超長期債が下落、需給悪化懸念や30年債入札控えて売り-先物は反発

債券市場では超長期債相場が下落。 前日の10年債入札が低調だったことで、現物債市場で需給悪化懸念が出 ており、明後日の30年債入札への不安から売りが優勢となった。

現物債市場で長期金利の指標となる10年物の328回債利回りは前日 比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.665%で始まり、徐々に水準を切り下 げ、いったん0.65%まで低下した。その後は水準を切り上げ、午後に入 ると一時0.675%まで上昇。午後3時すぎから0.67%で推移している。

20年物の142回債利回りは一時3bp高い1.585%まで上昇した 後、0.5bp高い1.56%に戻したが、その後は1.565%。前日には10年ぶり 低水準の1.45%まで低下した後、1.5%台半ばまで急上昇した。30年物 の37回債利回りは午後に入り、一時7.5bp高い1.775%まで上昇。午後3 時すぎからは1.755%で推移している。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、「証券会社によ るショートカバーの動きが止まり、利益確定売りが出た。30年債入札を 控えて、需給不安から超長期債が軟調」だと指摘した。もっとも、「超 長期債には生命保険から買いも入っているもよう。5-10年ゾーンには 銀行勢を中心に押し目買いが入って下落を緩和しており、先物は堅調 だ」とも話した。

東京先物市場で中心限月の3月物は反発。前日比4銭安の144円94 銭で始まり、144円90銭まで下落した。しかし、その後は水準を切り上 げ、一時は145円19銭まで上昇。午後に入ると、再び144円台に下落する 場面もあったが、すぐに買い戻されて、結局は8銭高の145円06銭で引 けた。

予想以上の金利低下で売り

今週の債券市場では、日銀の次期正副総裁候補の所信聴取をきっか けに、国債買い入れの年限長期化の可能性が一段と高まり、全ての年限 で金利低下が進んだ。5年債利回りは過去最低の0.095%まで低下 し、10年や20年債利回りは10年ぶり低水準に達した。

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジス トは、「最近の予想以上の金利低下で利益確定売りが優勢だった。日銀 が4月以降に国債購入を拡大する見通しであることから、需給面の買い 安心感は根強いとはいえ、市場には具体的手段を見極めたいとの意向も ある。10年債利回りは今後さらに低下余地があるとしても、前日に付け た0.6%割れでは行き過ぎ感も強く、今後は0.6%台後半から0.7%での 押し目買いとなりそう」と語った。

8日に30年利付国債の入札が実施される。前回入札の37回債利回り は1.7%台後半で推移しており、表面利率(クーポン)は前回債に比べ て0.1-0.2ポイント低い1.8-1.7%となる見込み。発行額は前回債と同 額の7000億円程度。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「10年債入札の不調 で、30年債入札への不安が強まる。昨日のような相場乱高下は、需給主 導の相場に付き物だ」と指摘。一方、「超長期ゾーンは銀行が売りを止 めてしまえば生保や年金の需要で賄うことが十分可能。これに日銀の輪 番オペ増額の観測が加わることで、需給的にはタイト化していく」との 見方も示している。

--取材協力:赤間信行. Editors: 山中英典, 青木 勝

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