3月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ、対ドルで3カ月ぶり安値近辺-伊の再選挙警戒

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルでほぼ3カ月ぶりの 安値近辺で推移した。イタリアで再選挙の可能性が高まっていることが 売りを誘った。6日に発表される2012年第4四半期のユーロ圏域内総生 産(GDP)がマイナス成長になるとの見通しも背景にある。

円は主要16通貨の大部分に対して上昇。中国のCSI300指数が2 年ぶりの大幅安となったため、円への逃避需要が高まった。豪ドルは米 ドルに対してほぼ8カ月ぶりの安値に沈んだ。オーストラリアの住宅着 工許可件数が予想外に減少したことが悪材料。ドル指数は昨年8月以来 の高水準近辺で推移した。欧州中央銀行(ECB)は7日に政策委員会 を開催する。

シティグループのG10通貨戦略担当の北米責任者、グレッグ・アン ダーソン氏は(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「市場はな おユーロに対してかなり中立的だ。ECB政策委員会の結果を待ってい る。追加緩和が近いとの声が大部分を占めるが、それがユーロをやや圧 迫している」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前営業日比ほぼ 変わらずの1ユーロ=1.3026ドル。前週末には一時は1.2967ドルと、昨 年12月11日以来の安値を付けた。円は対ユーロでこの日、0.1%上げ て121円77銭。対ドルでは0.1%上げて1ドル=93円48銭。

ユーロは一段安にも

クレディ・スイスのテクニカルアナリスト、シリン・ベイン氏は顧 客リポートで、ユーロが1日に主要な支持線を下回ったため、昨年11 月22日以来の低水準となる1.2843ドルまで下落する可能性があると指 摘。その水準を割り込めば、昨年11月13日以来のユーロ安水準であ る1.2662ドルに下げる可能性もあるとの見方を示した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.2%安の82.178。2月1日には82.509と、昨年8月20日以来 の高値水準を付けた。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の外国為替戦略の責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロ ンドン在勤)は「多くのイベントリスクを抱える今週、市場参加者はポ ジション構築を考える際、恐らくドル買いに傾くだろう」と述べた。さ らに「ECBの声明や会見に注目が集まるだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト37人を対象に実施した調 査によると、6日発表のユーロ圏GDPの予想平均は0.6%減となって いる。

欧州経済に「酸素」を

ANZナショナルのシニアディーラー、アレックス・シントン氏 (オークランド在勤)は「欧州が直面しているのは、魅力的でない経済 成長率や悪化しつつある雇用情勢、依然として不透明なイタリア情勢 だ」と指摘した。

フランスのモントブール生産再建相は3日、ラジオ局ヨーロッパ1 とのインタビューで、欧州経済に「酸素」を与えるためユーロが1ユー ロ=1.1ー1.15ドルに下落することを望むと発言した。

イタリア、ドイツ、フランスは5日、月間の購買担当者指数 (PMI)をそれぞれ発表する。

原題:Euro at Almost 3-Month Low on Italy, Economic Data; Aussie Drops(抜粋)

◎米国株:上昇、ダウ平均は5年ぶり高値-緩和策継続の観測で買い

米株式相場は上昇。歳出削減や中国経済をめぐる懸念が広がったも のの、米金融当局が緩和策を継続するとの観測が買いにつながった。ダ ウ工業株30種平均は終値ベースで2007年以来の高値となった。

航空株が高い。一方、原油相場の下落を手掛かりに産業株やエネル ギー株は売られた。ヤフーは大幅高。バークレイズのアナリストによる 投資判断引き上げに反応した。D.R.ホートンやライランド・グルー プなど住宅建設株も上昇。グーグルは上場来高値となった。アップルは 下落し、約1年ぶりの安値となった。

S&P500種株価指数は前週末比0.5%高の1525.20。ダウ工業株30 種平均は38.16ドル(0.3%)上げて14127.82ドルと、07年10月以来の高 値。

フィデュシャリー・トラスト(ボストン)の最高投資責任者 (CIO)、マイケル・マレーニー氏は「強制歳出削減の影響を受ける 今四半期を除き、今年は時間とともに米経済は力強さを増しそうだ」と し、「金融当局は長期にわたり助けとなるだろう。古いことわざにある ように、金融当局と争ってはいけない」と続けた。

米国株の強気相場は今月で5年目に入っている。予想を上回る企業 決算や量的緩和策を背景に、S&P500種は09年に付けた12年ぶり安値 から124%上昇している。また同指数は年初来で6.9%上昇し、07年10月 に付けた最高値1565.15を約3%下回る水準。ダウ平均は最高 値14164.53ドルまであと0.5%未満の水準にある。

景気刺激策

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン副議長は、発生し得る コストとリスクに留意しつつも、毎月850億ドル(約8兆円)の債券購 入を推し進めるべきだとの認識を示した。これが株式相場にはプラス材 料となった。

副議長は4日、ワシントンで開かれた全米企業エコノミスト協会 (NABE)の会議で演説し、「金融当局の資産購入に伴って発生し得 るコストに目を向けた場合、時間とともに確実に注視する必要のあるコ ストが一部にある」とした上で、「現時点では、資産購入プログラムの 縮小を支持する根拠は見当たらない」と述べた。

中国の非製造業の活動は2月に、拡大ペースが昨年9月以来の低い 水準に鈍化。これを手掛かりに米国株は一時下げる場面もあった。中国 国家統計局と中国物流購買連合会が3日発表した2月の非製造業購買担 当者指数(PMI)は54.5と、1月の56.2から低下した。同指数は50が 非製造業活動の拡大・縮小の境目を示す。

歳出削減

強制歳出削減は今月1日に発動した。法律に基づく歳出削減額は9 年間で1兆2000億ドルに及ぶ。このうち850億ドル相当の削減が今会計 年度末までに実施される。議会予算局(CBO)は、この自動歳出削減 が今年の成長率を0.6ポイント押し下げる要因になると試算している。

ブルームバーグ米航空指数は4.1%上昇の44.93と、約2年ぶり高水 準となった。デルタ航空は5.6%高の15.65ドルと、08年2月以来の高 値。

ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスは5.3%高 の28.82ドル。アラスカ・エア・グループは4.1%上げて54.53ドルと、 上場来高値。

S&P住宅建設株指数は2.3%上昇。構成する11銘柄全てが値上が りした。D.R.ホートンは3.2%高の23.24ドル。ライランド・グルー プは3.5%上げて36.95ドル。

ヤフーは3.5%高の22.70ドルと、08年7月以来の高値。バークレイ ズの株式アナリスト、アンソニー・J・ディクレメンテ氏はヤフーの投 資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引き上げ た。ヤフーが保有するアリババ・グループ・ホールディングスとヤフ ー・ジャパンの少数株が株価に完全に反映されていないと指摘した。

アップルは2.4%安の420.05ドルと、12年1月以来の安値。これで 4営業日続落となった。

原題:Dow Climbs to Five-Year High as Fed Bets Offset China Concern(抜粋)

◎米国債::10年債利回り5週ぶり低水準から上昇、雇用統計控え

4日の米国債市場では10年債利回りが5週間ぶり低水準から上昇し た。今週は2月の米雇用統計が発表されるが、市場では雇用増が見込ま れている。また非製造業景況指数も引き続き拡大を示すと予想されてい る。

10年債利回りは一時低下する場面もあった。イタリアで再選挙の可 能性が高まり、安全性が高いとされる米国債の需要が高まったことが背 景だ。先週のイタリア議会選挙では反緊縮派が票を伸ばし、政局が行き 詰っていた。世界最大の債券ファンドを運用する米パシフィック・イン ベストメント・マネジメント(PIMCO)は、米10年債の今後10年間 の投資リターンは過去10年間の平均を下回ると予想している。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏(ニューヨーク在勤)は、雇用統計まで「様子見の展開だ。わ ずかに数ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)動く程度だ」と述べ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比3bp上昇の1.88%。一時 は1.83%と、1月24日以来の低水準だった。10年債価格(表面利率 2%、2023年2月償還)は10/32下落して101 1/8。30年債利回りは4b p上げて3.09%。

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は1日に55と、1月23 日以来の低水準に下げた。過去1年間の平均値は66.7%となっている。

資産購入を継続すべき

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限2036年2月から2042年8月の 米国債14億6000万ドルを買い入れた。同銀がウェブサイトに掲載した情 報によると、今週あと3度のオペで最大90億ドルの米国債を買い入れる 予定だ。連邦準備制度理事会(FRB)は景気てこ入れと失業率の押し下 げを図るため、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を合計で毎 月850億ドル購入している。

FRBのイエレン副議長は、発生し得るコストとリスクに留意しつ つも、毎月850億ドルの債券購入を推し進めるべきだとの認識を示し た。副議長の発言は先週のバーナンキFRB議長の発言内容を繰り返し たものだった。

バーナンキ議長は1日、サンフランシスコ連銀主催の会議で、「時 期尚早の利上げは回復を阻止する高いリスクを伴うもようで、皮肉なこ とにさらに長い期間にわたって低い長期金利が続く可能性がある」と発 言。「力強い経済によってのみ、預金者や投資家は実質的に高いリター ンを得ることが可能だ」と述べた。

米国債のリターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債のリターンは2月に0.6%。1月は1%のマイナスだった。

PIMCOの投資委員会メンバーでマネーマネジャーのサーミル・ パリーク氏は、今後10年間の米10年債リターンが平均で年間2-3%に なると予想している。メリルリンチのデータによると過去10年間の利回 り平均は年間5.3%だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、8日に発表 される米雇用統計では2月は16万人の雇用増が見込まれている。1月 は15万7000人増だった。失業率は1月と同じ7.9%が予想されている。

米供給管理協会(ISM)が5日発表する2月の非製造業景況指数 は55が予想されている。前月は55.2だった。同指数で50は活動の拡大と 縮小の境目を示す。

原題:Treasury Yields Rise From 5-Week Low Before Jobs, Services Data(抜粋)

◎NY金:小反発、4日ぶりに上げ-日米中銀が緩和継続との見通し

ニューヨーク金先物相場は小幅ながら4営業日ぶりに上昇。日米の 中央銀行が緩和措置を継続するとの観測が背景。

次期日銀総裁候補の黒田東彦氏はデフレ脱却へ向け可能なことは何 でもやると表明。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン副議長は 毎月850億ドル(約8兆円)の債券購入を推し進めるべきだとの認識を 示した。

ストリートトーク・アドバイザーズ(ヒューストン)のランス・ロ バーツ最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、「緩和的な金 融政策が当面は続きそうだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前週末比10セント高の1オンス=1572.40ドルで終了した。

原題:Gold Advances on Japan, U.S. Outlook for More Stimulus Measures(抜粋)

◎NY原油:続落、一時90ドル割れ-中国指標が成長鈍化を示唆

ニューヨーク原油先物相場は続落。今年に入って初めてバレル当 り90ドルを割り込んだ。中国のサービス業活動の拡大ペース鈍化を 背景に、需要の伸びが減速するとの観測が強まった。

世界最大の石油消費国である中国の2月の非製造業購買担当者指 数(PMI)は5カ月ぶりの低水準となった。原油先物は昨年12月 以降で初めて中心限月の200日および100日移動平均を下回って終 了した。ニューヨーク原油先物の未決済約定は1日に過去最高に達し た。

エネルギーヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨー ク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話インタビューで「中国 の経済指標は失望を誘った」と指摘。90ドルは「重要な水準であり、 かなり速いペースで88ドルまで下落しそうだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物4月限は前週 末比56セント(0.62%)安の1バレル=90.12ドルと、昨年12 月24日以来の安値水準で終えた。一時は89.33ドルまで値下がり した。

原題:Oil Declines to Two-Month Low on Signs of Slowing Chinese Growth(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-決算嫌気でHSBCが7月以来の大幅安

4日の欧州株式相場はほぼ変わらず。公益事業株が上げた一方、 英銀HSBCホールディングスが昨年7月以来の大幅下落となった。 中国の非製造業活動が2月に鈍化したことが手掛かり。

HSBCは2012年税引き前利益がアナリスト予想を下回ったこ とから大きく下げた。他の欧州銀行株も連れ安となった。資源株も安 く、BHPビリトンやリオ・ティントはロンドン市場でそれぞれ

2.1%と3.7%下げた。英百貨店デベナムズは08年11月以来の大 幅下落。1月の降雪の影響で上期(12年9月-13年2月)の利益が 減少したもようだと発表した。

ストックス欧州600指数は前週末比0.1%未満下落の288.89 で終了。騰落比率は約3対4。先週はイタリア総選挙で安定多数勢力 が生まれず、ユーロ圏債務危機が悪化するとの懸念が再燃したことか ら、米国で予想を上回る経済指標の発表があったにもかかわらず週ベ ースでほぼ変わらずだった。

PFAペンション(コペンハーゲン)のシニアストラテジスト、 ウィトルド・バーク氏は「景気回復が依然として抑制気味で一部地域 では脆弱であるという現実に照らすと、株価の最近の動きはちょっと 早過ぎたようだ」と指摘。「主に欧州で政治の雑音も増えていること も考え合わせると、幸先はあまり良くない」と付け加えた。

中国国家統計局と中国物流購買連合会が3日発表した2月の非製 造業購買担当者指数(PMI)は54.5と、1月の56.2から低下。 同指数は50が非製造業活動の拡大・縮小の境目を示す。

この日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が下落 した。

原題:European Stocks Are Little Changed; HSBC Drops as Earnings Miss(抜粋)

◎欧州債:イタリア債続落、再選挙の可能性を懸念-ドイツ債は安定

4日の欧州債市場では、イタリア国債が続落。同国で再選挙の可 能性が高まる中、欧州の首脳らは債務危機収拾へ財政緊縮を続行する ようユーロ圏諸国に呼び掛けた。

イタリア10年債利回りは約3カ月ぶり高水準に近づいた。この 日はブリュッセルでキプロス支援などを話し合うユーロ圏財務相会合 が始まった。ローマでは民主党のベルサニ党首の側近が、選挙法を改 正した上で年内に再選挙が必要となることもあり得ると述べた。スペ イン10年債とドイツ国債はほぼ変わらず。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、マイケル・ライスター氏 (ロンドン在勤)は「このところのイベント展開を受け、市場は当面 の政策リスクをちょっと気にしており、これがこの日の相場のテーマ だ」と指摘。「ドイツ国債が引き続き支えられる一方、周辺国の国債 は利回りが上昇しがちに取引されるだろう」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時35分現在、イタリア10年債利回りは前 週末比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

4.88%。2月27日には昨年11月15日以来の高水準となる

4.96%を付けている。同国債(表面利率5.5%、2022年11月償 還)価格はこの日、0.66下げ105.21。

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のレーン委員 (経済・通貨担当)は週末に、域内には財政規律を緩める余地がない とドイツ誌シュピーゲルに語り、ドイツのメルケル首相もイタリアに 改革路線から脱線しないよう呼び掛けた。

スペイン債はこの日、値上がりする場面も見られた。同国で失業 者数の増加ペースが2月に鈍化したためで、10年債利回りは一時6 bp下げた。その後はほぼ変わらずの5.09%。

ドイツ10年債利回りは1.42%。一時は約8週間ぶり低水準の

1.39%まで下げた。

英国の10年債利回りは一時、2カ月ぶり低水準に下がった。金 融機関による家計や企業向け融資が昨年10-12月期にネットベー スで24億3000万ポンド減少したとのイングランド銀行(中央銀 行)の発表が手掛かり。

英10年債利回りは昨年12月31日以来の低水準となる

1.86%まで低下後、ロンドン時間午後4時44分現在は前週末比3 bp上昇の1.90%。

原題:Italian Bonds Fall for Second Day as EU Finance Ministers Meet(抜粋) 原題:Pound Advances Against Euro on Italy Speculation; Gilts Decline(抜粋)

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