日本株続伸、緩和期待でTOPIX1000場面-大証先物は障害

東京株式相場は3営業日続伸し、 TOPIXは一時2010年4月15日以来、1000ポイントの大台を回復し た。日本銀行の大胆な金融緩和策への期待が強い中で不動産や倉庫、陸 運など金融緩和恩恵、含み資産業種の上昇が継続。証券や銀行など金融 株も高い。米国の経済統計の改善も買い安心感につながった。

一方、中国などアジア株の下落、為替の円安一服を受け主要株価指 数は午前後半以降に伸び悩み。大阪証券取引所で日経平均先物、オプシ ョンの売買がシステム障害の影響で停止したため、現物株に対する買い 手控え姿勢の広がりも影響した。 TOPIXの終値は前週末比7.92ポ イント(0.8%)高の992.25、日経平均株価は45円91銭(0.4%)高の1 万1652円29銭。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員によると、「日銀次期総裁 の手綱さばきを期待した買いがきょうも続いた」という。今後は、大胆 な金融政策を実施する趣旨の要人発言だけでは市場の反応が鈍ってきそ うで、「4月以降、具体的にどういった策が打たれるのかといった点 に、市場参加者の視点が移ってくるだろう」と指摘した。

衆院議院運営委員会はきょう午前、政府が提示した日銀次期総裁候 補の黒田東彦アジア開発銀行総裁への所信聴取、質疑を実施した。この 中で黒田氏は、「15年間もデフレが続いているのは異例」「目標を1日 も早く実現することが重要な使命」「やれることは何でもやる姿勢を明 確に打ち出したい」などと述べ、日銀が掲げる2%の物価目標について は2年で達成できれば望ましい、との見解を示した。副総裁候補の学習 院大学の岩田規久男教授、中曽宏日銀理事に対してはあす5日午前10 時30分から行う予定だ。

米統計堅調も支援、中国急落は重し

一方、米供給管理協会(ISM)が1日に発表した2月の製造業景 況指数は54.2と前月比1.1ポイント上昇し、1年8カ月ぶりの高水準と なった。エコノミスト予想の中央値は52.5。2月のトムソン・ロイタ ー/ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)も77.6と前月の73.8か ら上昇し、エコノミスト予想の中央値76.3も上回った。統計改善を受 け、1日の米ダウ工業株30種平均は0.3%高の14089.66ドルと07年10月 以来、約5年5カ月ぶりの高値で終えた。

日銀新執行部への期待、米国株堅調を受けてきょうの日本株は幅広 い業種、銘柄に買いが先行。東証1部33業種は倉庫・運輸関連、陸運、 不動産など土地持ち業種のほか、その他金融、ゴム製品、サービス、証 券・商品先物取引、銀行、その他製品など24業種が上げた。TOPIX は一時1001.15まで上げ幅を拡大、日経平均も1万1767円68銭と2月25 日の昨年来高値1万1662円52銭を更新し、リーマン・ショック直後の08 年9月29日以来、およそ4年5カ月ぶりの高値水準を付けた。

ただ、両指数ともきょうの高値後は伸び悩み。中国の上海総合指数 が3%以上急落したことなどが警戒された。中国では、不動産価格の抑 制に向け中国当局が規制強化を打ち出したことに加え、同国のサービス 業活動の拡大ペースが鈍化したことなどが影響を及ぼしたとみられてい る。あす5日からは、全国人民代表大会(全人代)が開幕する。また、 東京外国為替市場では、午前9時半すぎに1ドル=93円73銭まで円安が 進んだが、その後円は対ドルで93円台前半に下げ渋った。

大証先物、オプションが一時停止

大証では売買システムに障害が生じ、日経平均オプションの全限月 の取引が午前10時20分から、日経平均先物ラージ、ミニの全限月取引も 午前11時4分から停止した。その後、午後2時10分から先物などの取引 を再開したが、原因については調査中で、不明としている。ゴールドマ ン・サックス証券の宇根尚秀エクイティデリバティブトレーディング部 長は、「先物・オプションのみならず、現物市場にも影響が波及してい るようだ」と指摘していた。

東証1部の売買代金上位ではソニー、三菱UFJフィナンシャル・ グループ、東芝、住友不動産、ソフトバンク、JR東日本、三菱地所、 ケネディクス、大和証券グループ本社などが上昇。野村証券の佐藤雅彦 エクイティ・マーケットアナリストは、「世界的にリスクオフで債券に 回っていた資金が株式に戻ってきている」と指摘。日本株は出遅れが顕 著だったため、円安要因だけでなく、アベノミクスによる独自戦略でデ フレ脱却への道筋が見えるなら、「資金回帰による上昇余地はまだ大き い」と話している。

東証33業種で下げたのは鉱業、鉄鋼、海運、非鉄金属、精密機器な ど9業種。個別ではコマツ、三菱商事、ファナック、住友金属鉱山、ニ コン、JFEホールディングスなどが安かった。住友鉱には、チリ銅鉱 山の開発費が想定より上振れることになり、財務や収益圧迫要因になる ことを懸念する売りが広がった。

東証1部の売買高は概算で31億1886万株、売買代金は2兆180億 円。騰落銘柄数は上昇1083、下落497だった。

--取材協力:Yoshiaki Nohara、長谷川敏郎. Editor: 院去信太郎

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