社として シャープの最大の株主になり、シャープは液晶パネルを安定供給する。

6日付資料によると1株290円で総額104億円のシャープの増資をサ ムスン日本法人が28日に引き受け、3.08%を出資する5位株主になる。 サムスンはシャープの経営には関与しない。シャープの現在の株主は日 本生命保険や明治安田生命保険などで事法では米クアルコムが6位。提 携強化ではシャープがパネルを長期・安定的に供給する。

昨年3月にシャープは台湾の鴻海精密工業グループからの665億円 出資受け入れで合意したが、その後の株安で26日の期限までに妥結でき ない公算だ。これを受け昨年12月にクアルコムから出資を仰ぎ、今回サ ムスンの資本も受け入れる。シャープは米アップルのパネル発注減で債 権銀行団への再建計画提示もずれ込んでいる。

ドイツ証券の中根康夫アナリストは今回の提携について、相互にメ リットがあると評価したうえで「シャープにとって供給先が増えること で、短期的に設備の減損はしなくても済む可能性が出てくる」と述べ た。同時に「資本関係を持つことでシャープは良い製品を優先的にサム スンに提供するなど出資の見返りにサムスンから条件面での優遇を要求 される可能性がある」とも指摘した。

開示資料によると、シャープは調達した資金を今後3年間、液晶デ ィスプレイの高精細化のための新規技術導入、タブレット端末などモバ イル機器関連の液晶製造設備の合理化等の投資に使う。サムスンはシャ ープ株を長期保有する。

「単独復活の可能性ゼロ」の評価も

シャープの自己資本比率は2012年12月時点で9.6%だったが、今回 の資本増強で改善する。サムスンが2年以内にシャープ株を売却する場 合、事前に知らせることで合意している。

会社発表に先立ち報道が先行したこの日のシャープの株価は急 騰、19%高の356円まで値上がりした。取引時間中では財務悪化懸念が 後退して大幅高になった昨年12月18日(24%)以来の上昇率。終値 は14%高の341円。売買金額は783億円と日本市場で首位。

BGCパートナーズのアジア株式担当マネジャー、アミール・アン バーザデ氏は「iPhone(アイフォーン)の出荷減に伴い、シャー プからの部品供給は一番先に止められた。サムスンや鴻海などの電子機 器大手の一部にならない限り、シャープ単独で復活の可能性はゼロに等 しい」とコメントした。

--取材協力:Mariko Yasu. Editors: 上野英治郎, 駅義則

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