債券は反落、10年債入札低調で売り優勢-長期金利0.6%割れに警戒も

債券相場は反落。きょう実施の10年 債入札が低調な結果となったことや長期金利が10年ぶりに節目の0.6% を割り込んだことへの警戒感から売りが優勢となった。

東京先物市場で中心限月の3月物は、前日比7銭安の145円25銭で 開始。その後は買いが優勢になり、一時は145円38銭と前日に記録した 過去最高値を更新。その後は下げに転じ、終了前には144円97銭まで下 落。結局は34銭安の144円98銭と、この日の安値圏で引けた。

前日には黒田東彦日銀総裁候補の発言を受けて、金融緩和策強化の 観測が広がり、中心限月ベースで2009年6月以来となる8営業日続伸と なっていた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の327回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.61%で開始後、徐々に水準を切 り下げ、一時は0.585%と2003年6月以来の0.6%割れを記録。その後は 上昇に転じ、午後3時すぎには4bp高い0.645%に上昇。5年物の108回 債利回りは1.5bp高い0.11%。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、短期的には日銀 の国債購入拡大を見込んだ買いが一服するため、長期金利の0.6%割れ はオーバーシュートの領域だと指摘。「入札低調でいったんセンチメン ト悪化した。これまでブル・フラット(平たん)化を演出した超長期ゾ ーンの買いもさすがに一服したのではないか」とも話した。

超長期債は買い先行後、30年債入札を8日に控えて売りが優勢 だ。20年物の142回債利回りは午前に5bp低い1.45%と、03年8月以来 の低水準を付けたが、午後3時すぎには5.5bp高い1.555%に急上昇。30 年物の37回債利回りは5bp低い1.625%と10年8月以来の低水準を付け たものの、午後3時すぎからは2.5bp高い1.70%を付けている。

10年債入札、応札倍率低下

財務省が午後発表した表面利率0.6%の10年利付国債(328回債)の 入札結果によると、最低落札価格は99円57銭と市場予想を6銭下回っ た。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は9銭 と、11年3月以来の大きさ。投資家の需要の強さを示す応札倍率は2.37 倍と、09年7月以来の低水準となった。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、10年債入札につ いて、「平均価格は予想近辺だったが、最低価格が安くなり、テールが 拡大。応札倍率も低かった」とし、利回り水準の低さを反映した結果だ と分析した。

日銀副総裁候補の岩田規久男学習院大学教授は5日、国会での所信 聴取に臨み、2%の物価目標の達成について日銀が全面的に責任を持つ 必要があるとした上で、今後2年間で目標を達成できない場合は辞職す る意向を示した。同じく副総裁候補の中曽宏日銀理事は、物価目標実現 へ「前例にとらわれることなく、常に新しい発想で政策を生み出し、実 行していきたい」と述べた。

もっとも、こうした発言に債券相場の反応は限定的だった。野村証 券の松沢中チーフストラテジストは、「岩田候補の会見では、黒田氏よ り緩和的なスタンスが示されようが、市場は具体策に関する言及を望ん でおり、それがなければもはや動かない」との見方を示していた。

--取材協力:池田祐美. Editors: 山中英典, 青木 勝

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