3月5日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル指数、6カ月ぶり高値近辺-サービス業活動が拡大

ニューヨーク外国為替市場ではドル指数が6カ月ぶり高値水準近く で推移した。米国のサービス業活動が1年ぶりの高いペースで拡大した ことが背景にある。

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の非製造業総合景況指数 が市場予想を上回ったため、金融緩和の規模が従来考えられていたより も早く縮小されるとの見方が強まった。6日から2日間の日程で開催さ れる日銀の金融政策決定会合を前に、円は下落分を埋めた。オーストラ リア準備銀行(中央銀行)が政策金利を据え置いたため、豪ドルは米ド ルに対して上昇した。

ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替スト ラテジスト、エリック・ビロリア氏は電話インタビューで、「ISM非 製造業指数が予想よりも良く、ドルは上昇した」と指摘。「ドル相場は ファンダメンタルズに前向きに反応している。経済指標が改善すれば、 量的緩和が長期化する可能性が弱まり、ドルの支援材料となるだろう」 と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比0.2%下げて 1ドル=93円29銭。一時は0.6%下落する場面もあった。対ユーロで は0.2%安の1ユーロ=1.3052ドル。一時は0.4%下げた。円はユーロに 対してほぼ変わらずの1ユーロ=121円76銭。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.2%低下の82.042。1日には82.509と昨年8月20日以来の高 水準となった。

ドルと株の逆相関薄れる

ドル指数とS&P500種株価指数の相関係数はマイナス0.41となっ た。2012年2月にはマイナス0.76に拡大していた。同相関係数は2008年 以来、逆相関を示すマイナスで推移している。

2月のISM非製造業総合景況指数は56で、前月の55.2から上昇 し、昨年2月(56.1)とほぼ同水準に戻った。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想の中央値は55だった。同指数で50は活動の拡大と縮 小の境目を示す。

ブルームバーグ相関加重指数によれば、円は過去3カ月に11.3%安 と、先進10か国の通貨で下げが最もきつい。安倍晋三首相が次期日本銀 行総裁候補に指名した黒田東彦氏は4日、デフレ脱却へ向け「やれるこ とは何でもやる姿勢を明確に打ち出したい」述べた。

「100円に下落」

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の ビル・グロース氏は、日本銀行の金融緩和策で円の価値が低下するとの 懸念から、円は対ドルで1ドル=100円に下落する可能性が高いとの見 方を示した。

同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「円の紙 幣が大量に刷られることになる」とし、「最も印刷され、量的緩和を最 大限支援する通貨は避けたほうが良い」と続けた。

ブルームバーグがまとめた調査によると、円は対ドルで年末まで に95円に下落すると予想(中間値)されている。ユーロの対ドル相場に ついては現在とほぼ同水準の1.29ドルとなっている。

豪ドルは対米ドルで前日にほぼ8カ月ぶりの安値を付けたが、この 日は反発。オーストラリア中銀は政策金利を3%で維持した。

豪ドルは対ドルで4日ぶりに反発。0.6%高の1豪ドル=1.0258米 ドル。前日には1.0115米ドルと、昨年7月12日以来の安値に下落した。

原題:Dollar Index Trades at Almost 6-Month High on Services Expansion(抜粋)

◎米国株:上昇、ダウ平均は過去最高値を更新-金融緩和の継続期待

米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は終値ベースで過去最高値 を更新し、金融危機以降の下落分を埋めた。中国が成長率目標を維持し たことや、各国の金融当局が刺激策を継続するとの観測が材料となっ た。

S&P500種の業種別10指数全てが上昇、ダウ平均では30銘柄中27 銘柄が上げた。アップルは5営業日ぶりに反発。クアルコムは40%の増 配と50億ドルの自社株買い計画が好感されて買い進まれた。一方JCペ ニーは大幅安。第2位の株主が保有株を一部売却したことが影響した。

ダウ工業株30種平均は125.95ドル(0.9%)上昇し14253.77ドル。 これまでの終値ベースでの最高値14164.53ドル、ならびに2007年10月11 日に付けた日中取引の高値14198.1ドルを上回った。S&P500種株価指 数は前日比1%高の1539.79。

米株式市場調査・資産運用会社ビリニー・アソシエーツのラズロ ー・ビリニー社長はブルームバーグラジオのインタビューで、「投資家 はようやく強気相場を実感し始めている」とし、「過去に立ち戻ること はできず、すでに乗り遅れてしまった。まだ先は長い。今からでも乗り 込んだ方が良い」と述べた。

米国株の強気相場は今月で5年目に入っている。予想を上回る企業 決算や量的緩和策を背景に、S&P500種は09年に付けた12年ぶり安値 から128%上昇している。

刺激策

景気回復支援に向け金融当局が刺激策を継続するとの楽観的な見方 から、米国の主要株価指数は今週上昇している。米連邦準備制度理事会 (FRB)のイエレン副議長は前日、発生し得るコストとリスクに留意 しつつも、毎月850億ドル(約8兆円)の債券購入を推し進めるべきだ との認識を示した。

中国では、5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当) で、今年の成長率目標を昨年と同じ7.5%としたほか、財政支出を10% 増やす方針が示された。これを手掛かりに、株価は世界的に上昇した。

2月のISM非製造業総合景況指数は56で、前月の55.2から上昇 し、昨年2月(56.1)とほぼ同水準に戻った。同指数で50は活動の拡大 と縮小の境目を示す。

スタンダード・ライフ・インベストメンツの世界戦略責任者、アン ドルー・ミリガン氏は「きょうは明らかにリスクオンの日だ」と指摘。 「非製造業は今や、経済全体の中で製造業よりもずっと大きな割合を占 めている」と続けた。

テクノロジー株が高い

ダウ平均ではシスコシステムズ、ユナイテッド・テクノロジーズ、 ボーイング、ヒューレット・パッカードの上げが目立った。またS& P500種の業種別10指数では、テクノロジー、産業、選択的消費関連の 各指数が特に上げた。

この日は景気敏感株も買い進まれた。30銘柄で構成するモルガン・ スタンレー・シクリカル指数は1.4%上昇。またダウ輸送株平均は1.5% 上昇し、最高値となった。

アップルは2.6%高の431.14ドル。情報サイトiMoreは事情に 詳しい複数の関係者を引用し、アップルが8月に「iPhone(アイ フォーン)5S」の発売を予定していると伝えた。

クアルコムは2%高の67.97ドル。同社の5日発表によると、四半 期配当は1株当たり25セントから35セントに引き上げられる。また従来 の自社株買い計画は40億ドルで、まだ25億ドル相当の買い戻しが実施さ れていない。新たな計画はこれに替わるもの。

JCペニーは11%安の14.96ドル。事情に詳しい複数の関係者によ れば、米不動産投資信託ボルナド・リアルティー・トラストはドイツ銀 行を通じてJCペニーの持ち株を1株16.40ドルで1000万株売却した。

原題:Dow Climbs to Highest Level on Central Bank Stimulus Optimism(抜粋)

◎米国債:続落、非製造業景況指数の上昇で逃避需要が後退

5日の米国債は続落。米供給管理協会(ISM)が発表した2月の 非製造業景況指数が前月から上昇し、1年前の水準に戻ったことから米 国債への逃避需要が後退した。

リスク志向の高まりを背景に10年債利回りは上昇した。中国政府が 成長目標を維持したほか、ユーロ圏の2月のサービス業と製造業活動が 予想ほど縮小しなかったことが材料だった。前日の利回りは一時、5週 ぶりの低水準をつけた。この日のダウ工業株30種平均は終値ベースで過 去最高値を更新した。

ブルームバーグがまとめた予想によると、8日に発表される2月の 米雇用統計では16万人の雇用増が見込まれている。1月は15万7000人増 だった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は、「経済統計に反応して」利 回りが上昇したと述べ、「この低金利の中、手持ち資金の余剰分の投資 先にはリスク資産が求められている」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇して1.9%。10年債価格(表面利率2%、2023年2月償 還)は 6/32下落して 100 29/32。30年債利回りは2bp上昇し て3.11%。

ISM非製造業景況指数

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は4日に53.9bpと、 1月23日以来の低水準に下げた。過去1年間の平均値は66.6bpとなっ ている。

2月のISM非製造業総合景況指数は56で、前月の55.2から上昇し た。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55だった。 同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限2020年5月から2023年2月の 米国債33億4000万ドルを買い入れた。同銀がウェブサイトに掲載した予 定によると、今週あと2度のオペで最大55億ドルの米国債を買い入れる 予定だ。米金融当局は景気てこ入れと失業率の押し下げを図るため、米 国債と住宅ローン担保証券(MBS)を合計で毎月850億ドル購入して いる。

トレーダーのインフレ見通しの指標となる10年債と同年限インフレ 連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.56ポ イントと、前日から1bp拡大した。過去10年間の平均値は2.2ポイン トとなっている。

金融緩和打ち切り

金融政策当局者は金融緩和を近く打ち切る意思がないことを示唆し ており、米国債利回りの上昇が抑制される可能性がある。

イエレン連邦準備制度理事会(FRB)副議長は前日、発生し得る コストとリスクに留意しつつも、毎月の債券購入を推し進めるべきだと の認識を示した。またバーナンキ議長は先週の議会証言で、借り入れコ スト低下と成長促進による効果がマイナス面の影響を上回るとして、月 間850億ドルの債券購入を擁護した。

ソシエテ・ジェネラルの調査担当者パトリック・レグラン氏、ステ ィーブン・ギャラガー氏、アニタ・マルコウスカ氏によると、景気が大 きく改善し「当局者が極端な緩和政策の終わりを示唆した」場合、10年 債利回りは同社が予想する年末時点の2.75%を「著しく」上回る可能性 がある。

ブルームバーグがエコノミスト68人を対象にまとめた予想の中央値 によると、10年債利回りは年末までに2.25%に上昇する。

原題:Treasuries Fall for Second Day as U.S. Services Industries Grow(抜粋)

◎NY金:続伸、主要国の金融緩和継続や現物需要の高まりを好感

ニューヨーク金先物相場は続伸。主要中央銀行が緩和策を継続する との観測や、現物需要の高まりが背景。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン副議長は前日、毎 月850億ドル(約8兆円)の債券購入を推し進めるべきだとの認識を示 した。次期日銀総裁候補の黒田東彦氏はデフレ脱却へ向け可能なことは 何でもやると表明した。スタンダード・バンクは5日のリポートで、東 南アジアの広範な地域で金の購入が見られると指摘した。

TDセキュリティーズの商品戦略責任者バート・メレク氏(トロン ト在勤)は電話インタビューで、「イエレン副議長の発言や日本での緩 和策支持の声が金の支えになっている」と指摘。「現物に関連した需要 も上向いている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.2%高の1オンス=1574.90ドルで終了。一時は0.9%値 上がりする場面もあった。

原題:Gold Advances on Stimulus Bets, Physical Demand; Silver Climbs(抜粋)

◎NY原油:反発、パイプライン閉鎖でブレント上昇-株高も支え

ニューヨーク原油先物相場は年初来の安値水準から反発。株式相 場の上昇が手掛かりとなった。プラットフォームでの原油漏れに伴い 北海ブレント原油のパイプラインが閉鎖されていることで、ブレント 原油も値上がりした。

1990年代以来の高い企業利益の伸びを背景にダウ工業株30種平均は 過去最高値に上昇。ブレントは一時1.6%値上がりした。北海のパイプ ラインはプラットフォームの一つで2日に原油漏れが見つかって以降、 4日連続で閉鎖されている。ブルームバーグがまとめた調査によると、 米エネルギー省が6日発表する原油在庫は増加が見込まれている。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の 市場調査ディレクター、アディソン・アームストロング氏は電話インタ ビューで「他の資産が大幅に動いている上、原油はこれまでの下げが大 きかっただけに、原油の反発がそれほど力強くないのが唯一の驚きだ」 と指摘。「北海のパイプラインの閉鎖で、少なくともブレントは需給が やや引き締まる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前日 比70セント(0.78%)高の1バレル=90.82ドルで終了。前日は昨年12 月24日以来の安値水準で終えていた。

原題:WTI Oil Climbs From 2013 Low While Shut Pipeline Lifts Brent(抜粋)

◎欧州株:4年半ぶり高値に上昇-中銀による成長支援継続を楽観

5日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は約 4年半ぶり高値に達した。世界の主要中央銀行が景気回復を支える措 置を続けるとの観測が買い材料。

英銀スタンダードチャータードは約2年ぶりの高値。10年連続で過 去最高益となったことが好感された。アウトソーシングの英サーコ・グ ループは配当を20%引き上げ、過去9年余りで最大の上昇。アフリカで 原油・ガス探査を手掛ける英オフィル・エナジーは約9カ月ぶり大幅 高。株式売却を通じた資金調達計画が好感された。ベルギーの通信会社 テレネット・グループ・ホールディングは1.3%下落。

ストックス欧州600指数は前日比1.8%上昇の294.11で終了し、2008 年6月以来の高値。2月までは月間ベースで9カ月続伸し、1997年7月 以来最長の連続高となっていた。

ミラボー・セキュリティーズ(ジュネーブ)のバイスプレジデン ト、ジョン・プラサード氏は「2日間ほど低調だったが、欧州株、特に 景気循環セクターが今日は盛り上がっている」と指摘。「米金融当局が 引き続き米経済を支える見通しが確認された一方、中国の成長も強さが 続いているようだ」と付け加えた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン副議長は4日、発生し 得るコストとリスクに留意しつつも、毎月850億ドルの債券購入を推し 進めるべきだとの認識を示した。中国では温家宝首相が、今年の成長率 目標を昨年と同じ7.5%に据え置いた。

この日の西欧市場では、ギリシャを除く17カ国で主要株価指数が上 昇した。

原題:European Stocks Advance to 4 1/2-Year High on Stimulus Optimism(抜粋)

◎欧州債:イタリア債が3日ぶり上昇、ドイツ国債は下落-英国債続落

5日の欧州債市場では、イタリア国債が3日ぶりに上昇。景気支援 に向け、欧州の財務相らが財政への締め付けを緩める可能性に道を開い たことがきっかけ。

ドイツ10年債は値下がり。ユーロ圏の1月の小売売上高が市場予想 以上に増えたことで、安全資産の需要が減退した。ポルトガル10年債利 回りは約1カ月ぶり低水準に下がった。救済を受けた同国やアイルラン ドに融資返済の時間的猶予を与える可能性を、欧州連合(EU)欧州委 員会のレーン委員(経済・通貨担当)が4日にブリュッセルで示した。 5日の株式や商品相場は世界的に、中銀の刺激策継続期待で上昇した。

ウニクレディトの債券ストラテジスト、キアラ・クレモネシ氏は 「今日は全体的にリスク・オンのセンチメントが強まっている」と指 摘。「ドイツ国債は弱い」とも話し、ブリュッセルでのユーロ圏および EU財務相会合による影響もあるかもしれないと付け加えた。

ロンドン時間午後4時51分現在、イタリア10年債利回りは前日比15 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.73%。一時は16b p下げ、2月25日以来最大の低下を示した。同国債(表面利 率5.5%、2022年11月償還)価格は1.155上げ106.325。

ポルトガル10年債(表面利率4.95%、2023年10月償還)の利回り は23bp低下の6.16%。2月1日以来の低水準である6.13%まで下げる 場面もあった。アイルランド債(2020年10月償還)の利回りは7bp低 下の3.76%。昨年12月31日は4.43%だった。

スペイン10年債は5営業日続伸。利回りは6bp下げて5.04%とな った。

ドイツ10年債利回りは3bp上昇の1.45%。前日は1月2日以来の 低水準となる1.39%まで下げていた。2年債利回りは2bp上げ て0.06%。

英国の10年債相場は続落。2月のサービス業活動が市場予想以上に 拡大したため、イングランド銀行(英中央銀行)が追加刺激策を講じる との観測は薄れた。

英10年債利回りはロンドン時間午後4時24分現在、前日比6bp上 昇の1.97%。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)の価格は0.5 下げ98.145。

原題:Italy Bonds Rise as EU Opens Way for Growth Budgets; Bunds Fall(抜粋) 原題:U.K. 10-Year Gilts Decline for Second Day After Services Expand(抜粋)

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