岩田日銀副総裁候補:2年で達成できなければ辞職-物価目標2%

日本銀行の副総裁候補に政府が提示 した岩田規久男学習院大学教授は5日、国会での所信聴取に臨み、2% の物価目標の達成について日銀が全面的に責任を持つ必要があるとした 上で、今後2年間で目標を達成できない場合は辞職する意向を示した。

岩田氏は「日銀は2%を必ず達成する、この達成責任を全面的に負 う必要がある」と指摘。「日銀は金融政策のレジーム(体制)転換をす ることが求められている」と述べた。達成期間については「遅くとも2 年では達成できるのではないか、またしなければならない」と述べた。

2年以内に目標が達成できなければ、「責任は自分たちにあると思 う」とし、「最高の責任の取り方は辞職するということだと認識してい る」と言明。2年後の消費者物価上昇率が2%に達しない場合は職を賭 すということかとの再度の問いに「それで結構だ」と述べた。

具体的な手段では「既に政策金利はゼロ%なので、いわゆる量的緩 和を進めなければならない。今まで以上の量的緩和をやる必要がある」 と指摘。日銀券と日銀当座預金などの合計であるマネタリーベースを 「大量に増やし、特に長期の金利に影響を与える」とともに、資産買い 入れ等基金で残存3年以内に限定している長期国債の買い入れについて 「5年以上を買っていく」と表明した。

わざわざ外債を買う必要ない

マネタリーベースをどれくらい増やす必要があるかに関しては「か なり大きいということは間違いない」と言明。「現在の資産買い入れ等 基金の方式だと、日銀が国債を買っても償還して資金が戻ってくるの で、ネットで資産残高が増えるかが見えない」とした上で、「ネットで マネタリーベースをどれだけ増やすかを見なければならない。その点も 実際の金融政策では改める必要がある」と述べた。

外債購入については「今までより金融緩和をすれば、必然的に円安 になるのは経済メカニズムでは当然だ。したがって、円安誘導と世界に 思われるような外債をわざわざ買う必要はない」と語った。ただ、「こ れはしない、あれはしないということを事前に中央銀行が縛ってしまう のは目標達成のためには具合が悪い」とし、「手段としては取っておく べきだ」と述べた。

さらに「その場合は円安誘導だという海外の批判をどう説得してい くかというもう1つの課題がある。差し当たり期限の長い長期国債を買 っていき、市場の動向を見ていくのが最初にやるべきこと」と述べた。

日銀法改正は必要

日銀法の改正については「必要だ」と言明。「改正をする方がイン フレ目標の達成は容易になる」と語った。超金融緩和策の将来の出口戦 略では「国債の売りオペをするというよりも、日銀当座預金の付利を引 き上げていって、銀行の信用創造を抑えるというのが最初の常道だと思 っている」と述べた。

副総裁候補として岩田氏とともに聴取に臨んだ中曽宏日銀理事は 「日銀の組織に長く身を置いてきた経験を生かし、職員の力を束ねて全 力で総裁をお支えし、また、政策委員会の一員としてしっかりと議論に 貢献していきたい」と表明。物価目標実現へ「前例にとらわれることな く、常に新しい発想で政策を生み出し、実行していきたい」と述べた。

過去の日銀の金融政策運営については「現在、消費者物価がいまだ にゼロ%近傍で推移しており、結果が出ていない。そういう事実は重く 受け止める必要がある」と指摘。さらに、「リーマンショックの後、景 気が大きく落ち込んだ、金融政策面でもいろいろやってきたと思うが、 なお工夫の余地があったのかなと思う」と語った。

物価目標の達成時期では「世界経済などさまざまな要因に左右され る。不確実性もある」と説明。「必ず2年でということは言い難い」と しながらも、「達成に向けて全力でやっていきたい」と述べた。ただ、 「企業収益の改善、賃金・雇用の増加、つまり国民生活がより豊かにな るという状況を伴いながら、物価が高まっていくという好循環」が必要 だとし、「物価だけが上がっていくことは適切ではない」と語った。

一方、今後の日銀による大量の国債買い入れに関連して、「中長期 的な財政再建への市場の信認を確保することが、国債市場の安定に大変 重要であり、金融政策の有効性にとっても大事な点だ」と指摘した。

--取材協力: Andy Sharp, Mayumi Otsuma and Takashi Hirokawa. Editors: 小坂紀彦, 淡路毅

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