ドルほぼ全面安、米国の雇用統計やECB会合を控えて警戒感

東京外国為替市場では、ドルが主要 通貨に対してほぼ全面安。米国の雇用統計の発表や欧州中央銀行 (ECB)の政策委員会を控え、ドル売りがやや優勢の展開だった。

ブルームバーグ・データによると、午後3時35分現在、ドルは主 要16通貨中14通貨に対して前日終値比で下落。ドル・円相場は午前10時 すぎに東京時間のドル安値に当たる1ドル=93円を付けた後、じり安状 態が続いた。同時刻現在は93円21銭前後での取引となっている。

あおぞら銀行市場商品部の諸我晃次長は、「今日の東京時間には輸 出企業からの円買いなどにより、仲値でドルの余剰感があった」と指 摘。その上で、「昨日までの日銀正副総裁候補の所信聴取で日本発の円 売り材料はいったん出尽くした。しかし、米経済の強さを背景とした金 融緩和の持続見通しの違いを受け、ドル高・円安は基調として変わらな い」との見方を示した。

ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値によると、給 与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートがこの日 の米国時間に発表する給与名簿に基づく集計調査では、2月の米民間部 門の雇用者数が前月比で17万人増加する見込み。1月は19万2000人増加 した。翌8日に発表される2月の米雇用統計では非農業部門で16万人の 雇用増が見込まれている。1月は15万7000人増加だった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の村田雅志通貨ストラ テジストは、ドルの弱含みについて「米国債利回りの上昇が鈍いことが 1つ。米景気の先行き回復期待は強いが、FRBによる緩和期待がドル の上値を重くしている。また、新たな円売り材料に乏しく、イタリアを めぐる懸念もある中ではル・円のロングを作りにくい面もある。ADP や雇用統計を控え、様子見姿勢も広がっているようだ」と述べた。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=121円49銭までユーロ売りが進ん だ後、121円後半まで値を戻している。ECBは7日に政策委員会を開 く。ECBのドラギ総裁は先週のミュンヘンでの講演で、金融刺激策の 出口戦略の検討には程遠いとの見方を示した。

あおぞら銀の諸我氏は、世界の金融緩和の動きは「米国VS日欧の 図式」とした上で、「米国はQE(量的緩和)をすぐにやめるわけでは ないが、経済指標が強い。日本は言うまでもない状況だが、欧州はイタ リア懸念もさることながら、市場は景気低迷で利下げの可能性を織り込 んでいる」と述べた。

豪ドルがGDP受け上昇

一方、オーストラリア・ドルは、午前9時半に発表された同国の国 内総生産(GDP)で7-9月期の数値が上方修正されたのを受けて、 主要通貨に対して上昇幅を広げている。

オーストラリア・コモンウェルス銀行の外国為替エコノミスト、ピ ーター・ドラギセヴィッチ氏(シドニー在勤)は、「RBA(オースト ラリア準備銀行)の追加利下げを織り込んでいた相場が戻しており、豪 ドルを支えている」と述べた。豪GDPでは「7-9月期の数値が上方 修正されたし、年率換算も引き上げられたから、良い結果だった」と言 う。

--取材協力:Mariko Ishikawa. Editors: 青木 勝, 山中英典

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